景気動向

2009年9月 7日 (月)

NO, WE CAN’T

堀古英司氏のレポートから

NO, WE CAN’T

2007年に始まったアメリカの一連の不良債権問題に関し、明確にしておかなければならない事があります。それは第一に、2008年9月「リーマン・ショック」をきっかけに始まった大手金融機関が連鎖倒産し、金融システムが麻痺してしまうような状況は今年春をもって既に遠のいた事、第二に、一方で不良債権問題は解決していないという事です。大まかに言えば、アメリカ財務・金融当局は、前者に対しては問題先送り措置を取り、後者に対しては多くの負担を国家に転嫁する措置を取りました。ですので今後不良債権問題に伴って発生する損失は、一部が金融機関、残る多くの部分が政府の負担になります。この結果、来年以降アメリカが経験するであろう危機は、リーマン・ショックとは性質が異なるものになると考えられます。

アメリカ財務・金融当局が一番初めに取った問題先送り措置はリーマン破綻3日後の空売り規制でした(第228回 米財務・金融当局が「麻薬」に手を出した理由(2008年9月22日))。もちろんリーマン・ブラザーズが破綻したのは空売りが原因ではありません。リーマンが不良債権を抱えていたのが原因であり、それに耐えられる資本を蓄えていなかったのが原因です。しかし当局は不良債権や資本不足の問題に着手する代わりに、金融機関の空売りを規制するという愚策に出てしまったのです。

時価会計ルールの緩和も問題の先送りに過ぎません。銀行がお金を貸して、金利は毎月受け取り、将来見込まれる貸倒損失は計上しなくて良いのであれば、「今は」儲かるに決まっています。保険会社が保険料だけ受け取り、将来見込まれる保険金支払に備えていないようなものですから、問題が先送りされているだけなのは明らかです。

ストレス・テストは市場心理を大幅に改善させる効果はありましたが、今回の不良債権問題が大手行750億ドルの資本増強で済むと信じている人は殆どいないと思います。 実際我々の分析では、同じ債権でも額面100に対して市場価値に近い50近くまで落としている銀行と、まだ80-90のままバランスシートに載せている銀行と様々です。そもそも個別債権の評価が30-40%違う銀行業界で、有形普通株自己資本が4%で健全と判断するストレステストを、不良債権問題の解決のきっかけとするには無理があるのです。

これら先送りされた問題は銀行に残ってしまっています。しかし、政府が大手19行は潰さないという強い意志を示しているので、リーマン・ショックのように、それによって金融システムが脅かされる状況になる可能性は低いでしょう。一方で毎週FDIC(連邦預金保険公社)が発表している中小銀行の破綻は今後も増加していく事になると思います。

リーマン・ショックに代わって今後大きな問題になると考えられるのは、現在政府が実施している様々な「保証」です。昨年10月に議会承認された70兆円のTARP(不良資産買取プログラム)資金は今年3月時点で残り5兆円と、ほぼ枯渇するに至りました(株式相場が安値を付けたのも、TARP枯渇に対する懸念が一つの要因でした)。困り果てた当局が積極的に利用し始めたのが、すぐに負担が発生しない様々な「保証」です。今年6月時点で、様々なプログラム名の下、連銀で約620兆円、FDIC関連で約170兆円、政府系住宅金融関連で約75兆円の保証が実施されています(連銀であろうと、FDICであろうと、政府系住宅金融であろうと、最終的に国民負担である事に変わりはありません)。

これらはいずれも、すぐに負担は発生しないものの、住宅市場や雇用情勢が回復しなければ同時に損失が発生し始め、しかもその負担は巨額なものに上るというリスクを内包しています。果たしてアメリカ政府の財務体質はこのようなリスクに耐えられるのでしょうか。答えはもちろんNO, WE CAN’Tです。

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2009年9月 6日 (日)

いい加減な運用でも案外大丈夫?

こんばんは。ひさびさの更新です。

さて、本邦では衆院選、ちょっとした政権交代が起ったが、経済へはどのように影響するだろうか?

恐らく 新しい政治への期待より、「どこまでできるのか?」の不安、不透明感が大きく、下げ相場になるだろう。

世界経済全体への影響は小さい。

ダイヤモンドオンラインから

いい加減な運用でも案外大丈夫な理由

公的部門の支援で回復の景気 株式市場に再度動揺のリスク

再任のバーナンキFRB議長
ウォール街賞賛も議会には不満

「銀行業界はFRBにとって最も重要な選挙区である」。FRBの内幕を描いた『神殿の秘密』(1987年刊)で、著者のW・グレイダーはそう述べている。ウォール街から支持を得られなければ、事実上、FRBは仕事を進められないことを彼は指摘していた。

 8月25日にオバマ大統領は来年1月に任期が終わるベン・バーナンキFRB議長の再任を発表した。ウォール街からの彼に対する非常に高い信任は、オバマの判断に大きな影響を与えた様子である。

 リーマン・ブラザーズの破綻で崩壊に瀕した金融市場に対し、バーナンキ率いるFRBは次々と新しい資金供給策を創出して、パニックの拡大を阻止した。それらの市場救済策は、場合によってはFRBに損失を生じさせ、納税者負担につながるリスクもあった。

 FRBが捨て身の救済策を発動したことは、当然ながらウォール街からは賞賛されている。

 上院はバーナンキの議長再任を賛成多数で承認する見通しだ。だが、影響力を持つ民主党のドッド議員は、「たぶん正しい選択なのだろう」と微妙な発言を行なっている。

 多くの議員は、バーナンキの果敢な対応のおかげで米国経済が大恐慌を回避できたと評価しつつ、議会のコントロールを超えて、FRBが納税者負担を生みかねない巨額の資金供給を実施したことに不満も感じている。

・・・

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2009年7月19日 (日)

こんばんは。

こんばんは。

今、「NHKスペシャル “マネー資本主義”」 放映されてますね。

面白そうだよ。

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2009年7月12日 (日)

金融危機「震源は欧州」だった?! 

金融危機「震源は欧州」だった?! 

世界の資金の流れに焦点を当てると、金融危機の「震源」は欧州の銀行だった、とするリポートを日本銀行がまとめた。サブプライム問題を生み出したのは米国だが、資金が欧州の銀行を経由し過ぎていたため危機が一気に世界に拡大した、と分析する。

 金融市場局が国際決済銀行の統計を用い、世界の金融ネットワークを分析した。英国、スイス、ユーロ圏内の欧州3地域の銀行部門は02年以降、産油国や新興国との取引を拡大。米国や日本の銀行部門を押しのけ、世界の資金が集まる最大級の「ハブ」(中継地)に成長した。

 ハブでショックが起きた場合、資金のネットワーク全体に瞬時に広がるおそれがあるという。サブプライム問題を契機に途上国が資金を引き揚げ始めると、欧州の銀行間でドル資金の取引が凍りつき、金利は急上昇した。ユーロ圏と英国の銀行が緊密に資金をやりとりしていたため、「ショックが両地域間でピンポンラリーのように増幅し、影響は世界各地に広がった」という。

 日米欧の中央銀行が昨年秋から金融機関にドルを無制限に供給する異例の措置を取ったことで、世界の金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。リポートは「(日米欧の)ハブに集中的に資金を供給する体制であり、効果的だった」と評価している。

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欧米の新聞は、既に死んでいる 元新聞記者が愛惜を込めて直視した業界の終焉

激動の渦中にある産業にとって何よりも恐ろしいのは、時代の変化の速さだ。このビジネスは安定していて、これからも多くの利益を上げ続けると思っているうちに、ほんの数年後には、そのビジネスモデルは崩壊してしまっていたということはあり得るのだ。

 新技術の分野においては、変化のスピードはさらに速い。消費者の行動の変化はこれまでになく速くなり、かつて力を持っていた産業が、今や息も絶え絶えとなっている。その最たるものが新聞業界である。

「ほとんどの新聞社は投資に値しない」と言ったバフェット氏

 新聞業界が厳しい状況であることは、米国と欧州では10年以上も前から明らかだった。そしてついに2008年、この業界は変化の波に押し流されてしまった。米国ではデンバーからサンフランシスコ、そしてシアトルなど、かつては各地で読まれていた地方新聞が廃刊となった。米「ニューヨーク・タイムズ」紙は日々の支払いに必要な金策のために、法外な利子でカネを借り、マンハッタンにある本社を抵当に入れなくてはならなくなった。

 欧州では英「イブニング・スタンダード」が負債引き受けを条件として、ロシアの億万長者にたったの1ポンドで売られた。フランスの「ルモンド」紙と「リベラシオン」紙の状況もひどく、欧州大陸内はどこも同じような状況だ。

 米国と欧州、大西洋どちらの側の記者に聞いても、出てくるのは終わりなき予算カット、リストラ、収益の減少といった暗い話ばかりである。強い酒でも飲まなきゃやっていられない、というのが本音だろう。

 世界第2位の富豪で米国人投資家であるウォーレン・バフェット氏は今春、新聞業界への投資を断念すると発言した。「いかなる価値であっても、ほとんどの新聞社は投資に値しない」と年次株主総会で彼は語った。「新聞各社は今後も損失を出し続ける可能性がある」とも言っている。

 ビジネスでも新聞業界にかかわり、業界への思い入れの強いバフェット氏だけに、この発言は非常に大きな意味を持つ。子供の頃、彼が最初に携わった仕事は新聞配達だった。そして、長い間「ワシントン・ポスト」紙や「バッファロー・ ニュース」紙の株主でもあった。「問題は、読者にとっても広告主にとっても、もはや新聞は必要不可欠なものではなくなっていることだ」と彼は言う。ニュースは今やインターネット上など至る所で、いくらでも手に入れることができる。要するに「新聞」というビジネスモデルは既に崩壊してしまったということだ。

 ホテルチェーンのマリオットは今年4月、米国内のマリオットホテルにおいて、宿泊客への新聞無料配布を原則、やめると発表した。これだけで全米の新聞の売り上げは5万部減少した。マリオットは新聞配布の中止によって、森林伐採を防ぎ、環境保護に貢献できると主張している。気候変動さえも新聞“消滅”の一翼を担っているのだ。

既に「収穫期」ビジネスとなっている

 海外で生じているこういった問題を聞いても、日本では対岸の火事と思われるだけかもしれない。日本の新聞はまだまだ元気で、世界でも最高の購読数を誇り、高齢化してはいるけれども、安定した読者を抱えている。過去10年間、米国での新聞購読数が15%も落ちているのに対し、日本での下落率は3.2%にとどまっている。

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2009年5月20日 (水)

なぜ査定結果に納得できないのか?「ストレステスト懐疑論」の理由と本質

ダイヤモンドオンラインから

なぜ査定結果に納得できないのか?「ストレステスト懐疑論」の理由と本質

5月8日、FRB(連邦準備理事会)は、ようやく米国主要金融機関19行のストレステスト(資産査定)の結果を公表した。

 ストレステストとは、金融機関を取り巻く経済環境が予想以上に「悪化=ストレスが発生」した場合、「金融機関が保有する資産からどれだけの損失が発生するか」を計測するテストだ。

 何故今、ストレステストを行なうかといえば、サブプライム問題に端を発した経済状況の悪化によって、「米国の大手金融機関がどれほど体力を低下させているか」を調べるためだ。

 実際には、150人に上る金融のプロが、約2ヵ月かけてそれぞれの銀行の資産内容をすべて克明に調査する。

 テストの結果、対象となった19行のうち9行が合格。つまり、「現在の財務内容ままでも、経済の一段の悪化にも耐えられる体力がある」と認められた。

 一方、残りの10行については、今のままで体力が十分ではない可能性があり、今後資本金を積み増して体力を強化することが求められた。

 この結果は、ほぼ事前の予想通りで、多くの関係者は「テストの結果を見て安心した」と胸を撫で下ろした。資本増強を求められた10行の金融機関についても、「実現可能性の高い資本増強さえ行なえば、今後の業務遂行に支障はない」という一種のお墨付きを、金融当局が与えたからだ。

 それは、結果発表に気をもんでいた多くの市場関係者を安堵させたことは間違いない。それをきっかけにして、株式市場で一時的に金融株が買い戻され、市場全体が堅調な展開を示したことを見ても、明らかだ。

 しかし一方で、その結果に懐疑的な見方が根強くあることも見逃せない。一部の金融専門家からは、「今回のテストの前提となるシナリオが甘すぎる」などの批判が出ている。

 また、「今回のテスト結果は、元々政策当局が市場を安心させるために、“結果ありき”の逆算方式で出したのではないか」などの見方も出ている。

 つまり、今回の結果だけを見て、「これで米国の銀行は大丈夫だ」と結論づけることは、時期尚早だろう。今後の展開を注意深く見守ることが、必要になる。今回は、結果公表時から噴出している「ストレステスト懐疑論」の理由と本質について、考えてみよう。

--- 中略 ---

“結果ありき”のテスト結果が
残した「割り切れない不安」

 今回、資本増強を要請された銀行は、「勘定上、すでに注入されている公的資金の優先株式を普通株式に転換することによって、資本増強が行なわれた」と判断されることになっている。

 これは単純に考えると、“不合格”になった銀行は、政府に頼んで優先株式を普通株式名義に変えるだけでことが済むことになる。むろん、それによって当該銀行は、政府の株式持ち分が増加するため、当局からの干渉をより多く受けるデメリットが生じる。

 しかしそれさえ我慢すれば、政府から“安心”のお墨付きを受けることができるわけだ。

 また、優先株式から普通株式に転換することによって、「優先株式の高い配当負担を軽減できる」というメリットも享受できる。それは、収益情況の苦しい銀行にとって、大きな“福音”になることは間違いない。

 こうして見てくると、厳正に行なわれるべきストレステストの実施について、FRBや政府の政策意図が感じられる部分は、やはりどうしても少なくない。それが、関係者から「“結果ありき”のストレステスト」と揶揄される一因になっている。

 問題は、政策当局の意図によって、本当にテスト結果に何らかの“化粧”が施されているとすれば、いずれかの時点でその化粧が剥げ落ちる可能性が高いことだ。それが現実味を帯びてくるようだと、米国、さらには世界の金融市場にマイナスの影響を及ぼすことだろう。

 われわれはそのリスクを、常に頭のどこかに入れて置いた方がよさそうだ。

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2009年5月12日 (火)

ストレステスト結果の受け止め方

こんばんは。仕事が非常に忙しくて、なかなかブログ更新できず、すみません。

さて、マーケット、ようやく雲の隙間から明るい兆しが見え始めた?

もっとも短期的には利益確定にはひとつの良いタイミングかな。

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堀古氏のレポートから

ストレステスト結果の受け止め方

昨日、待ちに待ったストレステストの結果が発表されました。ストレステストの行方を巡って市場が揺れに揺れたこの3ヶ月間でした。ストレステストの実施が明らかになったのが2月初、そもそもガイトナー米財務長官が「銀行救済策」を発表するはずだった記者会見で発表し、寧ろ金融危機に対する市場の懸念を増幅する結果となりました。その後AIG、シティグループが次々と実質国有化、ストレステストの結果によっては更なる国有化に繋がるとの懸念から3月初に米国株式は安値を付けるに至ったのでした。

そもそもこのストレステストが実施された理由を思い出してみましょう。不良債権問題解決に必要な、(1)不良債権の価額を把握、(2)それに伴って発生する金融機関の資本不足を補う、(3)金融機関の新規貸出し増加、というステップのうち、(1)に過ぎません。従ってストレステストの結果をもって、アメリカの不良債権問題が解決する、と期待するのはそもそも見当違いなのです。ただ、(1)に過ぎないとはいえ、これによって昨年9月のリーマン・ショック以降市場が抱いていた余計なリスク、カウンターパーティ(取引相手)リスクが大きく後退するという成果はあったと思います。

リーマンが破綻した当日にテレビ東京の番組に出演させていただいた私は、「今後発生すると見られる大手金融機関の連鎖倒産、またそれによって金融システムが麻痺する可能性は大きなリスクだ」とコメントしました。実際直後にAIGが実質破綻、メリルリンチ、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーが次々と破綻のリスクに直面する異常事態となりました。そしてそのリスクはこの3月まで後退する事はありませんでした。今回ストレステストによって、初めてこのカウンターパーティ・リスクが大きく後退したのは成果だと言えます。即ち、個別金融機関ベースでは今後資本増強や資産売却など課題は多いものの、だからといってそれが金融システム全体を揺るがす事態となる可能性は当面無くなったと見て良いでしょう。市場の不安心理を表す変動率指数は本日時点で31にまで低下していますが、これはリーマンが破綻した日と同じ水準です。このようにカウンターパーティ・リスクが大きく後退した事は数字のうえでも明らかに見てとれます。

一方で、アメリカの抱える不良債権問題の解決はこれからです。そもそも今回のストレステストには2つの大きな問題があります。第一に、「ストレスのかかった」の経済状況の見通しです。例えば2009年GDP-3.3%、失業率8.9%、住宅価格-22%という「ストレスのかかった」前提に対し、実際は2009年第1四半期GDP-6.1%、4月失業率8.9%、住宅価格下落率の20%超もほぼ確実な情勢です。現在の経済状況が既に「ストレスのかかった」前提に近くなってしまっており、経済に更なるストレスがかかった場合に負のスパイラルに陥ってしまう可能性は否定できません。

第二に、今回当局は「有形普通株自己資本比率」の4%をストレステストの基準としていた事が明らかになりました。4%というのは、殆どの金融機関がいざとなれば既存の優先株を普通株に転換すれば達成できる基準です。しかしそもそも、今後も不良債権の増加が確実視される中、4%で足りるのかという問題は残ります。またメガバンクの総資産が軒並み200兆円近くに上る中、この基準が1%上がるだけで兆円単位の資本不足が生じる事になります。別の見方をすれば、今回当局が基準を(5%ではなく)4%に設定してくれたのはラッキーだったとも言える訳です。

このように、今回のストレステストはカウンターパーティ・リスクという大きなリスクを軽減させる事に成功したものの、中長期的な不良債権問題を解決したものではない、という認識が大切だと思いますただ市場に目を転じてみると、リーマン破綻当日と今日を比べると、変動率指数が同じである一方、リーマン破綻当日のダウ終値が11,000ドルであったのに対して今日は8,400ドル台です。全て回復するのは困難にしても、当面カウンターパーティ・リスクの後退を楽しめる余地はかなり残っているのではないかと考えています。

(2009年5月8日記)

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少し日がたってますが、中原圭介氏のコラムから

今年と来年の大雑把な株価予想

日経平均株価は昨年10月安値と今年3月安値である7000円でダブルボトムを形成しました。そのことにより、世界的な景気後退の底打ちは確認できていないものの、日経平均株価の下降トレンドは当面の底を打った可能性が出てきたことを、3/30の記事では書きました。

一方で、昨年11月高値の9500円、今年1月高値の9300円が強力な上値抵抗ラインとして意識されています。たとえ好材料が重なり、9500円を一時オーバーシュートすることがあったとしても、高値は10000円が精一杯になるのではと見ています。

よって、日経平均株価は高値のレンジが9000円~10000円、安値のレンジが7000円~8000円のボックス圏相場に突入した可能性が高まっています。

世界的な景気対策の効果が切れる兆候が見られるまでに、アメリカの住宅価格の下落が止まるのか止まらないのか、金融機関が不良資産をバランスシートから切り離すことが進むのか進まないのか、これらの結果によって、来年以降の株価の予想は全く変わってきます。

短期的には株価と景気はぴったりと一致するわけではありませんが、長期的には一致する傾向があります。

悪いシナリオとしてアメリカの住宅価格の下落が続き、ストレステストの資産査定の結果を甘めにしてしまったとしたら、金融機関は不良資産をバランスシートから切り離すことをせずに、金融の正常化は程遠いものとなってしまいます。その場合は来年以降の株価は当面の安値7000円を下回ってくることも考えられます。

逆に良いシナリオとしてアメリカの住宅価格の下落が止まり、金融機関のバランスシートの健全化が進めば、ボックス圏相場を維持するか、本格的な上昇相場に転じる可能性が残されています。

4月上旬に、政府の関係機関が最大50兆円の株式等を市場から買う「危機対応措置」を設け、リーマンショック以来の株価急落のような異常時に限り買い出動することを示唆しました。ですので、7000円はかなり強い下値抵抗ラインとして考えることもできます。

しかし歴史上、政府の株価対策が効果を発揮したという記憶が、私にはありません。仮に悪いシナリオになった時に、この措置の規模は十分な額に思われますが、成功するか否かは未知数な政策です。

アメリカでは、金融機関の不良資産買取策の実効性がまだ判断できるほど運用面の具体的な方法が明確になっていませんし、GMの救済問題の結果がどうなるのかも見えていません。一寸先は闇の難しい相場が続きそうです。
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2009年4月25日 (土)

米金融「好決算」の真相

堀古氏のレポートです。

米金融「好決算」の真相

1-3月期の米金融機関の決算は、あたかも金融危機が終わったかのような好決算が相次いでいます。好決算なので早く発表したくて仕方ないのでしょう。通常、企業が株価を上げたい時に使う「繰上げ決算発表」のオンパレードとなっています。しかしニュースの一行目で報じられる「好決算」とは裏腹に、実は中身をよく見てみると悲しくなってしまうような内容が並んでいるのです。

好決算の火付け役となったのは大手銀行ウェルズファーゴでした。予定されている決算発表は4月22日だったのですが、待てなかったのでしょう。4月9日に速報値を発表してきました。
-収入は200億ドル、合併前のウェルズファーゴから2桁増収!貸倒償却は61億ドルから33億ドルに減少!
ご存知の通り、現在のウェルズファーゴは実質破綻となったワコビア銀行と合併した銀行です。一年前のウェルズファーゴの収入は137億ドル、ワコビアは130億ドル、合計265億ドルですので、実際は増収ではなく減収なのです。しかも現在の経済環境では貸倒償却の減少は一時的な色彩が極めて強いと言えます。

次はゴールドマンサックスでした。ニュースの一行目は以下の通りです。
-純利益18億ドル、一株利益3.39ドル、2008年2月29日期の3.23ドルを上回る!
ゴールドマンは銀行持ち株会社への移行に伴い、これまでの12-2月期から1-3月期に決算期を変更して初めての決算発表でした。1-3月期に18億ドルの利益が出た事は一行目で発表されましたが、今回の決算期から外れた去年の12月、1ヶ月間で10億ドルの損失を出していた事に関する記載は発表資料の下の方でした。決算を繰り上げて発表し、しかもその日に50億ドルの増資をしなければならないという重要な日だった訳ですから、12月の損失も一行目で開示するのが誠実な姿だったのではないかと思います。

そしてメガバンクです。今月初に発表された時価会計ルールの緩和の影響がどれだけ出てくるか、市場が戦々恐々と見守る中、JPモルガンもシティグループも、時価会計ルール緩和によるメリットは殆ど受けていない、との発表でした。それもそのはず、実は両行とも時価会計ルールが緩和される前のメリットを受けていたのです。これはFASB157と呼ばれ、従来の資産だけではなく、負債も時価で評価する、というルールです。3月初めまでは金融危機は深刻化する一方でしたから、メガバンクの負債の評価はかなり下がっていたのです。資産の評価が下がると損失が出るのと逆で、負債の評価は下がると利益が出るのです。直感的に変だと感じられると思いますが、メガバンクは今回、正にその変な利益をかなり計上しているのです。好決算はこの変な利益が寄与した結果とも言えます。

バンクオブアメリカの決算は中国建設銀行株の売却に伴う一時的な利益が大きく貢献していたにも拘わらず、ルイスCEOは「会社自体の強さだ」と強調しました。これが逆に不誠実な印象を与え、株価は一日で24%の急落となりました。これに加え、特に1-3月期は巨額の公的資金注入を受けたAIGが大規模なクレジット・デフォルト・スワップの手仕舞いを行いました。自ずから取引相手の言い値での手仕舞いになったため、取引相手の大手金融機関に大きな利益(公的資金)が転がり込んだ可能性が高いと見られます。

出来るだけ財務内容を良く見せ、資本増強を有利に進めなければならない状況である事は分かります。しかし今の米金融機関は勉強する事よりも、成績表を良く見せる事に力を入れすぎているように見えます。それが行き過ぎて市場に「誠実でない」という印象を与えてしまうと、逆効果になる事が忘れられているような気がします。

(2009年4月21日記)

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2009年4月 2日 (木)

今回の反騰相場は「いつか見た光景」となるのか?

中原圭介氏のコラムから

今回の反騰相場は「いつか見た光景」となるのか?

先週までのNYダウ平均株価は3週連続で上昇し、今月に付けた最安値から約19%上昇して終わっています。3週連続の上昇は2008年5月以来のことです。アメリカ政府の景気対策に加え、FRBの資産担保証券への資金供給策、財務省の不良資産買取策と、矢継ぎ早にできる限りの政策が総動員された結果、市場の期待が膨れ上がり、景気底入れを見込んだ株価反騰となっています。

しかし、私は景気が底入れしたと判断するには早計だと思っています。

FRBの資産担保証券への資金供給策は、本来ならばそれなりの効果が期待できますが、現在は商業用不動産価格の下落幅が拡大傾向にある途中です。せっかく住宅価格の下落幅は縮小してきているのに、商業用不動産のローン延滞率はリーマンショック以来、直近の2月まで上昇基調にあります。商業用不動産価格の下落とともに、金融機関が保有する関連証券化商品の損失額が急拡大していることは間違いありません。FRBの負担がどこまで増えるのか、非常に不透明な状況です。

金融機関の不良資産買取策にしても、最大の焦点である不良資産の価格がどのように評価されるのかは、まだ何も決まっていません。おまけに、金融機関は不良資産を処理することにより確実に損失が膨らむため、簡単にはこの買取策の活用に踏み切ることができないでしょう。追加損失が膨らめば、資本注入に必要な金額も増えますし、政府の公的関与の度合いが強まります。制度の欠陥を補う妙案が出て来ない限り、金融機関の立場からはとても安心できるスキームではありません。

その上、買取枠が96兆円で本当に足りるのかという疑問もあります。以前、バッドバンク構想が一回立ち消えになりましたが、その原因は不良資産の処理には約400兆円が必要であるという試算が出たためです。そんなお金はとても捻出できないと、バッドバンク構想は頓挫していたのです。それを、新たに96兆円でやると言われても、その資金枠ではとても足りないと思われます。住宅市場や商業用不動産市場が回復しない限りは、やはり少なくてもあと数百兆円は必要であると考えられます。

私がこのブログでリスク資産のオールキャッシュ化を唱えて以来、アメリカの株価に連動して日経平均株価が予想以上に反騰する局面は2回ありました。昨年の4月~6月と10月~11月の2回の反騰相場です。ただし、今回の反騰相場と昨年の2回の反騰相場との違いは、明確にしておく必要があります。日経平均株価で見ると、昨年10月~11月の反騰相場前の安値と今年3月の安値がダブルボトムを形成したことで、景気後退の底打ちは確認できていないものの、相場のトレンドは底を打った可能性が出てきたということです。

もちろん、拙書「サブプライム後の新資産運用」でも書いているとおり、景気後退が続いている途中でのトレンド転換は当てにはなりませんが、昨年4月~5月のトレンド転換時の株価水準から一時は半値近くまで落ちているので、以前のトレンド転換よりは信用性が増していると言えます。

しかしながら景気後退下では、「期待で買われ、現実で売られる相場」が何度となく繰り返される傾向があります。2008年6月7日の記事で述べたように、「いつか見た光景」が再現される可能性は捨て切れません。

このように判断が難しい局面では、どちらに転んでも大丈夫なように、ニュートラルな思考に切り替えることが求められます。

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2009年4月 1日 (水)

官民投資プログラムの効果は?(2)

堀古氏のコラムから

官民投資プログラムの効果は?(2)

最近、アメリカでは金融危機への対応策として様々な策が発表されます。それもスピードがかなり早いので、日本にいらっしゃる方はなかなかついていけないのではないかと思います。ですので今一度、現在どの位置にいるのかを確認しておきたいと思います。

不良債権問題の解決に必要なのは大きく、(1)不良債権の価額を把握する事、(2)それに伴って発生する金融機関の資本不足を補う事、(3)金融機関の新規貸出し増加、です。アメリカは昨年後半にかけて不良債権問題の解決を急ぐあまり、(1)が中途半端なままに(2)に進んでしまいました。2-3月の株式相場急落はその反動が出たと言ってよいでしょう。そして先月、大手金融機関に対して、再び(1)をしっかりやろうという事になりました。これがガイトナー財務長官の発表した「ストレステスト」です。4月末までに完了する事になっています。

これとは別に、(2)から(3)への動きを進めようとするのが、今回発表された官民投資プログラム(PPIP)です。即ち、PPIPによってある程度資本不足が緩和されると同時に不良債権が切り離されるので、金融機関は新規貸し出しを進める事ができる、という訳です。しかし前号最後で申し上げたように、PPIPは一つの問題を解決しようとするために、将来他の大きな問題を孕んでしまった可能性が高いと考えています。

まず最近、金融危機対策を実施する主体として財務省とか連銀とかFDICとか、政府系の様々な主体が出てきます。難しく考える必要はありません。本質を掴むには全て「政府」と考えるのが一番です。(例えば「連銀が長期国債を購入」というニュースが出たとします。国債を発行するのは財務省ですが、財務省も連銀も「政府」と考えると国債はプラスマイナスゼロですので、結局このニュースは「連銀が紙幣を印刷してばら撒いた」と同じである事が分かります。)この考え方で今一度、このプログラムをご覧になってみて下さい。

1. 銀行が額面100億円の不良債権をオークションにかける
2. 民間のファンドが入札、仮に84億円で落札したとする
3. a. 落札金額の14分の1(6億円)を民間のファンドが出資
  b. 14分の1(6億円)を財務省が金融安定化資金から出資
  c. 7分の6(72億円)をFDIC(預金保険公社)がノンリコース融資(※)

財務省もFDICも政府です。なので84億円のうち78億円は政府がお金を出している事になります。しかも72億円はノンリコース融資なので、不良債権が値下がりして民間のファンドが返済不能になった場合、その値下がりに伴う損失は政府の負担です。即ち「官民投資プログラム」とは名ばかりで、14分の13のお金とリスクの負担をしているのは政府なのです。ちなみに最大1兆ドル規模のPPIPに対し、数多くの銀行破たんの結果FDICにはもう190億ドルしかお金が残っていないというのはご存知でしょうか?

そう言えば昨年8月、証券会社メリルリンチが「CDO(債務担保証券)を7200億円でファンドに売却」というニュースが出ましたが、実はメリルリンチは同時に、ファンドに対して5400億円のノンリコース融資を実施していたのを思い出します。5ヵ月後の今年1月、メリルリンチが巨額損失計上を発表したのはご存知の通りです。

今回例えて言えば、政府は保険を売ってその保険料を金融機関にプレゼントし、残った保険金支払のリスクだけ背負う状態になります。もちろん今後、不良債権の価値が上昇してくれれば問題はありません。しかし将来、丁半博打に負けて不良債権が値下がりする事になれば、金融安定化資金は簡単に枯渇してしまいます。その時政府は市場に、まだピストルの弾が残っているように見せかける事はできるのでしょうか?

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2009年3月26日 (木)

官民投資プログラムの効果は?

堀古氏のコラムから

官民投資プログラムの効果は?(1)

本日、市場が待ちに待ったいわゆる「バッドバンク構想」である官民投資プログラム(PPIP: Public-Private Investment Program)の詳細が米財務省から発表されました。これが好感され、NYダウは500ドル近くの上昇となりました。2月初め、「バッドバンク構想の発表間近」と期待させられた挙句、結局何も具体化していなかったと判明して株価が急落する場面がありましたが、ちょうどその水準を回復するに至りました。

米財務省のウェブサイトにも掲載されていますが、PPIPは以下のような仕組みです。
1. 銀行が額面100億円の不良債権をオークションにかける
2. 民間のファンドが入札、仮に84億円で落札したとする
3. a. 落札金額の14分の1(6億円)を民間のファンドが出資
  b. 14分の1(6億円)を政府が不良資産救済プログラム (TARP) から出資
  c. 7分の6(72億円)をFDIC(預金保険公社)がノンリコース融資(※)
※ノンリコースとは、仮に不良債権の価値が下落し、民間のファンドが融資を返済できなくなった場合、民間のファンドは不良債権を放棄する事によって返済義務を免れられる

一見かなり複雑な仕組みのように見えるのは、昨年来、バッドバンク構想に伴う様々な問題をクリアしなければならなかったからです。第一に、不良債権をオークションにかける事によって、価格の不透明性の問題をクリアしています。第二に、不良債権価額の14分の1という小さな割合でも民間のファンドに出資させる事によって、当該民間ファンドにインセンティブを持って不良債権をマネージさせる事ができます。これによって「小さな政府」のアメリカが専用の人材を用意する必要がなくなっています。第三に、政府の出資は不良債権額の14分の1で済みますので、残り60兆円ほどしか残っていない金融安定化資金をそれほど費やす必要はありません。第四に、前号でもご説明したように米財務省が信頼を失いつつある中、政府が民間ファンドと同額を出資する事によって、PPIPへの信頼が補完されています。第五に、これが最も重要なポイントなのですが、FDICがノンリコース融資を行う事によって不良債権への入札価格が上昇する事から、銀行の資本不足緩和に寄与すると共に、不良債権の売却を促しやすくなっています。

民間のファンドが投資するのは、上記の例で言えば次のような金融商品です。オークションで落札した不良債権が15%以上値下がりすれば6億円失う代わりに、値上がり益は理論的には無限大です。損失は限定的で、利益は無限大、即ちコールオプション(原資産を一定価格で購入する権利)のような性質を持っています。自ずから本来、当該不良債権が持つ価値よりも高い価格が付くはずです。但しこの、本来当該不良債権が持つ価値と、落札される価格の差は民間ファンドが受けるメリットではありません。民間ファンドは既にこのような金融商品である事を分かったうえで、競争入札によって公正な価格で落札しているはずだからです。それではこのメリットを受けるのは誰なのでしょうか?それは不良資産を売却する銀行に他なりません。

即ち、政府は単純に資本注入するのではなく、FDICによるノンリコース融資によってリスク負担の銀行から政府への移転、という形で公的資金注入しているのです。従って、このPPIPはスキームが複雑に見えますが、実は政府による変則型の公的資金注入に他ならないのです!AIG幹部のボーナス問題等でもお分かりの通り、一般の米国市民によるウォール街への怒りは頂点に達しています。そのような中、何とか一般の米国市民には分かりにくい形で銀行に資本注入する方法はないか、そのような観点から考え出された妙案のように見えます。

今日発表されたPPIPは、様々な制約がある中、上手くそれらの制約をクリアし、実際市場にも好意を持って受け止められています。しかし、残念乍ら万能薬というのは存在しないのです。今はひとえに、市場がこのプログラムが内包する大きなリスクに気付かないまま(又は目をつぶって)、金融危機の峠を越してしまう事を望むばかりです。。。

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2009年3月23日 (月)

バッドバンク構想詳細を発表

米財務長官が不良資産買い取りの「バッドバンク」構想詳細を発表

U.S. lays out plan to attract buyers for toxic debtR32

不良債権処理 米政府、最大1兆ドル買い取り目指す

米財務省は23日、金融危機対策で銀行などから不良資産を大量に買い取る「官民投資計画」の具体策を発表した。最大1千億ドル(約9兆6千億円)の公的資金を投じるほか、債務保証や低利融資を活用して最大1兆ドル(約96兆円)の買い取りを目指す。公的負担を減らすため、民間金融機関も投資家として参加する計画だ。

 ガイトナー財務長官が2月に発表した金融安定計画の詳細で、不良債権問題の解消を狙う。昨年秋に成立した金融救済法で認められた公的資金のうち750億~1千億ドルを投入する。連邦預金保険公社(FDIC)による債務保証や、連邦準備制度理事会(FRB)の低利融資などを加え、買い取り規模は当初は5千億ドルを目標にし、最終的には1兆ドルをめざす計画だ。

 買い取るのは金融機関の不良資産。公的負担を軽減させるため、民間金融機関に買い取りへの積極参加を呼びかけ、買い取り資金の大部分を財務省やFDIC、FRBが融資や債務保証などで実質的に負担する。

 買い取りを競わせるため、民間の投資会社が参加する複数の「官民投資基金」を設立する計画だ。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)で問題になった金融機関の高額ボーナスなどの規制はかけず、参加しやすいようにする見通し。

 ガイトナー長官は23日の記者会見で「こうした資産を処分する市場は機能していなかった」と、買い取り制度の必要性を強調。「政府がリスクの一部を負担をすることで、金融機関の財務内容と流動性が強化され、景気回復に必要な融資が維持されることを期待している」とした。

 不良資産を売却する金融機関は損失を被るが、危機の長期化に伴う損失の悪化を避けることが可能という。

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2009年3月17日 (火)

米国の “過剰消費体質”は変わる?

日経ビジネスオンラインから

米経済、今年後半に持ち直しへ

米経済は2008年第4四半期に急激に落ち込んだ。最近の経済指標からは、今年第1四半期に入っても景気は明らかに弱い状況のままであることが読み取れる。第1四半期の実質GDP(国内総生産)は年率換算で約5%のマイナス成長となり、この傾向は恐らく第2四半期に入っても変わらないだろう。

 現在は経済指標も悪く見通しも暗いが、今年後半にはわずかながら経済成長はプラスに転じ、2010年にはさらに回復が進むと筆者は予想する。それほど強い拡大基調にはならないと考えているが、経済は落ち込みから抜け出し、成長を開始するはずだ。

 景気後退から脱却するうえで、3つの要素が相乗効果を発揮すると考えている。すなわち、財政政策による経済活動の押し上げ、金融政策による資金供給拡大での需要の喚起、そして民間部門の低落傾向からの脱却である。

GDPの3%に相当する財政支出

 バラク・オバマ米政権と米議会は、経済を成長軌道に戻すために思い切った財政政策に乗り出している。2月に議会が承認した財政支出と減税による景気対策の規模は、GDPの約5.5%に相当する(対策の実施は2年間にわたるため年換算では約2.8%)。この景気対策の有効性についてエコノミストの評価は大きく分かれているが、大半の意見は好意的だ。

 オバマ大統領の経済政策顧問は、財政政策への伝統的な見方に基づき、米議会で可決された景気対策法案は、景気対策を行わない場合に比べ2010年末までに実質GDPを3.7%押し上げると予想されている。さらに、景気対策で370万人の雇用が創出、または維持され、対策を実施しなかった場合に比べて失業率は1.8%下がるとの予想を示した。

 大統領の経済政策顧問の見方なので評価が甘めかもしれないが、予測は米議会予算局(CBO)が、財政政策の効果に関する一般に受け入れられている調査研究に基づいて算出した推計の範囲内に収まっている。

 景気対策にはかなりの景気浮揚効果があるだろうが、米経済の最近の急激な落ち込みぶりからすると、恐らくこの景気対策だけでは経済活動の落ち込みによる悪影響を完全に打ち消すことは難しい。だが、政府は不良資産救済プログラム(TARP、最近「金融安定化計画(FSP)」に改称)による支援策も講じている。

FRBと米財務省が共闘

 TARPについては批判も多かったが、批判の内容はTARPによる明確な改善が金融市場に表れなかったことに対する失望感に過ぎない。筆者は、金融市況をこれ以上悪化させないためには有効な策だと考えている。

米国の “過剰消費体質”は変わる?

世界的な経済危機の引き金となったサブプライムローン問題。この問題の根底には「米国の過剰消費体質があった」という話をしばしば耳にします。今回は、米国の過剰消費体質とは具体的にどんなものか、その体質は是正されるのか、また、是正されることによって、世界経済はどのような影響を受けるのかについて考えてみます。

クレジットカード保有「1人8.6枚」、残高5000ドル

 まず、米国人の消費行動の特徴を改めて、見てみましょう。

 米国の消費者は、驚くほど借金に頼った消費をしています。その象徴がクレジットカードです。米国では、商品やサービスの購入に際して、クレジットカードが重要な役割を持っています。米国人はクレジットカードを使って借金をしながら消費していると言っても過言ではありません。

 クレジットカードと一言で言っても、米国と日本とでは違いがあります。米国のクレジットカードとは、クレジットカードで購入した金額のうち、(一括払いもできますが)ある一定の金額を払えばよいという仕組みのものを指します。これは、日本の「リボルビング払い」を想像してみれば分かりやすいでしょう。一方、翌月一括払いで支払うカードは、米国ではクレジットカードの特別版である「チャージカード」といい、クレジットカードとは別のものを指します。

 米商務省センサス局の2006年の統計によると、何らかのクレジットカードを持っているのは1億7000万人。また、米国内で保有されているカードの枚数は合計14億8800万枚です。1人当たり8.6枚、20歳以上人口で割った場合は、1人当たり6.9枚のカードを保有しているということになります。また、カード保有者1人当たりで見たクレジット残高は5123.5ドル(約50万円)です。

 一方、日本の場合は、日本クレジット産業協会調べによると、2008年3月末で発行済みクレジットカードは3億859万枚。これを20歳以上の人口で割ると、1人当たりの保有枚数は3枚程度です。また、日本のクレジットカード会社によるアンケート調査()によれば、カード保有者の9割を超える人が1回払いで支払っています。

 このように、米国人が保有するクレジットカードの枚数やクレジット残高は、日本と比べるとかなり多いと言えます。

 ※三菱UFJニコス(2006年5月)「第14回クレジットカードについての消費者調査」

稼いだ以上のお金を消費に回す米国家計

 次に米国の家計部門の消費と貯蓄の動きを貯蓄率から見てみましょう。

 貯蓄率とは、家計部門が受け取る可処分所得に占める貯蓄の割合を見たものです。図1を見れば分かるように、米国家計の貯蓄率は、1980年代以降一貫して下がり続け、今回の金融危機の直前である2005~06年にはほとんど「ゼロ」となっています。 Graph01

 貯蓄とは可処分所得から消費を引いたものです。貯蓄率がゼロであるということは、貯蓄がゼロということであり、可処分所得と消費がほぼ等しいことです。可処分所得と消費との割合を「消費性向」と呼びますが、貯蓄率がゼロとは、消費性向が100%ということ。簡単に言えば、稼いだ所得をすべて使ってしまうということです。

 しかも、この統計は全家計の平均です。家計の中には貯蓄率がプラスの世帯も多いはずです。かなりの家計は、貯蓄率がマイナス(消費性向が100%以上)、つまり、稼いだ金額よりも消費する金額の方が多い状態であることになります。

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2009年3月16日 (月)

戻り継続、過度の金融不安修正

【日本株週間展望】戻り継続、過度の金融不安修正-外国人売りは注意

3月13日(ブルームバーグ):3月第3週(16-19日)の日本株相場は、戻り基調が継続する見通し。米国金融機関の経営問題に対する過度の悲観論が後退しており、買い戻しの動きが相場全体を押し上げそうだ。政府・与党による株価対策への期待も支えになる。ただ、米金融機関へのストレステスト(健全性審査)の影響などで、外国人投資家の売りが継続しており、反発力が限られる可能性もある。

  農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、「一進一退の展開は続くが、月内は下げ過ぎた戻りが継続しそうだ。ただ、外国人の売りが続き、どこで止まるかがポイント」と指摘する。

  3月2週(9-13日)のTOPIXは、前の週に比べ0.4%高の 724.30ポイントで終了。一時は698.46ポイントまで下げ、1983年 12月以来の安値を更新する場面があったものの、米金融不安に対する悲観論が後退し、買い戻しが優勢となった。

            1-2月は黒字

  「1-2月は黒字だった」――。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)のケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)は12日、ボストンでの講演後に記者団に対しこう述べた。通期についても、黒字の自信を示し、追加の公的資金なしで金融危機を乗り越えることは可能と強調した。シティグループ、JPモルガン・チェースと、今週は米銀大手のCEOによる業績の強気発言が相次ぎ、相場の足を引っ張り続けてきた米金融機関の経営懸念が和らいだ。

  金融不安の後退から、12年半ぶりの安値に沈んでいた米S&P 500種株価指数が、12日までの4日間で前の週末に比べて9.9%高となるなど米株式相場は急伸。市場では、「過剰なリスクを考えていた投資家が見方を変えてきた」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)との解説が聞かれ、ショートカバー(売り方の買い戻し)が先行、日経平均は2カ月ぶりに投資家の短中期的な平均売買コストである25日移動平均線(7488円)を上回って今週の取引を終えた。

  東海東京調査センターの中井裕幸常務は、「米金融機関の問題はすべて解決したわけではないが、状況は徐々に変わってきている。時価会計の凍結期待なども出ており、悲観論が強かっただけに、買い戻しはしばらく続きそうだ」と見る。

       時価会計見直し論議、国内株価対策

  投資家の間で期待が高まっているのが、米金融機関に適用している時価会計基準の見直しだ。「時価会計による数値は誤解を生んだり、あまり有益でなくなる恐れがある」――。10日にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で見直しに言及したことで、米金融界では議論が再燃している。見直しは財務不信につながる可能性があるが、証券化商品などは取引が成立しなくなっており、時価会計を続けると、金融不安を長引かせる要因になるためだ。

  米ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授が1月下旬に発表した試算によると、米金融機関の損失額は3兆6000 億ドル(約320兆円)。時価会計基準の適用を緩和し、損失額が減額されれば、新たに追加する公的資金の必要額も少なくて済む可能性が浮上する。来週17、18日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、時価会計の見直しを含む金融対策についての言及などに期待感が高まりそうだ。

  政府・与党が検討する株価対策への期待も相場を支えそう。銀行等保有株式取得機構は11日、銀行と企業の持ち合い株式を買い取る業務を再開すると発表した。取得枠を20兆円に拡大し、12日から取得する。東海東京調査の中井氏は、「与党の解散・総選挙の時期が5月になる可能性が高まる中、政府は節目である日経平均7000円を何としてでも維持するだろう」との見方を示す。

         銀行より外国人保有株取得機構を

  もっとも、外国人からの売りは続き、相場の戻りは限定的になりそう。東京証券取引所によると、3月第1週(2-6日)の外国人の売越額は東証、大証、名証の1・2部合計で5571億円と、昨年3月2週(9226億円)以来、1年ぶりの高水準となった。売り越しは8週連続。

  ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦CEOは、「膨張させてきた信用の破裂は実体経済にも影響を与えた。投資家は、市場に戻ってきてリスクを取れない状況が続いている」と話し、世界的な信用収縮、資産圧縮の動きは続くとしている。

  外国人は2003年以降、日本株を差し引き32兆円買い越した。市場では、足元は米政府による米金融機関へのストレステストの影響が出ているとの見方が多い。査定の結果、資本調達が必要と判断された銀行は6カ月以内に増資をしなくてはならず、バランスシート圧縮の動きが継続しているためだ。東海東京調査の中井氏も、「こうした外国人の動きは続こう。目先の相場は極端に弱気に傾いた国内勢の買い戻しで上昇する可能性はあるが、政府は銀行ではなく、『外国人保有株式取得機構』を作るべきだ」と提言する。

  来週の日本株に影響を与えそうな材料では、17、18両日に日本銀行が金融政策決定会合を開催、企業に対する支援策などが注目される。米国では17日に2月の生産者物価指数(PPI)、住宅着工・建設許可件数、18日に消費者物価指数(CPI)が発表される

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2009年3月13日 (金)

なぜ日本経済の悪化度合いは大きいのか

大和総研のコラムから

なぜ日本経済の悪化度合いは大きいのか

世界金融危機の直接の影響は、日本が先進国の中で一番小さいはずなに、実体経済は日本が一番悪化している。2009年10-12月期の実質GDPの対前期比年率は、アメリカがマイナス3.8%、ドイツがマイナス8.2%、フランスがマイナス4.6%、イギリスがマイナス5.9%であるのに対して、日本はマイナス12.7%である。この理由は、もちろん、12月の本欄「なぜ日本のショックは大きいのか」でも書いたように、日本の外需への依存度が高いことにある。ヨーロッパの中でも、輸出に依存しているドイツの落ち込みは相対的に大きい。やはり輸出依存の高い韓国の実質成長率も、マイナス20.8%と大きい。しかし、日本の落ち込みが大きい理由は、それだけだろうか。

危機以後、円は急速に上昇した。金融危機が認識されていなかった2007年前半の120 円から、現在の90円まで3割以上も上昇した。最近は、おそらく、日本の政治が見捨てられたことによって、円はわずかに下落しているが、それでも3割の上昇である。

内閣府経済社会総合研究所の計量経済モデルによると、10%の円高で2年目に0.54%実質GDPが減少する。30%の円高なら1.62%減少することになる。日本の実質GDPは09年度でマイナス3%減少するというのがエコノミストの相場観になっているが、円高がなければマイナス1.5%程度ですむことになる。これなら、世界標準の落ち込みである。

では、なぜ円高になっているのだろうか。為替レートとは、通貨と通貨の交換比率である。他国の通貨が増えて、自国の通貨が増えなければ円高になるのは当然である。通貨供給の元をなすマネタリーベースの増加率を見ると、アメリカが2倍以上に増えているのに、日本はほとんど増えていない。円高になるのは当然だ。不十分なマネタリーベースの供給が、日本の不況を悪化させている。

欧米金融業界の高報酬は“スーパーバブル”だったのか?

欧米では、経営に行き詰まり、政府の支援を受けた金融機関の経営陣が桁外れの報酬を受け取っていたことが物議を醸している。欧米金融界の高報酬ぶりは経営陣に限ったことではなく、雇用者の平均報酬も際立って高かったことは周知の事実であろう。

しかし、これは1980年代以降の現象である(ちなみに、オリバー・ストーン監督の映画『ウォール街』の公開は1987年)。下のグラフはアメリカの金融業とその他の産業の一人当たり雇用者報酬の比率であるが、70年代までの金融業の雇用者報酬は他産業より10%強高い程度で、突出した高報酬ではなかった。それが、80年代に入ると突如として上昇を始め、2007年には約2倍に達している。この劇的なグラフは、80年代前半に金融業に生じた質的変化が高報酬の源泉であることを示唆している。その「源泉」だが、80年代前半という時期から、レーガン政権以降のアメリカで進められてきた規制緩和であろうと見当が付く。

090304

資産市場が活況を呈するほど、金融業界の収益は拡大する。そして、高レバレッジ(≒多額の借入)が可能になるほど、資産市場に流れ込むマネーは増大し、新たな参加者が引き寄せられる。そのため、金融業界には、「レバレッジを高めて資産取引を過熱させることで収益拡大」というインセンティブが働く。実際、80年代後半の日本のバブルの背景には銀行貸出の急増が、近年の世界的バブルの背景には金融工学を駆使したデリバティブ市場の急拡大があった。これで報酬が歩合給(成功報酬体系)なら、「本来なら住宅を購入できない低所得者にサブプライムローンを組ませれば、自分が大儲けできる」というような空気が金融業界に広がっても不思議ではない。規制がなければ、金融業界(人)がこのような誘惑に抗うことは難しいだろう。

最近、この仮説を裏付ける論文“Are bankers paid too much?” (by Thomas Philippon)が発表された(紹介記事がNYTThe Economistにある)。それによると、金融業の報酬は規制の強弱と関係しており、規制が緩い20年代と80年代以降は高く、厳しい30-70年代は低かった。近年の金融業の高報酬は、規制が過度に緩和されたことによる超過利潤だったという。(金融業の高報酬化が、その他の産業の経営陣に波及したことが、一般従業員との所得格差拡大の一因になったとも考えられる。)

金融業界が利益追求にのめり込んで投機ブームがおこると、最後はバブル崩壊に至り、金融システムだけでなく、経済活動そのものが機能不全に陥りかねない、というのが30年代の世界恐慌の教訓である。そのため、金融業界が投機的ビジネスにのめり込み過ぎないように、グラス=スティーガル法など様々な規制がかけられた。ところが、大恐慌の記憶が薄れてくると、恐慌防止のための規制が無意味で窮屈なものに見えてくる。そこで、金融業界が自由で創造的に活動できるようにと規制緩和が進められたのだが、その結果、80年前の繰り返しが懸念される事態となっている。

市場原理主義(market fundamentalism)に批判的な著名投資家のジョージ・ソロスは、現在の世界的金融危機を、「1980年代前半から続いたスーパーバブルの崩壊」と評しているが、市場原理主義とスーパーバブルの黄昏とともに、金融業界の「高報酬バブル」も崩壊する日が来たのだろうか。

中国の不動産不況のなかにみるリスクとチャンス

昨年12月に出版された「2008年の中国居民収入分配年度報告」では、金融資産の偏在に関する中国人民銀行の調査結果を掲載している。同調査によると、2007年3月末時点の都市住民一人当たり個人貯蓄残高の分布は、10万元(約153万円、当時のレートで換算)以下の家計が98.22%を占め、その個人貯蓄残高は全体の48.39%を占めていたという。逆算すれば、僅か1.78%の家計が個人貯蓄残高の51.61%を占める計算となり、金融資産の著しい偏在が、公式調査でも明らかにされた。

これは個人貯蓄に関する調査であるが、株式保有についても同様のことが言える可能性は高い。個人金融資産の内訳をみると、株価急騰を主因に証券資産のウエイトが2006年末の11.5%から2007年末には27.6%へと急拡大している。「資産効果」を背景に、2007年の高級住宅への需要はかつてないブームの様相を呈したのだが、その資金的裏付けのひとつとなっていた株価は、2007年10月をピークに急落。上海・深圳の流通株式時価総額は2008年の1年間で4兆7850億元(前年比51.4%減)の減少を記録し、これは同年の名目GDPの15.9%に相当する程であった。こうしたなか、2007年に前年比26.5%の急増を記録した全国住宅販売面積は、2008年には一転して20%縮小し、住宅価格指数(前年同月比)は、2008年1月の11.3%上昇をピークに伸びが減速、2008年12月、2009年1月には下落に転じた。資産の偏在を勘案すれば、昨年来の株価急落の逆資産効果は、富裕層を直撃しているとみられ、住宅でも、特に高級物件では調整が長期化する可能性は否定できない。

しかし、リスクの中にチャンスも見える。逆資産効果(資産効果も然り)が富裕層に集中して発現するのであれば、一般市民の資産の毀損は小さいはずであり、今回の不動産不況は、高嶺の花となった住宅を一般市民の手に取り戻す好機でもある。今回の景気対策では、住宅に関しては、勤め人が購入可能な住宅の供給や、頭金比率の引き下げ、住宅ローン金利の引き下げなど、一般住宅の需要を喚起する方策が相次いで実施されている。これまで蚊帳の外に置かれていた中間層以下の需要を掘り起こそうとの政策であり、民生改善のみならず、住宅需要の下支えとしても一定の合理性を持つと評価できよう。折りしも本コラムが掲載される3月5日は、今年1年の施政方針である温家宝首相の「政府活動報告」が示される全人代の開幕日である。不動産不況への対応策にも注目したい。

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2009年3月12日 (木)

欧州通貨危機の再燃は あるのだろうか?

ダイアモンドオンラインから

3月相場は「ゆうちょマネー」の動向がカギを握る

とうとう、米国のシティグループが実質的に国有化されます。

 米政府は現在保有するシティの優先株のうち、最大250億ドルを議決権のある普通株に転換し、シティ株の最大36%を保有します。また、シンガポールの政府系ファンド(SWF)であるGICや、サウジアラビアのアルワリード王子ら海外投資家も優先株の転換に応じる見通しです。

 米政府やSWFなど政府系の持ち分合計は54%と半数を超え、さらに08年前半に公募優先株を購入した株主の比率が21%ですから、転換後は金融危機後に増資に応じた株主が75%と、議決権の4分の3を握る株主構成となります。

 実質国有化を受け、2月27日のシティの株価は1.50ドルと、前日比0.96ドル(39.02%)安となりました。大幅な希薄化が嫌気された格好です。また、ムーディーズはシティの格付けを従来の「A2」から1段階引き下げ「A3」とし、S&Pは格付けを「A」に据え置いたものの、見通しをネガティブに変更しました。

 ですが、シティへの政府の関与が一段と増したことで、シティ破綻リスクは大幅に後退し、且つ、不良債権処理がスピーディーになる可能性が高まったと、今後、ポジティブに評価されることでしょう。

 なお、米金融株が反発に転じるのは、「ストレステスト」終了後でしょうね。米政府は4月までに大手銀のストレステストを実施し、公的資金も活用して、金融機関に対して十分な水準の資本を確保させることを目指しています。

 テスト終了後、一体いくらの公的資金を注入すれば、大手銀が十分な水準の資本になるかの「総額」が判明すれば、金融株は底入れする可能性が高いとみています。逆に「総額」がわからないうちは、希薄化懸念で、不安定な動きを続けるでしょう。

ゆうちょ銀行マネーが
金融危機対策に使われる?

 一方、日本ですが、ゆうちょ銀行が、第一生命保険に対して資本増強につながる劣後ローンを500億円供与する方向で最終調整に入ったと報じられています。

 ゆうちょ銀行では、民営化前は認められていなかった株式の直接売買が07年12月から可能になるなど、運用の自由度が高まりました。しかし、200兆円規模の郵貯マネーのうち、大半を国債が占めています。08年9月末の資産構成では76.1%が国債です。

 今後、政府・与党はこの郵貯マネーを活用した金融危機対応策を打ってくる可能性が高そうです。まずは、金融機関の資本増強となるようですが、今後は、個人・法人向け融資解禁、さらには、株価対策用資金にも活用されるかもしれません。

 民営化されたとはいえ、現時点では、政府が100%株式を保有する持ち株会社(日本郵政)の子会社ですからね。表向きはともかく、実際のところは、政府の意向に沿った資産運用をせざるを得ないでしょう。

欧州通貨危機の再燃は あるのだろうか?

今週は、欧州などで追加利下げが見込まれています。これを受けて、欧州通貨の一段安再燃となるのでしょうか。そしてクロス円(※)全体はふたたび急落に向かうのでしょうか。それを考える上で、私は対日金利差に注目したいと思っています。

(※編集部注:「クロス円」とはドル以外の通貨と円との通貨ペアのこと)

日独長期金利差でユーロ
反発はうまく説明できる

 前回のレポートでも書いたように、2月中旬にかけてユーロ/円は115円前後まで急落しましたが、このきっかけは中東欧通貨危機などとされていました。ところが、このユーロ急落は2月中旬で一巡、その後は一転して最大126円までユーロ急反発となりました(「2・17「中川ショック」などから、円の「安全神話」がついに崩壊!」参照)。

 急落のきっかけとされた中東欧通貨危機が終わったわけではないでしょう。それどころか、この問題は最近もくすぶり続けており、一部中東欧諸国の懸念は一段と深刻化しているようです。

 にもかかわらず、ユーロが反発に転じた動きをうまく説明できるのは金利差であることを、私は前回のレポートで紹介しました。日独長期金利差(※)の「ユーロ優位」は、2月中下旬に1.7%割れで縮小が一巡し、一時1.8%超へ拡大しました。金利差「ユーロ優位」縮小の中でユーロは売られ、「ユーロ優位」再拡大でユーロ反発となったわけです。

(※編集部注:「長期金利」の代表は10年物国債の利回り。「日独長期金利差」とは、「ドイツの10年物国債の利回り」から「日本の10年物国債の利回り」を引いた数字のこと)

Fx_yoshida2001

 このようにユーロ/円の動きをうまく説明できる日独長期金利差ですから、今後のユーロ/円の行方を考える上でも、日独長期金利差に注目してみたいと思うわけです。金利差「ユーロ優位」は、果たして再び1.7%を大きく下回って縮小に向かうのかどうか…。

 ところで、この日独長期金利差「ユーロ優位」1.7%という水準は、かなり長い間、日独金利差の下限になってきたようです。

 過去20年間について調べたところ、金利差「ユーロ優位」が1.7%を割り込んだのは一時期しかありませんでした。その意味では、基本的には日独長期金利差「ユーロ優位」は、かなり下限に近いところまで縮小したと言えそうです。

Fx_yoshida2002

 同じようなことが日英長期金利差についても言えそうです。

欧米の評価が変わってきた日本の「失われた10年」

日本のバブル崩壊後のマクロ経済のパフォーマンスに対する欧米のメディアの評価が変化している。

 英「エコノミスト」誌2月14・20日号は、米ワシントンDC駐在記者の「日本より悪い?」という記事を載せている。

 ポイントを紹介すると、IMFによれば、過去の金融危機における銀行の不良資産のGDP比はスウェーデン13%、日本35%だった。一方、ゴールドマン・サックスが推計した今回の米国銀行の不良資産はGDPの40%に達するという。

 スウェーデンの金融危機では、不良資産は少数の大銀行に集中していた。しかし、今回の米国の問題は、表の銀行システムだけでなく、投資銀行やヘッジファンドなど「陰の銀行システム」も深刻な困難を抱えている。

 日本ではバブル崩壊後に、企業がバランスシート調整のために債務を返済し、貯蓄を増やした。代わりに日本政府は需要を支えるため財政赤字を膨張させた。米国政府は、当時の日本以上に財政刺激策を長く行なう必要があるだろう。

 日本の経験をこれまで軽く見ていた米国の政策決定者の態度は、おそらく誤りとなる。この10年の日本の平均成長率は年率1%しかなく、政府債務がGDPの80%に達している状況は誇れるものではない。

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2009年3月11日 (水)

米株の未来、天国か地獄か

Bloombergから

米シティ株とスープ缶、1ドルで買うならどちらがお得?

AIGの誤った経営判断の犠牲者が充満

AIG破綻なら不況加速 FRB副議長、追加支援後押し

GM“存亡の危機”と認定 年次報告書で監査法人

GE株“はれ者扱い”の悲哀 会社の反論も投資家は無視

米株の未来、天国か地獄か

米国株の行方を占う目安として、これまでの値動きはあまり有効でなくなった。それでもアナリストは過去を振り返ることをやめていない。

 グラフは、ダウ工業株30種平均の1920年以降の推移。過去12年間以上の最安値に下落した例は、今回を含め3回しかない。多くのアナリストが同様のグラフを引用して、市場動向を分析。今後の反発を予想する声もあるが、過去2回の例をみても結論は出ない。1974年に12年ぶりの安値を記録した後は1年で48%上昇。一方17年ぶりの安値となった1932年は、その後3カ月間続落して1897年6月以来の安値まで下がった。

下には下がある? 欧州金利 ECB、さらなる引き下げ示唆

  • 春または初夏までに政策金利は1%となるだろう。ECBは成長率とインフレ率の予想を思い切って引き下げた。市場は今や追加利下げを確実視している

中国発景気回復のウソ 冷え込む輸出、内容薄い4兆元対策200903070028a1

世界が崩壊の危機に迫られようと、中国は力強い成長を遂げることができるとの考えは幻想だ。中国が世界経済を救うとの見方もまた然り。

 世界第3位の中国経済はすでに減速し、2008年10~12月(第4四半期)のGDP成長率は前期比6.8%増だった。他国から見てこれほど高い成長率は申し分なく見える。だが、07年には前年比13%と急拡大した中国の経済発展のレベルからすると、地に落ちた数字なのだ。

 温家宝首相は、5日開幕の全国人民代表大会(全人代)で政府活動報告を行ったが、その際に慎重になりすぎて過ちを犯した。温首相は今年の目標である8%の経済成長は達成可能と表明し、追加の景気刺激策は必要ないと示唆した。これは間違った判断であり、温首相は09年の状況が明らかになるにつれ、後悔の念にかられるだろう。

 世界経済の危機的状況は深刻度を増し、中国経済の原動力たる輸出需要はせいぜい10年に入るまでは回復しないだろう。

 09年に中国経済の回復は見込めそうにない理由として、以下の5項目があげられる。

 1.世界の経済成長はボロボロだ。誇張でなく、ありのままの事実である。IMF(国際通貨基金)は、国際経済見通しの引き下げに後れをとっている。相場急落で巨額の富が失われたことで、各国は財政を使い果たし、消費意欲は冷え込んでいる。国際的な需要回復を望める環境にはない。

                   ◇

 ■重要顧客は不在

 2.中国の重要顧客がいつまでもあらわれない。14兆ドル(約1373億円)規模の米経済の底入れが見えそうだと思った矢先に、FRB(米連邦準備制度理事会)は米景気が1、2月にほぼ全域で「一段と悪化した」と発表した。中国の輸出業者は、海外の売り上げが過去10年余りで最大の落ち込みとなったことに危機感を覚え、政府に人民元相場の引き下げを求めている。唯一確かなのは、米消費者が中国をこの窮地から救うにはまだ時期尚早ということだ。

 3.手だてなし。昨年11月に発表された4兆元(約57兆円)の景気対策が、実態以上に誇張されていたことを忘れてはならない。これまでの対策のまとめが大半を占める。2兆ドルの外貨準備を活用すれば相当大規模な対策を講じられるかもしれないが、金融取引制度が整っていない中国で、期待通りの効果が得られるかは疑問だ。

                   ◇

 ■体制移行に時間

 4.米国債がすべて。資金力のある中国であろうと、新規計画による財政負担は不安要素になりうる。6960億ドルも保有する米国債を売って資金を捻出(ねんしゅつ)すれば、大損を被りかねない上、米リセッション(景気後退)は長引くだろう。

 中国が日本のような不良債権問題、あるいはそれをはるかにしのぐ最悪の事態を回避したいならば、経済効果に疑問が残る大規模な公共工事計画には慎重を期する必要がある。

 5.平静を取り戻すには時間がかかる。米国に貯蓄を根付かせることが必要なように、中国は消費を増やす必要がある。国の安全網を創設し、教育・医療関連支出を増やす必要があり、その過渡期は不安定で10年の年月を要する。体制の移行はかなりの難題だ。G7各国がリセッションに陥り、アジア諸国の景気が鈍化している中で事を迅速に行うのは、非常な困難を伴う。

 温首相は5日、中国は過去30年来で「最も困難な」時期に直面していると発言したが、言い過ぎではない。だがかつてないほど景気が悪化した中で中国経済を上向かせられるというのは誇張にすぎない。温首相は中国が「可及的速やかに景気低迷を脱する」必要があるという。北京の気の毒な政治家は、大概の策は打ったと思っているが、断じてそのようなことはない。

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2009年3月10日 (火)

10年先を読む「経済予測力」の磨き方

中原圭介氏のコラムから

『サブプライム後の新世界経済』~10年先を読む「経済予測力」の磨き方

サブプライム後の新世界経済 サブプライム後の新世界経済

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

前作『サブプライム後の新資産運用』が発売されてから8カ月あまりたちますが、おかげさまで大反響となり、数多くの方に読んでいただくことができました。

前作では、サブプライム後の経済環境の変化に伴い、資産運用の絶対的理論として信じられてきた「国際分散投資」、そして「長期資産運用」がもはや通用しないことを指摘しました。

また、「景気の拡大期」と「景気の後退期」を見極める分かりやすい手法や、サブプライム後の新資産運用法として、どんな相場にも左右されない、リスクの少ない資産運用法を提案しました。

金融機関やいい加減なエコノミストに薦められるままに、ぼったくり商品である「投資信託」に手を出してしまった人たちや、サブプライム問題によって大きな損失を出し、何をしていいかまったく分からないという人たちに、具体的に何をすればいいのかを示せたのではないかと思います。

また前作を発刊してからブログや雑誌、ラジオなどで、読者へのアフターフォローとして「株価が暴落し、円相場が急騰する前に、手持ちの資産をすべて現金にして、来るべき時に備えてください」と訴えてきました。

実は、これは私自身が実践している資産運用法でもあります。前作でも指摘した通り、金融市場が混迷している時は、リスク資産はすべて現金化してしまってもよいのです。

今回は「資産運用」という狭いジャンルに捉われず、「世界経済」という、もっと広いジャンルに枠を広げて書きました。
 
本書は、以下の二つを主なテーマにしています。
(1)私が考える2009年以降の世界経済
(2)正確な「経済予測力」を身につける方法

まず(1)ですが、俯瞰的な視点を持って、現在予測できる範囲内で、今後の世界経済についての分析と予測を試みました。
 
とはいっても、私は予言者ではありませんので、例えば「日経平均は3000円まで落ちる!」「1ドル50円の時代がやって来る!」というような無責任なことは書けません。

ですから、他の経済予測本と比べると、おとなしい印象を受けるかもしれません。ですが、私の経済予測に対する考え方は理解していただけると思います。

次に(2)ですが、私は読者であるあなたに「実践で使える経済予測力」を身につけてもらいたいと思っています。

詳しくは本書で述べていきますが、「経済を予測する力」は今後、資産運用をする方だけでなく、ビジネスパーソン、経営者、学生、主婦、高齢者の方々など、ありとあらゆる人にとって、絶対に必要になってくると思うからです。

あなたの生活は、もはや世界経済とは無縁でいられません。

ですから、世界経済を予測する力がなければ「資産運用で失敗した」「会社をリストラされた」「銀行に預けたお金が返ってこなかった」など、人生において、ありとあらゆるリスクを背負い込むことになります。

本書では、私が実践している「経済予測法」をできるだけ平易に、詳しく解説します。「いかにしたら正確な経済予測が可能となるのか」というテーマをもとに、情報の取捨選択能力の鍛え方や「歴史学」「心理学」「哲学」の必要性を説明し、それぞれの方法論を懇切丁寧に書きました。

できるだけ多くの方が、本書によって経済予測力を身につけ、経営や仕事、資産運用のスキルを高め、楽しい人生を送ることができれば、これ以上の幸せはありません。

また、経済に興味のない方でも、革新的な勉強法として読んでもらえれば、面白い実践書になると確信しています。

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2009年3月 9日 (月)

マーケットは嘘が嫌い

米国通の堀古英司氏のコラムから

マーケットは嘘が嫌い

株式市場というのは信用をもとに成り立っている金融市場の一つです。銀行が信用をもとに実行する貸出や、債券市場よりも、もっともっと「信用」に対して敏感です。何故なら、会社が損失を出したり破綻した場合に、一番先に負担がかかるのは株主だからです。しかし大抵の株主というのは予め、景気や会社の業績には山と谷があるのは覚悟しているものです。一方であまり覚悟できていないのは、嘘をつかれる事です。

そういえば2000年3月以降のハイテクバブル崩壊で株価は急落となりましたが、本当に株式相場が底を付けたのは不正会計問題がピークに達した2002年10月でした。投資家は景気の上げ下げによる株価の上下は仕方ないとしても、エンロン、ワールドコムをはじめとする不正会計によって嘘をつかれたのには耐えられなかったのでしょう。最近では、第233回 単なる一つの大きな嘘(2008年12月19日)でご紹介したような元ナスダック会長メイドフ氏による投資詐欺事件も投資家心理を大きく冷やす要因になっている事は間違いありません。そして今、米国株式市場が「嘘をつかれるのではないか」とビクビクしている相手がいます。それは米財務省です。

リーマンショック以降、皆さんは米財務省が、「アジア市場がオープンする前に」と開いた緊急記者会見を何度ご覧になった事でしょう。第229回 センス欠く米財務・金融当局の「対策」(2008年10月10日)で書かせていただいた去年9月29日の「金融安定化法案 大筋合意」は典型的な例です。詳細は当コラムをご覧頂ければ分かりますが、合意など全くの嘘だったのです。案の定、その日同法案は下院で否決され、NYダウは777ドルの急落となりました。

金融安定化法案にしても、当初不良資産の買取を目的に「市場が驚くほど大きな金額」(ポールソン前財務長官)として承認された7000億ドルも、結局は前半資金のほぼ全額が金融機関への資本注入に費やされてしまい、不良資産の買取には一銭も使われず、逆に不良資産買取には「驚くほど小さい金額」であった事になります。2月初にはガイトナー財務長官が銀行救済策を発表するというので市場が期待に胸を膨らませる中、発表を一日遅らせた挙句、実は何も具体化していません、という内容にダウは5%近くの下落となりました。もちろん財務省が意図的に嘘をついているとは考えられません。しかし意図的でなくても、期待させられた分だけ、結果的に市場は嘘をつかれたのと同じ反応になってしまいます。

市場の財務省に対する信用が今ほど必要な時はありません。それは普通株又は優先株の消滅を伴う大手金融機関の国有化を巡る思惑が株式市場の動向を大きく左右する材料となってきているからです。財務省も連銀も、一貫してそのような形の大手金融機関の国有化を否定しています。一方で市場は昨年9月の出来事がトラウマとなって信用できないでいるのです。それは去年9月7日、政府系住宅金融機関ファニーメイ、フレディーマックが国有化され、優先株と普通株が財務省の一存で一夜にしてほぼ消滅させられた事、そして同じく9月16日、AIGの普通株が実質的に消滅させられた事です。

国有化が、突然普通株が消滅させられる事を指すのであれば、私は大手金融機関についてはその可能性は極めて低いと考えています。第一に、AIGより後の救済、即ちワコビア銀行、ワシントンミューチュアル銀行、シティバンク、バンクオブアメリカ救済の際は一貫して、既存の株主にも再建のメリットが受けられる形になっています。第二に、政府系住宅金融機関国有化の際、ポールソン前財務長官は、「政府系住宅金融機関は特殊な機関であるので、この処理が他の金融機関に当てはまる訳ではない」事を強調しています。第三に、実際問題として、小さな政府のアメリカに大手金融機関をマネージできる人材が用意できるとは考えられません。何よりも既に民間に資本を出させてしまった今、「国有化否定」が嘘だと分かった時の市場のダメージを考えれば、当局がそのようなリスクを冒すとは現実的には考えられません。

市場が財務省の「国有化否定」を信用するようになるには今しばらく時間がかかりそうです。しかしそれは数日後ではない代わりに数ヵ月後でもなく、今後数週間の問題でしょう。それが株式相場反発の時になると見ています。

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2009年3月 5日 (木)

バーナンキ米FRB議長、AIGに怒り

米財務省、住宅ローン支援策の詳細を発表

米財務省は4日、750億ドル規模の住宅ローン支援策の詳細を発表した。ローン変更による住宅差し押さえの回避が狙い。

 対象となるのはローン金額が72万9750ドルまでで、2009年1月1日以前に組成された住宅ローン。適用に際し、借り手は住宅ローン債権回収会社に対し、失業など財政的困難に直面していることを証明する必要がある。

*** どの程度、効果がある? ***

2月米ADP民間雇用者数、過去最大の落ち込み

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社などが集計した2月のADP全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は69万7000人減少。 2001年の統計開始以降で最大の落ち込みを記録した。

 ロイターが集計したエコノミスト23人の予想中央値は61万人減。予想レンジは50万―73万人減だった。

米金融セクター安定化を狙ったTARP、銀行側には抵抗も

米FRBと財務省がTALFの導入発表

中国全人代、景気悪化と社会不安への対応が焦点

米FRB議長、AIGに怒り 「無責任な賭けの結果だ」

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日、金融危機について議会で証言し、巨額の赤字を発表した米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の経営について「規制の大きな抜け穴を利用した」と厳しく批判した。

 上院予算委員会の公聴会で同議長は「過去1年半で私を一層怒らせた出来事が一つあるとしたら、AIG以外に思い浮かぶものはない」と発言。同社の金融商品部門について「基本的には安定した保険会社に付属した(投機的な取引で知られる)ヘッジファンドだった。膨大な量の無責任な賭けをして、莫大(ばくだい)な損失を出した」と指摘した。

 AIGを含めた金融救済に対する議員の不満や批判を意識した発言とみられる。同社の監督権限は州政府にあり、FRBなど連邦レベルの監視が十分でなかったことが議会でも問題視されていた。同議長も「AIGは、規制の大きな抜け穴を利用した。(同社の)金融商品部門への監督はなかった」と語った。

 米政府は保険業界に対する連邦レベルの監督を検討しており、危機の再発を防ぐ規制強化に着手している。AIGへの公的資金の注入額は計最大700億ドル。昨年10月に成立した金融救済法で認められた7千億ドルの公的資金枠では足りず、追加が必至な情勢だが、議会の反発は根強い。

 議長は「私もみなさんの怒りを共有している。我々は金融システムを守り、世界経済の危機がもっと深刻化することを避けるために、やっている」と理解を求めた。

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景気サイクルと株価の関係について

リセッション期のポートフォリオ

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2009年3月 4日 (水)

世界同時不況に誰がした?

大和総研のコラムから

世界同時不況に誰がした?

昨年後半から足もとの様相は“世界同時不況”であるという言い方に疑問を挟む余地はないだろう。そして、サブプライムローン問題に端を発した米国の金融危機が世界中を駆け巡り、実体経済に悪影響を及ぼしているという見方もコンセンサスかもしれない。実際、米国の2008年Q4の実質GDP成長率(速報値)は前期比1.0%減とQ3に続くマイナス成長となり、1982年Q1以来約27年ぶりの大幅な落ち込みになった。

では、悪の元凶である米国が世界で最も低成長なのか。OECDの発表(2/18)をみると、2008年Q4のOECD加盟国全体の成長率(一部OECD推計を含む)は1.5%減と、1960年の調査開始以来最大のマイナスとなった。だが、日本3.3%減、ユーロ圏1.5%減、英1.5%減、韓国5.6%減等と米国を上回る悪化を示しており、G7諸国のなかでは米国が最もマシだ。また、米国が他より先行して悪化していたかというと、Q3も相対的にマイナス幅は小さく、日本やユーロ圏に至っては3四半期連続のマイナス成長である。従って、リセッションとはいえ、米国の2008年の成長率は他の先進国よりも高かった。

昨年来、市場コンセンサスをリードする形で、米国を始めとする世界景気の見方を引き下げてきたIMFは、1月末に今年の世界全体の成長率を昨年11月時点の+2.2%から+0.5%と、戦後最低の伸び率になると大幅に予想を下方修正した。早くも、ストロスカーンIMF専務理事は再度引き下げる必要があるかもしれないと述べているようだが(報道ベース)、少なくとも1月時点では、米国は他の先進国よりも2009年の落込みが小さく、2010年の回復力は強いという予想になっていた。なお、過去のIMFによる予想の変遷を示したのが次のグラフであるが、2005-06年を除くと、非常にボラタイルといえよう。2002-03年(あるいは2008年)のようにV字を描いたケースもあった。090226

もし米国だけが困難を抱えていたならば、長期的な成長力、競争力の相対的な位置付けは大きく低下したであろう。だが、幸いなことに、今は世界同時不況である。本当に効率的な内容か、あるいは財政赤字の拡大といった政策発動に伴う副作用を十分に検討していない懸念はあるが、打ち出される財政・金融政策の内容やスピードは、他の国を凌駕している。しかも、今のところ、就任したばかりのオバマ大統領に対する国民の支持率は高く、当局としては様々な政策を実施しやすい環境にある。元々潜在成長力の高い米国の相対的な優位性は、今年、来年とも変わらないとみられる。しかしながら、それはあくまでも財政・金融政策の十分過ぎるサポートのおかげであり、企業や家計の積極的な行動による自律回復ではない点に留意すべきであろう。バーナンキFRB議長も、上ブレリスクよりも下ブレリスクが大きいと議会証言(2/24)で指摘している。リスクの一つが世界経済の鈍化であり、米国の輸出や金融環境が予想以上に悪影響を受ける可能性があるという(もう一つのリスクは、弱体化した経済と金融が相互に反応する、負のスパイラル)。

決して米国を賛美しているつもりはない。ただ、機能不全で何も進まない某国に失望し、オバマ大統領の施政方針演説に熱狂する米国民が羨ましいだけである。果たして、現在の首相や野党代表の演説を聴いて、8割以上の国民が今後について楽観的になれるだろうか。

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2009年3月 3日 (火)

米国債バブル、ITバブルや住宅バブルに匹敵も=バフェット氏

株安、米国債バブル、GDPの15%に達する赤字。。。国債を日本・中国がどの程度買うことになるのか?ネガティブには金利高、ドル暴落が予想されるが。米経済が沈むと当然、日本もその1.2-1.5倍の悪影響を受ける。

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米AIG、取締役会が政府救済策を承認

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さてバフェット氏のコメントです。

バークシャーがデリバティブで大幅損失、バフェット氏は投資姿勢を擁護

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N: 株価, 企業情報, レポート)の2008年通年利益は、デリバティブ関連の損失が響き6年ぶり水準に落ち込んだ。

バフェット氏は、投資家への書簡で「デリバティブは危険」との見解を示しつつも、同社のデリバティブ関連取引を擁護する姿勢を示した。

 バフェット氏は、投資家への年次書簡の5分の1を、株式市場や企業クレジット物などの長期的見通しをデリバティブにどう活用したかの説明に割いた。

 モーニングスターのシニア株式アナリスト、ビル・バーグマン氏は「資本市場で市場参加者が評価するリスクに関する想定ポートフォリオの一部で、今後のバークシャーにとり一段のビジネスにつながるための関係構築に役立つ」と評価した。

 同社は規制当局の要請で251のデリバティブ契約についての詳細情報を開示。それによると、全デリバティブ投資について見通しが100%外れた場合、672億9000万ドルの支払いが発生する可能性があるという。

 バフェット氏は、金融のレバレッジを大きく活用し、投資家が理解することがほぼ不可能な状態になり、ベアー・スターンズの破たんなどに影響したデリバティブと、同社のデリバティブは異なることを強調。バークシャーのデリバティブは、カウンターパーティーからアップフロントで受け取る数十億ドルのプレミアムがあることなどから「金融の大量破壊兵器」の性質を持つ他のデリバティブとは異なっているとの認識を示している。

 バークシャーは08年に投資・デリバティブ純損失46億5000万ドルを計上、利益は62%減の49億9000万ドルになった。

 <4種類のデリバティブ>

 バークシャーは年次報告書で、同社のデリバティブを主に4種類に分類している。

 1つめは、株価指数のプット・オプション。S&P総合500種、FT100種総合株価指数、ユーロSTOXX50種指数、日経平均が対象、期間は2019年9月─2028年1月。株式市場が大幅安となったことから、これらの計算上の負債は100億2000万ドル。理論上は、全指数がゼロになった場合には負債は371億3000万ドルに膨らむ。ただこれらの取引は通常は、早期に取引を終了することはないという。

 2つめは、高リスクのジャンクボンドに関連したクレジット損失で、期間は2009年9月から2013年12月。想定負債は30億3000万ドル。負債は最終的に78億9000万ドルに達する可能性もある。アナリストは、このデリバティブの期間が比較的短いことから、短期的なリスクとなる可能性があると指摘。

 3つめは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)。2008年末時点で、42企業をカバーする39億ドルのCDSの負債は1億0500万ドル。

 4つめは、デリバティブとして構成された免税債保証契約で負債は9億5800万ドル、最大で183億6000万ドルに膨らむ可能性がある。

 <下振れが商機に>

 同社に出資しているガードナー・ルソー&ガードナーのパートナー、トーマス・ルソー氏は、バークシャーの収益に影響を及ぼしたデリバティブによるボラティリティをさほど重要視する必要はないとしている。同氏は「市場の専門家はカウンターパーティーリスクを嘆いているが、それは誤った解釈。バフェット氏はキャッシュのアップフロントを受け取っている」と指摘。「株式デリバティブ取引は通常、期限前の取引終了がないことから、小幅な動きの余地が多少あるとバフェット氏は指摘している」と述べた。

 その一方、バークシャーの格付けはトリプルAで、255億4000万ドルの手元資金があることから、最終的にデリバティブの支払いは可能で、仮に今後10年で株価が上昇すれば、プットオプションの損失も縮小する可能性がある。

 バフェット氏は「時価会計によりデリバティブは決算で大きな変動をもたらす」とした上で、「上振れも下振れも(ミュンガー副会長や)私にとって喜びでも厄介なことでもない。下振れは、好ましい条件でのポジションを拡大できる機会として有益」との見方を示した。

米国債バブル、ITバブルや住宅バブルに匹敵も=バフェット氏

米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N: 株価, 企業情報, レポート)(BRKb.N: 株価, 企業情報, レポート)を率いる著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、リスクを警戒する投資家が、利回りのほとんどない米国債を買うことで大きな過ちを犯しているとの見方を示した。

 バークシャーの株主に宛てた年次書簡の中で述べた。

 同氏は、投資家が信用危機や、住宅価格と株式市場の下落に起因する「身のすくむような恐怖」に取り付かれているとし、安全資産とみなされる「トリプルA」に格付けされている米国債が、逃避買いの恩恵を受けていると指摘した。

 その上で、米連邦準備理事会(FRB)と米財務省の大規模な景気刺激策により、債券投資家の敵であるインフレの「襲来」が引き起こされる可能性があると警告した。

 バフェット氏は「投資業界は、過小評価リスクから過大評価リスクに移っている。キャッシュはまったく利益をもたらさない状況に近く、購買力は時間とともに確実に低下していくだろう」と指摘。

 「この10年の金融史が書かれたとしたら、間違いなく1990年代のIT(情報技術)バブルと2000年代初めの住宅バブルが語られるだろう。だが、08年終盤の米国債バブルはこれらとほぼ同様の異常事態と見なされる可能性がある」と語った。 

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英HSBCは18%減益、株主割当増資で177億ドル調達

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2009年3月 2日 (月)

次に破裂する金融商品

中原圭介氏のコラムから

次に破裂する金融商品

私は、サブプライム問題が明るみに出た当初から、「この問題は根が深く、さまざまな問題へ飛び火していく。サブプライムローン住宅担保証券だけではなく、いずれはプライムローン住宅担保証券や商業用不動産ローン担保証券、M&A資金融資に広がりを見せていくだろう」とブログやさまざまなメディアの取材で訴えてきました。

いよいよ、サブプライムローン担保証券に続く金融商品が破裂するタイムスケジュールを考えねばならない段階に入ってきました。それは、商業用不動産ローン担保証券の損失が急拡大し、金融機関の大規模な追加損失が隠しきれない状況になってくることを念頭に置いています。

最盛期には、世界の金融資産は180兆ドルにまで達しましたが、サブプライムローンの残高はわずかに1兆ドル、それでも膨張した金融バブルを弾けさせるには十分な金額でした。商業用不動産ローンの残高は約3兆ドルあり、金額的にもサブプライムローンより規模が大きく、格下げなどをきっかけに金融機関の追加損失が拡大し、金融機関の財務が一段と悪化することは間違いありません。

そもそも金融機関の損失は、時価会計の凍結によりブラックボックスに隠されてしまいました。本当の損失はどのくらいあるのか、誰にもわからない状況です。敢えて大雑把な推測をすれば、私は全体で10兆ドルくらいはあってもおかしくないと見ています。それも現時点でという意味であります。

ということは、まだ明るみに出ている損失は、一部に過ぎないということになります。メディアの報道では、公表されている損失は2兆ドルにも達していません。いくらオバマ政権が景気対策を打とうとも、時間が経つにつれて、金融機関の損失は次々と明るみに出て、この流れを止める力はもはや欧米の政府や金融当局には残されていないと考えるのが妥当です。

彼らの対応策は決して遅すぎたわけではありませんが、初めから手法が間違っていたことが致命的でした。

(前回の記事の補足)
前回の記事でヒントを出した銘柄を保有していた方々から、「売却して助かった」という感謝のメールを多数いただきました。片方の銘柄にはすでに悪材料が出ましたが、これは予測していたことでした。もう片方の銘柄にも5月くらいまでには悪材料が出ると考えていますが、両銘柄ともそれで悪材料出尽くしというわけではありません。

(お知らせ)
このたび、脳科学者・苫米地英人氏と私、中原圭介が対談したCDが発売されました。タイトルは『2009年以降の世界経済・金融危機・資産運用法を語る』です。興味のある方は、以下のURLをご覧ください。

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2009年2月27日 (金)

米住宅危機、終わりの予測は困難=シラー教授

米住宅危機、終わりの予測は困難=シラー教授

It is very difficult to predict when U.S. housing prices will hit bottom because the economy is deteriorating so quickly, economist Robert Shiller, co-creator of the S&P/Case Shiller index, told Reuters on Friday.

The U.S. housing market is experiencing its worst downturn in modern history. On a national basis, homes have lost about a quarter of their value, and economists foresee at least an additional 10 percent decline.

What the future holds depends on what sort of traction government programs gain to help stem foreclosures, Shiller said.

"It's hard to predict this market because we've just been through the biggest bubble in history and it's at the time of the worst financial crisis since the Great Depression," he said in an interview with Reuters television.

Shiller noted that prices have been falling quite rapidly every month, adding, "That has a good chance of continuing."

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数の考案者の1人として知られるロバート・シラー米エール大学経済学部教授は20日、米住宅価格がいつ底を打つか予測することは非常に困難だとの見解を示した。

 ロイターとのインタビューで語った。

 米住宅市場は現代史上で最悪の下降局面にあり、住宅価格は全国ベースで、既に約25%下落しており、エコノミストらは少なくともさらに10%下落すると予想している。

 シラー教授は、今後の住宅価格動向について、差し押さえ回避に向けた政府の対策がどのような効果を表すかに左右されると指摘。

 「この市場は史上最大のバブルを経験したばかりで、世界大恐慌以来最悪の金融危機の最中でもあり、予測は困難だ」と語った。

 同教授はまた、住宅価格が毎月、かなり急速なペースで下落しており「この状況が続く可能性は高い」と述べた。

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2009年2月26日 (木)

危機のインパクトは、これからが本番

NBオンラインから

危機のインパクトは、これからが本番

米国実質経済成長率への影響は2010年半ばに顕在化Graph01

金融機関の損失額を過去の危機と比べてみると

 では、今回の金融危機は、これまでの危機と比べた時、どの程度のインパクトを持っているのでしょうか。金融機関の損失額を世界GDP(国内総生産)比で見たものが図1です。80年代以降の金融危機と比較して、そのマグニチュードを測ってみました。

 その前に、損失額やGDPとして何を使うかについて説明しておく必要があります。単純に名目の計数を使う方法もありますが、これでは現在と過去の数字は単純に比較できません。10年前の1ドルの価値と現在の1ドルの価値は、物価変動に伴い変わってくるためです。
 
 そこで、ここでは金融機関の損失額とGDPは、物価上昇分を割り引いた実質ベースに換算しました。

◎インドの魅力 20四半期連続2ケタ増益が止まる

GMの経営再建、カギ握るのは社債保有者

英国発の脱・金融危機策に注目20080218m_r

今シーズンのロンドンの冬は、まさに記録ずくめだ。昨年10月に初雪が降ったのは74年ぶり、今年に入っても18年ぶりの大雪で公共交通機関は大混乱に陥った。

 異常な事態は、天候だけではなく経済や金融面でも起きている。英国の中央銀行、イングランド銀行は2月、基準金利を再び引き下げ1.00%としたが、これは1694年の設立以来の最低水準で、記録更新は実に315年ぶりのことである。

 英国では、2008年11月の景気先行指数が前年比6.9%の下落となり、2008年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率も速報値で前年比1.5%の落ち込みになった。大幅かつ急速な利下げにもかかわらず市中貸出金利は十分に低下せず、住宅ローンの承認件数は大きく落ち込んだままで、信用面の制約が依然として改善していない。

 欧州でも実体経済の悪化に拍車がかかっている。ユーロ圏における1月の購買担当者景気指数(PMI)は前年比26.1%の低下、昨年11月の鉱工業生産指数も同7.2%の下落となった。

 2008年10~12月期の実質GDP成長率は、前年比で2%程度、前期比年率で6%程度もの大幅縮小になった可能性がある。こうした急激な生産調整は、自動車など耐久消費財や資本財など資金借り入れを伴う分野を中心に起きており、金融市場の混乱が引き金になっていることがうかがわれる。 Graph0218_2

英政府が打ち出した金融機関の“損失確定”策

 これまで欧州各国政府は、預金者保護を名目に公的資本を金融機関に注入してきたが、金融機関に対する不信を払拭するには至っていない。これは保有資産の評価額が低下を続けているからだ。

 金融機関の損失を確定できない限り、資本注入額が十分であるかどうか、最終的な判断を下せないのである。もちろん、資産価格が底入れするまで待つという選択肢もあるが、その間は金融機関への不信、金融仲介機能麻痺が継続することを覚悟せねばならない。

 その意味では、金融機関から不良資産を買い取ることが最も望ましい対応策であると考えられる。ただし、買い取り価格を決定することが難しいうえに、金融機関救済色が強いために政治的にも不人気である。

 こうした状況の中で英財務省は、銀行からの貸し出しが伸びないことが景気拡大を阻害していると判断。1月19日に、イングランド銀行による資産買い入れスキーム(APF)導入や、金融機関の資産保護スキーム(APS)導入などを柱とした追加金融対策を発表した。

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2009年2月25日 (水)

「魔の2月下旬」、今年はどうなる

ダイヤモンドONLINEから

ドル/円相場で続いてきた 「魔の2月下旬」、今年はどうなる!?

米国造幣局発行の「金貨」が売れまくっている本当の理由

景気循環で使い分ける投資指標 足元は「NNV÷時価総額」

経済危機ゆえに人気が高まるMBA。 日本企業はその意味を理解できるか?

NY株式市場の失望売りが示したオバマ経済金融対策の実力

現地時間の17日、米景気対策法案が成立し、昨年の秋以来、世界中の期待を集めてきたオバマ米政権の経済・金融対策の2つが出揃った。

 だが、期待の星だったはずの2つの政策に、米国の株式市場はノーを突き付けた。ニューヨーク市場のダウ平均(工業株30種平均)は、ガイトナー財務長官が金融対策を発表した今月10日に、前日比381ドル99セントの大幅安を記録。続いて、オバマ大統領が景気対策法案に署名した17日も、同297ドル81セント安となったのだ。

 市場が、オバマ政権の経済・金融対策について、規模が不十分で力不足と判断したことは明らかだ。だが、それだけとは言えない。

 むしろ、これほどの下げを伴う失望売りは、今回の経済危機を短期間に克服する経済政策を策定できる政府は世界のどこにもないという懸念を、市場が現実として確認したと読み解くべきではないだろうか。

景気・金融ともに
投入金額が足りない

 350万人の雇用創出を狙う総額7870億ドルの景気対策法と、最大2兆ドルの不良債権買い取りなどを柱に金融危機の一掃を狙う金融安定化策――。

 この2つこそ、昨年11月の大統領選挙で当選を果たしたオバマ政権に期待して、世界が固唾を飲んで見守ってきた施策だ。2007年8月のBNPパリバグループの系列3ファンドの換金停止措置の発表以来、次々と危機が表面化してきたにもかかわらず、早くからレームダック化していたブッシュ前政権が決め手となる対策を講じられなかったからである。

 いきなり訪れた鼎の軽重を問われる事態に、オバマ政権は精一杯、真摯に取り組んだと言ってよいだろう。

 通常ならば、米国の政権は、新大統領の就任から100日間、内部で、あれこれ戦略を組み立てるだけ。実際の行動にはほとんど移らないのが慣例だ。議会もメディアも「ハネムーン期間」といい、その間は、政権をせかさない。

 ところが、オバマ政権は発足直後から、一刻も早く、有効な経済・金融対策を打ち出そうと全力疾走をみせた。伝統的に「小さな政府」を標榜、今回もビジネス社会への公金投入を阻止しようと動く議会共和党や、破格の報酬を受けていた経営陣の経営責任をロクに追及せずに金融機関救済に踏み切ることに対し庶民が猛反発していることを抑え込んで、政権発足から1ヵ月も経たない段階で、2つの施策の実現に漕ぎ着けたのだ。

 だが、そんな2つの施策には、共通の欠点がある。効果を期待するには、そろって投入する金額が少な過ぎるという点だ。

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2009年2月24日 (火)

世界の金融システムは実質的に崩壊

AIG in talks with U.S. government, sees $60 billion lossR31

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)は、商業用不動産をはじめとする資産の評価損が響き、600億ドル近い損失を計上する見込み。関係筋の情報としてCNBCが23日報じた。

 ロイターが関係筋から入手した情報によると、同社は追加の公的資金注入の可能性をめぐり米政府と協議している。米政府とは債務の株式交換なども話し合われているという。

 同筋は、状況は流動的で他の選択肢も協議されており、どのような結論に至るかは不透明だとした。

 CNBCによると、AIGの取締役会は3月1日に会合を開き、政府との合意に向け話し合う。交渉決裂に備え、法律事務所ワイル・ゴットシャル&マンジェスの弁護士が経営破たんの準備をしているという。

もはや破綻処理は“規定路線”か? 世界の命運握る米国自動車救済策

アジア株が全面安

24日のアジア主要株式市場は、前日の米株価の大幅下落を受けて全面安となった。中国・上海市場の総合株価指数は前日比4.56%安の2200.654、韓国市場の総合株価指数は3.24%安の1063.88でそれぞれ取引を終えた。

 このほか、香港市場のハンセン指数は終値で2.86%安の1万2798.52、シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)は1.00%安の1614.44、台湾市場の加権指数は1.06%安の4430.18となった。 

世界の金融システムは実質的に崩壊=ソロス氏

著名投資家のジョージ・ソロス氏は20日、世界の金融システムは実質的に崩壊した、とし、危機が短期間で解決する可能性は見えていない、と述べた。

 ソロス氏は米コロンビア大学で、動揺は大恐慌時よりも大きい、との見方を示し、現状をソビエト連邦の崩壊に例えた。

 同氏は、2008年9月の米リーマン・ブラザーズの経営破たんが市場システム機能の転換点だった、と述べた。

 ソロス氏は「われわれは金融システムの崩壊を目撃した」とし、「金融システムは生命維持装置につながれた。今もまだ同じ状態にあり、景気の底入れが近いとの兆しはみえていない」と述べた。

 オバマ米政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長もこの日、世界の鉱工業生産は米国よりも速いペースで減少している、と述べている。

 ボルカー氏は「大恐慌も含め、いかなる時代においても、全世界で景気がこれほど急速に悪化するのを見たことがない」と述べた。

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商工ローンのSFCGが民事再生法を申請、負債総額3380億円

SFCG破たん、国内中小企業への影響注視=金融庁長官

*** 注視?何を悠長な!!まだ実体経済の悪化振りが正確に把握できていないのか?呆れて下しまう。***

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米政府、シティの普通株を最大40%取得する可能性

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景気サイクルと株価の関係について

リセッション期のポートフォリオ

世界経済危機 日本の罪と罰 世界経済危機 日本の罪と罰

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2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった 2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった

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2009年2月18日 (水)

丁が出れば私の勝ち、半が出れば貴方の負け

米国通の堀古英司氏のコラムから

丁が出れば私の勝ち、半が出れば貴方の負け

去年9月、リーマンブラザーズが破綻した翌日、保険最大手AIGが破綻の危機に直面しました。最終的に連銀がAIGに850億ドルの融資を実施する決定がなされ、「AIG救済」という報道がなされました。しかし「AIG救済」とは裏腹に、AIGの株主価値はほぼゼロになりました。半年前にAIGの株式を50ドルで買った人は、「何が救済だ」と思った事でしょう。確かにAIGの保険契約者は守られましたし、従業員も取り敢えず路頭に迷う事はなくなりました。しかしこの「AIG救済」、本当の意味で連銀が救済したのはAIGではなく実はAIGの取引相手、即ち大手金融機関だったのです。AIGがもしあのまま破綻していたら、連鎖倒産を通じてウォール街の大手金融機関はもちろん、バリュー投資で神様とされたバフェット氏のバークシャー社でさえ、跡形も無くなっていたかもしれません。

その後も税金で様々な救済がなされました。ワシントン・ミューチュアル銀行、ワコビア銀行、シティバンク、バンクオブアメリカ・・・いずれも100億ドル単位の税金が湯水のように注入されていきました。確かにそれら金融機関の従業員の雇用もある程度守られています。しかしそれら金融機関救済によって最も大きなメリットを受けているのは、実はそれら金融機関というよりも、取引相手である大手金融機関である事を忘れてはなりません。「大き過ぎて潰せない」大手金融機関は大切に守られているのです。

去年12月、証券会社メリルリンチは従業員に前倒しで40億ドルのボーナスを支給していた事が明らかになりました。同時期はメリルリンチを買収予定であったバンクオブアメリカが損失の大きさに買収断念を検討していた時期です。買収断念という事になっていればメリルリンチはリーマン同様の道を辿っていた事でしょう。結局政府が200億ドルの公的資金注入を含む支援に乗り出し、買収が完了したという経緯があります。即ち、政府の支援がなければボーナス支払どころか、会社の存続さえ危ぶまれていたという事です。

先週、オバマ大統領は公的資金注入の対象となっている金融機関の年収上限を50万ドルに設定する案を発表しました。これに対し、ウォール街からは早速反対の声が上がっています。非常に残念な事です。

大手金融機関は金融バブルの波に乗ってレバレッジを引上げ、それによって大きな利益、幹部は巨額の収入を得てきました。正に「丁が出れば私の勝ち」の状態です。しかし金融バブルが弾けてレバレッジが裏目に出てきた今、今度は「大き過ぎて潰せない」ので政府が救済に乗り出さざるを得ない状況になっています。一般のアメリカ市民にしてみれば、税金負担で大手金融機関を救済しなければならない一方、自分の会社は破綻、又は失業。。。大手金融機関に、「半が出れば貴方の負け」と言われているようなものです。

この「丁が出れば私の勝ち、半が出れば貴方の負け」の状態にアメリカ国民の怒りは頂点に達しています。このような普通の事が、ウォール街の大手金融機関に理解されないのは非常に残念な事です。一般のアメリカ国民の理解が得られなければ、巨額の資金を要すると見られる金融安定化に向けた「悪い銀行」の設立資金も議会の承認が得られず、結局再び金融危機となって大手金融機関に返ってくる筈です。公的資金を受けている、受けていないにかかわらず、「大き過ぎて潰せない」規模になっている大手金融機関が素直に年収上限設定を受け入れる事によって国民の理解を得、100年に一回の金融危機を乗り越えようとする姿勢は今、非常に重要と言えます。

=== 参考書籍 ===

パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く

著者:榊原 英資
販売元:藤原書店
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覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界 覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界

著者:宇野 大介
販売元:時事通信出版局
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サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践 Book サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践

著者:中原 圭介
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2009年2月17日 (火)

不良債権処理には7年かかる

NBオンラインから

米経営者報酬、高額化に歯止めはかかるか?

不良債権処理には7年かかる?

今年の米国経済は、景気後退により1%を超えるマイナス成長が見込まれる。しかし、来年2010年には、オバマ政権の経済刺激策が効を奏して見かけ上は成長が回復するだろう。数字で言えば筆者は来年2%強の成長が可能と見ており、これは数字の上では米国の潜在成長率を回復することを意味する。

 ただし、財政出動による成長押し上げは一時的なものであることを忘れてはいけない。日本の例に倣うなら、経済の本格回復にはまだ2~3年かかると見ておいた方がよい。

 今、米国経済で傷んでいるのは個人と金融機関のバランスシートである。個人は積み上がった借入の返済が困難になり、消費を拡大することができない。金融市場は、金融機関の不良債権損失のため、いまだに機能していない。

 こうした状況から脱却するには、個人が消費より借入返済を優先する時期、そして金融機関が不良債権を処理していく時期を経ることが必要だ。個人や金融機関のバランスシートにある債務の圧縮が終了するまでは、景気の本格回復は望めないからだ。

過去には不良債権処理に7年かかった

 厄介なのは、債務圧縮にかかる時間を見積もることが、極めて難しいことだ。

 例えば金融機関の不良債権処理で言えば、不良債権を切り離して政府等の運営する不良債権買い取り機関(いわゆるバッドバンク)などに売却したとしても、それで処理は終わらない。不況期には延滞が増加することから、処理しても処理しても不良債権が増加する、というイタチごっこになる。日本の1990年代「失われた10年」はこうした時代であった。

 過去の米国の歴史を見ると、債務圧縮が長い時で、7年かかっていることが分かる。図は、米国の国内債務総残高の伸びの推移である。80年代半ばから90年代初頭にかけて、大手米銀が次々に経営危機に陥った時期があった。

国内債務の伸びと成長率

 この約7年の間に、国内債務残高の伸びは低下を続け、成長率も低下を続けた。今回の場合、債務残高の伸びは2005年でピークになっているから、ここから仮に7年かかるとすると、2012年までは債務圧縮と低成長が続く計算になる。

どのくらい進むか、雇用削減

日本の2008年12月の失業率は4.4%と11月(3.9%)に比べ0.5ポイント上昇しました。これは41年ぶりの急激な上昇幅です。世界的な金融危機の影響が雇用に及んでいることが、統計の上でも明確になってきました。

 失業率は、景気の変化のスピードと比べると遅れて顕在化する傾向がある遅行指標です。このため、輸出、生産、設備投資の歴史的な大幅減を受け、雇用調整はこれから本格化し、失業率はさらに上昇することが見込まれます。まず、「オークンの法則」を用いて、今後の失業率がどれくらいになるかを推計してみます。

GDP成長率との相関関係で見た失業率推計

 オークンの法則とは、経済学者アーサー・M・オークンが大統領経済諮問委員会(CEA)委員長として執筆した「大統領経済報告」(1962年)に活用されたことで有名になりました。GDP(国内総生産)が上昇した時に、どれだけ失業率が低下するかを示す、生産と失業率との関係を表した経験則のことです。過去のGDP成長率と失業率について見てみると、95年以降、日本のGDP成長率(前年比)と失業率の変化(前年差、3カ月遅行)の推移は似通っていることが分かります(図1)。

 これを、失業率の変化(x)を横軸に、GDP成長率(y)を縦軸に取った散布図にすると、失業率とGDP成長率には負の相関関係があることが分かります(図2)。各点からの距離の和が最も小さくなるような直線(近似曲線)を引き、その方程式を用いることにより、GDP成長率に対する失業率の変化幅を求めることができます。

悲観的に見た今年の失業率は過去最高に

 GDP成長率の予測は、ESPフォーキャスト(1月)による民間38機関の予測値を用いました。予測の総平均(コンセンサス)では、2009年(暦年)のGDP成長率はマイナス2.2%です。この総平均 を用いて計算すると、2009年の失業率は5.3%程度と、5%を超えるという結果になりました(図3)。

 この数字は総平均を用いた結果ですが、景気後退期では経済予測は下方に外れる傾向にあります。また、1月下旬に公表された統計の結果を受けて、多くのエコノミストが予測を下方修正しているようですので、38機関の総平均ではなく、悲観的な予測を行っている低位8機関の平均を用いた計算もしてみました。

 すると、2009年の失業率は5.9%程度となり、過去最高の2002年の5.4%を超え、6%に迫るという結果になります。

 さて、ここで「失業率」という言葉について改めて考えてみます。

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2009年2月13日 (金)

遅すぎた抜本的な解決策

中原圭介氏のコラムから

遅すぎた抜本的な解決策

私はずっと前から、サブプライム問題が広がりを見せないようにする唯一の解決策は、「米国政府が債券を発行して、低利で住宅ローンの借り手に貸し付ける」しかないとマスコミ等で訴えてきましたし、ブログでも昨年3月にこの解決策については書きました。

住宅ローンの借り手は、政府から貸し付けられた資金をもとに住宅ローンを返済し、その後に、政府に対して計画的で無理のない返済をしていくという方法です。公的資金による直接的な金融機関の救済ではないので、世論の反発も少なく、議会もスムーズに通ると考えられます。

この方法であれば、金融機関や住宅公社に新たな不良債権が発生する懸念がなくなるだけでなく、住宅の差し押さえによる市場への過剰供給を止め、住宅価格の値下がりを防ぐことも可能となります。住宅価格の値下がりが止まれば、当然、住宅担保証券の値下がりも止まります。その結果、金融危機を沈静化させると同時に、景気悪化の底打ちをも促すことが予想できます。

サブプライム問題が発生した当初から、住宅価格の値下がりが根本的な原因であることはわかっていたはずです。それにもかかわらず、政府や金融当局は、金融機関への公的資金注入にのみ腐心し、住宅市場の需要と供給をコントロールできる金融政策を打とうとはしませんでした。

今回の金融安定化策では、私の解決策とは少し異なるものの、住宅ローンの借り手支援策が盛り込まれる見通しです。しかし、時すでに遅かったという感じがします今のレベルまで状況が悪化してしまうと、現在審議されている景気対策法案や金融安定化法案の程度ではとても金額が足りないと考えるからです。

サブプライム問題が発生して以来、当局の金融政策が何ら効果的な対策を打てなかった結果、そのツケが大きくなりすぎてしまいました。昨年の今頃であれば足りた金額でも現在ではまったく足りないのです。ここまで金融政策が迷走するとは、私にも想像が及びませんでした。

実は、金融市場の大きな流れを見るうえで、決して目を離せない大きな材料が近いうちに出てくると予想しています。それについては、また次号で述べたいと思います。

最後に、拙書の読者へのささやかな気持ちとして、「今年は買ってはいけない業種・銘柄」のヒントを与えたいと思います。

拙書『サブプライム後の新資産運用』239ページの図62において、ランキングが2位と20位の銘柄およびその業種は、特に今年の前半は買ってはいけないと判断しています。割安だと考えて買っている方は注意が必要です。

このブログでは、さすがに「具体的な銘柄を買ってはいけない」とは書けないので、このようなかたちを取りました。できるだけ多くのみなさんに、過大なリスクは避けてもらいたいと思っております。なお、投資に絶対はありませんので、はずれた場合はご容赦ください。

=== 参考書籍 ===

パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く

著者:榊原 英資
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覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界 覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界

著者:宇野 大介
販売元:時事通信出版局
Amazon.co.jpで詳細を確認する

サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践 Book サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践

著者:中原 圭介
販売元:フォレスト出版
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2009年2月10日 (火)

米国政府は「住宅ローンの棒引き」を決断できるか

ダイヤモンドONLINEから

米GM フリッツ・ヘンダーソン社長 「われわれに与えられた猶予は90日間」

米中日の相互依存体制が崩れ、急減速する中国経済の危機

◎「貯蓄から投資へ」は危険なスローガン

米国政府は「住宅ローンの棒引き」を決断できるか

先週、「銀行国有化できぬゆえに米国の金融危機は長期化する」という題名のコラムを掲載したら、批判を含むさまざまな意見をいただいた。そのなかで最も考えさせられたのは、「銀行国有化は社会主義的政策の到達点ではないか」という指摘だった。

「銀行国有化」を持ち出した私の論理を、もう一度整理しておこう。

1.米国でバッドバンク構想が浮上している。金融機関から不良資産、不良債権すべてを除去し、悪化の一途を辿る金融システム危機から脱出するために極めて有効でやるべき解決方法である。

2.だが、「やるべきこと」と「できること」は違う。昨年夏、米政府が金融システム危機の解決に公的資金の投入を表明した際、ポールソン財務長官は、この最も有効な方法――不良資産の買い取リを政策の核に据えた。それが、果たせず、銀行への資本注入に政策が変更されたのだ。

3.なぜなら、当初から指摘されていた買い取り価格問題を解決できなかったからだ。不良資産を高く買い取れば、買い取った政府つまり税金に損失発生しかねない。逆に、厳しい査定をすれば銀行側に損失負担がのしかかって、資本不足に追い込みかねない。

4.そもそも、市場が暴落するさなかに適正価格など測定できるものではない。そして、今なお続く本質的問題は、市場が壊れ価格発見機能が失われたままであることだ。

5.とすれば、銀行を国有化してしまえばいい。民間(銀行)と国が損失負担を巡って利害が発生、衝突するから買い取り価格の公正さが問題となる。それならば、いったん銀行をまるごと国有化し、不良債権処理と再生を同時に進め、民間銀行としてグッドバンク部分を切り出せばいい。残った部分が、バッドバンクである。

 実際、市場経済の総本山である米国でも、マネーセンターバンクの破綻を恐れる人々の口の端に「銀行国有化」は上りつつある。

経済が危機的状況に至れば、政府への期待が高まるのは理の当然である。信用の収縮を止め、雇用政策を打ち出し、産業界にも家計にも底割れリスクを回避する役割を求められる。政府への期待の高まりを言い換えれば、社会主義的政策、大きな政府への誘惑である。米国も銀行への公的資金の投入を決めた時点で、すでにその誘惑に乗ったとも言えるだろう。そして今や、公的資金投入が銀行だけではなく事業会社にも広がり、銀行には損失保証という政府のコミットメントまでを与えた。ここまでくれば、もはや銀行国有化は、すぐに飛び移れる隣の社会主義的政策の連続ステップに、私には思えた。

 だが、それが「社会主義的政策の到達点」だとすれば、行き着いた後、市場経済の規律と機能はどれほど破壊されるのか、想定してから政策を選択することは確かに重要である。モラルハザードと保護主義的動きが高まり、財政資金だけでなく、いかなるコストをどれだけ支払わねばならなくなるか――。それは、容易に引き返せなくなる危険な一方通行なのか――。そうだとすれば、到達点に至る前のいつの時点で引き返せばいいのだろうか――。

 視点を変えてみよう。

私は、上記4で、「そもそも、市場が暴落するさなかに適正価格など測定できるものではない。そして、今なお続く本質的問題は、市場が壊れ価格発見機能が失われたままであることだ」と書いた。

 もう少し詳しく説明すると、住宅バブルが破裂し、住宅価格が下落一方の状態にある。だが、巨額の住宅ローンは残ったままで、低収入の借り手たちはとても返済できそうもない。焦げ付きが増大するサブプライムローンを証券化した商品は、当然のことながら買い手などいないから値がつかない、そういうことである。

 では、この市場の価格発見機能の喪失という本質的問題の解決方法はあるのか。ある。ひと言で言えば、借り手の債務調整、つまり、住宅ローンの棒引きである。方法はいくつかある。例えば、池尾和人・慶応大学教授は、「住宅ローンを支払い可能額まで減額、延期を行う。当然、損失は発生するが、投資家からみてキャッシュフローが予見可能になり、証券化商品の適正価格が見えてくる」と指摘する。

また、かって産業再生機構の専務を務めた冨山和彦・経営共創基盤センター代表は、「政府が住宅を買上げることで、官製時価をつくり、市場機能を回復させることが最も有効だ」と提言、「危機に至ると、政府は一挙的解決方法を求める。それが、公的資金の資本注入だったが、問題の本質はそこではない」と付け加えた。

 何万世帯もの家計の債務調整は膨大な作業で、多くの時間を必要とするが、本質的問題の解決であれば踏み込まざるを得ない。それこそが、バッドバンクの役割かもしれない。
 視点を元に戻そう。

 それでは、その解決に政府が踏み込み、住宅ローンの棒引きに公的資金を投入することは、許容される社会主義的政策なのだろうか。いかなる線引きによって、社会主義的政策の採用不採用を決めるべきなのか。

 今、金融システム危機と実体経済の悪化が相互増幅を起こしている。その悪循環に本格的に突入してしまえば、大恐慌の再来もありえる。従って、その回避のためにはあらゆる政策を総動員するというのが米国政府の認識だろう。仮に、銀行国有化という究極の決断をしたとしても、実体経済の底割れを防ぐ、つまり相互増幅を止める手立てがなければ効果はない。だから、オバマ新政権は、1兆ドルを経済対策に投下すると強調する。民主党政権による大きな政府への転換が進む。

 だが、未曾有の危機に直面した米国において、ケインジアン一色に染まっているわけではない。共和党に加え、日本には伝えられていないが、少なからぬ著名経済学者たちが、裁量的財政政策の有効性への疑義を呈している。クルーグマン教授のごとく、ケインズが私のアイドルだと公言するエコノミストばかりでは決してない。つまり、社会主義的政策の誘惑に引きずられ、大きな政府になし崩し的に移行することへの警告が各所から発せられている。次回の当コラムでは、その論争に立ち入ってみたい。

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2009年2月 4日 (水)

世界不況克服の星

こんばんは。

中国の09年政府債入札計画、回数が大幅増加

Bloombergから

豪2.4兆円の景気刺激策 利下げも同時発表

フォード、赤字で“火の車” 創業以来最悪、政府支援は不可避?

今年後半、自動車業界が持ち直すとの見通しにかげりが出てきている。ニューヨークの債券調査会社ギミー・クレジットのアナリスト、シェリー・ロンバード氏は、「今後1年間は悲惨な状況に変わりはないだろう。2010年前半に脱することができれば、極めて幸運といえる」と語った。

中国は世界不況克服の星? 株価上昇で運用会社に楽観論

世界の大手資産運用会社の間では、1月の中国株が月間ベースで約1年ぶりの大幅高だったことから、中国経済がリセッション(景気後退)を回避するとの見方が強まっている。

 中国株の代表的な指数である上海総合指数は、先週の春節(旧正月)休場を経た2日、過去約1カ月の最高値を付け、3日も引き続き上昇した。同指数は1月に月間で9.3%上昇しており、世界10大市場で最大の上げ相場だった。昨年は年間65%下落し、少なくとも1996年以来最大の下げ幅だった。

 中国人民銀行(中央銀行)は昨年9月以来の5度にわたる利下げを実施した。また、中国政府は昨年、4兆元(約52兆4400億円)規模の景気刺激策を発表したうえ、近く追加刺激策も発表する見通しだ。こうしたことがこのところの上昇相場の背景にある。

 ブラックロックのアセットアロケーション責任者リチャード・アーウィン氏、およびバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)の投資戦略責任者ラス・ケステリッヒ氏は、2008年10~12月期の中国経済成長率が6.8%だったにもかかわらず、今年の成長率は8%近くに上ると考えている。

 ケステリッヒ氏は1月26日、ブルームバーグ・テレビとのインタビューで「政府は経済対策を打ち出すだろう」としており、「09、10年は世界の他の地域よりも速い成長ペースとなる」との見解を示した。

 4兆元の刺激策のほか、中国政府は国内の銀行に対して融資を拡大するよう働きかけている。輸出関税を削減し、減税や補助金を通して鉄鋼、自動車産業など10の業界を支援することも約束した。

 また、米紙フィナンシャル・タイムズは2日、温家宝首相のインタビュー記事を掲載し、中国政府が追加の景気刺激策を検討していると報じている。

 ただ、こうした中国経済に対する楽観論がある一方で、モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は、中国が世界をリセッションから救うというのは「神話」に過ぎないと指摘。欧州に次いで最大の輸出相手国である米国の輸入が減っている現在ではなおさらだと悲観論を述べ、「外需が落ち込んでいるときに、輸出主導型の経済が世界をリードできるか疑問だ」と問い掛けた。

 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値によると、今年1~3月の中国GDP(国内総生産)は、前年同期比で6.3%増となる見通し。温家宝首相は先月28日、8%の成長目標は「難題」だと述べている。 

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いくら何でも楽観的過ぎる政府のゼロ成長見通し

ダイヤモンドONLINEから

百年に一度の危機に悪乗りした一般企業への公的資金注入

いくら何でも楽観的過ぎる政府のゼロ成長見通しNoguchi_economy0801

◎「100年に一度」が増幅される日本と「試練は克服」の米国

英国が危機的状況で英ポンド暴落!

英国の状況はかなり危機的なようです。構造的には米国と英国はよく似ているわけですが、ここまで来ると基軸通貨であるドルを通貨とする米国と、基軸通貨でないポンドを通貨とする英国では差が出てくるようです。

 ポンドの場合、第2の基軸通貨・ユーロに参加していなかったことも、この局面では弱みになっているようです。

 こういったことから、ポンドは崩壊への道を歩み始めているということなのでしょうか。そうでなければ、さすがに下がり過ぎは異常な段階になっているようです。

株式市場は「下値もみ合い」 相場の反転には主役不在Stock_market5301

リーマンショック後の株式市場は、一進一退を繰り返している。

 安値は徐々に切り上がっているものの、高値もまた徐々に切り下がってきており、下値もみ合いの様相となっている。これは、特に日本市場に限ったものではない。各国ともレンジ相場入りしている。

 日本株と円との連動性は強まってきている。ドルにおいても株安とドル高は連動していたが、ここにきて徐々に異なる動きを見せている。ドル以外の通貨に対しては、円は徐々に落ち着きを見せつつある。

 ドル円は投機筋が仕掛けやすく、実需の流れが円高に向かっていることもあり、この流れはしばらく収まりそうにない。「ドル円の独歩高」の様相だ。

 株価においては、外国人投資家の保有比率の大きい株が売り込まれ続けている。

国内の指数を見ても、新興市場株式や中・小型株は、引き続き大型株を上回っている。局所ではリバランスの動きもあるが、流れとしてはまだ変わっていない。

 東証REIT指数のように、リターンリバーサル(相対的に下落した株が相対的に上昇しやすい傾向)からか、違う動きを見せているものもあるが、流れは変わっていない。

 米国のVIX指数(恐怖指数)は当たり前のように40以上で高止まりをしており、市場参加者のあいだでは、この先に波乱が待ち受けていると見る向きが多い。

 ボリュームの増えない市場では、本来、もみ合いは一時的で、相場が一方向に振れやすく、波乱が起こりやすい。だが、相場は激しい変動は見せるものの、全体としてはもみ合いのままだ。

 市場に残った人びとが恐怖感にかられながら消極的に相場に参加している限りは、1ヵ月かけて上昇した相場もわずか5日間で元に戻ってしまうような展開が続くことになる。

 過去の下落相場では元気な投資家が残っていた。1997年の金融危機当時には、一部の銀行系証券と外資系証券が受け皿となり、2003年のソニーショックではヘッジファンドや政府系ファンドなどが先導していった。

 今回の相場では主役はまだはっきりしていない。相場の大幅反転には、主役の登場を待たなければならない。

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2009年1月28日 (水)

ポンドはドルと等価まで下落も、米大統領も同じ過ち=J・ロジャース氏

ジム・ロジャース氏のコメントです。

ポンドはドルと等価まで下落も、米大統領も同じ過ち=J・ロジャース氏R30

著名投資家のジム・ロジャース氏は、英国の債務増大や英経済に成長のけん引役が見当たらないことを考えれば、ポンドは今後数年以内にドルと等価(1ポンド=1ドル)近い水準まで下落する可能性がある、との見方を示した。

 ロジャース氏は先週、ポンドは「終わった」と述べ、英国への投資は避けるべきだとの考えを表明。これを受けブラウン英首相は、経済政策は投機家の影響を受けることはない、と言い返していた。

 ロジャース氏は、年末までにポンドがどの水準になると思うか、とロイターから尋ねられ「自分は短期的なトレーダーとしてはとても出来が悪い」とした上で、「最安値まで下落するだろうが、それには10年かかるかもしれない。ポンドはかつて、ドルと等価近い水準だったことがある。再びそうならないと言える理由はない」と答えた。

 さらに「英国の国際収支には2つの大きな穴がある。北海油田の枯渇と金融業界だ。これら2つの穴を埋め合わせる要因は見当たらない」と述べた。

 ブラウン首相が景気回復に向けた基盤が整っていると述べたことに対しては、「それが何であるかを説明してほしい。それが金融セクターの救済だとすれば危機的だ。日本が1990年代に同じことをやり、『ゾンビ』のような銀行が生まれたことを考えるべきだ」と述べた。

 その上で「痛みを受け入れ、資産をクリーンにし、再スタートを切るべきだ」と提言。ユーロ加盟によって英国の競争力が高まるかもしれないが、ユーロに対しても長期的な信頼感を置くことはできない、と指摘した。

 ロジャース氏は米国についても、オバマ大統領は銀行救済という同じ過ちを犯していると指摘、「オバマ大統領は間違ったプランを取り入れ、間違った人々を選んだ」と批判した。

 さらに、有望なのは中国と商品だけだとして、「どの国の株式も購入していない。世界はリセッション状態にあり、良くなるとは期待できない。政治家が間違いを続ければ、リセッションはさらに長く続くことになる」と述べた。

 ロジャース氏は、かつてジョージ・ソロス氏とクオンタム・ファンドを共同で設立し、1990年代初めにポンドを売り浴びせ、10億ドル以上を稼いだ経験がある。

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2009年1月27日 (火)

資本主義の新しい価値観

中原圭介氏のコラムから

資本主義の新しい価値観

アメリカの住宅バブル崩壊以前の世界経済は、アメリカの貿易赤字が世界の成長をもたらし、世界の成長がアメリカの借金を穴埋めすることで成り立ってきました。別の言い方をすると、アメリカ人の過剰消費が世界の人々の貯蓄水準を引き上げ、世界の人々の高い貯蓄水準がアメリカの国債をはじめとした金融商品に向かい、マネーが上手く循環していました。

アメリカがこの先ずっと赤字を垂れ流し続けることは不可能であるとわかっていても、資本主義は円環のシステムによってこの矛盾を回避し、破局を先へ先へと延期することに成功してきました。破局が先送りされ、世界経済は安定的な成長を果たすことができました。

しかし、住宅バブルが崩壊し、円環のシステムによるマネーの好循環は止まり、マネーが逆流した結果、破局はあっという間にやって来ました。その状況を見ながら、「資本主義は崩壊した」という論調がさかんに言われています。それでは、資本主義が崩壊した後には、どんなイデオロギーが必要となるのでしょうか。

資本主義に取って変わるイデオロギーなど存在するはずもありません。最善の方法は、資本主義そのものを変えようとするのではなく、資本主義に私たちの幸せの価値観を馴染ませていくことであると思われます。

資本主義のシステムは、そのつど成長を続けることを至上命題としていて、より速い成長、より高い成長を目指しています。そこには、人々の本当の幸せについて考える奥深さは存在しません。だから、資本主義のシステムに少し価値の変化を与えてあげればよいのです。「より遅い成長、より低い成長であっても、精神的の幸せな生活が担保されることが重要である」と。

私たちにとっては、物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも欠かせないものであります。物質的豊かさ(=経済成長)を示す代表的な指標には国民総生産(GDP)がありますが、精神的な豊かさを表す指標は今のところありません。よって、国民総生産(GDP)と両輪を成すような、国民総幸福(GNH)という新しい指標をつくり、各国の国民の心の満足度の指数化してみてはどうでしょうか。   

この二つの指標のバランスが良い国が「本当の豊かさ」を持っていると判断するのです。経済成長だけでなく人々の生活レベルにまで目を向けることにより、資本主義の価値観を大きく変えることができると思います。

私は1980年代のバブルを社会人として経験したことがないので断言は出来ませんが、アメリカ人を上回るような放蕩三昧が日本人にとって本当の意味での幸せをもたらしていたとはとても思えません。低成長であっても豊かさはある、私はそう信じています。

=== 参考書籍 ===

パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く パラダイム・シフト(大転換)―世界を読み解く

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覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界 覇権国アメリカの終焉―相場を通じて見える世界

著者:宇野 大介
販売元:時事通信出版局
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サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践 Book サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践

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2009年1月24日 (土)

世の中が期待し始めた「年後半に景気底入れ」

ダイヤモンド online から

世の中が期待し始めた「年後半に景気底入れ」説は本当か?

高支持を政策実行力に転化できるか 「オバマ人事」の今後を読み解く

深刻な中国の失業事情

2003年には全国の失業保険参加者数は1億373万人に達し、現在、政府は年間平均700万人の失業者に失業保険を提供している。労働人口約8億人に対して加入者の割合が少ないのは、農民人口が8割近くを占めているからである

受給期間は長くても
少なすぎる受け取り金額

 各地域のプールされた失業保険基金が、実際に使用した額を上回った場合は、失業保険調節金で調節し、地方財政が補助することと定められている。失業保険を受け取る条件として、「失業保険料を満1年納付する」「本人の意志以外の原因で就業ができなくなった」「失業登録を済ませ仕事を探す意思がある」の3つを満たしていなければならない点は日本と大きく変わらない。

 受け取り期間についてもさほど違いはない。中国の場合、企業と本人の保険料支払い期間の累計が満1年以上5年未満の場合、享受期限は長くて1年、満5年以上10年未満の場合、享受期限は長くて1年6ヵ月、10年以上の場合、享受期限は一番長くて2年となっている。また失業保険金の受取り期間中に病気になれば医療補助金、死亡した場合は遺族が葬儀補助金と遺族慰謝金を受け取ることができる。職業訓練のための補助金なども受け取ることもできる。その割合も日本と変わらない。

 しかし、日本と大きく違う点は、受け取り金額が少なすぎることである。「中国労働統計年鑑2002」によると、2001年の平均年間賃金は10870元(約16万3050円)だが、失業保険はこの2割しか支給されない。日本のように賃金の5-7割もらえるわけではないため、これではまったく生活できない。そのため政府は、最低限の生活すらできない人には最低生活保障制度を設けている。農村でも最低生活保障制度が実行される地域が現れたが、中間レベルの人には十分であるとはいえない。

 今後、政府は失業保険に力をいれざるを得ない状況にある。背景には、外資系企業の中国への進出と民間企業の増加により、効率の悪い多くの国有企業が急激に倒産に陥っている実態がある。社会主義体制の下では、労働者は国有企業で働く=公務員として生涯働くことが約束されていた。それが裏切られたショックは、デモとなって拡大している。

 たしかに、手当ての厚い日本の失業保険では、働く意志があるようにみせかけ、実際は働かない人もいたことは否めない。だが中国では、物価が高い都市部では失業保険だけでは到底生活ができない。急激に経済が悪化する中国では、今後、失業問題が深刻な社会問題に発展することが懸念される。

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2009年1月21日 (水)

オバマ氏だけに頼るな 同時不況克服へ世界の強力必要

オバマ一色!!ですね。

Huge crowds await Obama's inauguration Assets

Millions gather in the US capital to see Barack Obama sworn in as America's 44th president - and its first African-American leader.

経済界、オバマ政権の公約実現に注目

Obama prepares to take office E68c428ee70411dd84070000779fd2ac  FT

Crowds pack Mall ahead of ceremony

米新大統領:就任式出席の黒人夫妻…子や孫に伝えたい

オバマ氏だけに頼るな 同時不況克服へ世界の強力必要200901200022a1

オバマ米次期大統領、正式就任へ 内外の緊急課題が山積

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オバマ氏、米大統領就任へ 日本時間21日午前2時宣誓

米民主党のバラク・オバマ前上院議員(47)は20日正午(日本時間21日午前2時)、ワシントンの連邦議会議事堂前での就任式で宣誓した後、第44代大統領に就任する。米史上初めてのアフリカ系(黒人)大統領となるオバマ氏は就任演説で、困難な時代に米国民一人ひとりが団結し、責任を共有し、希望を持って米国を再生させる「チェンジ(変革)」の一翼を担うよう呼びかける。

 オバマ氏が直面している大きな課題は、ブッシュ政権の「負の遺産」となった大恐慌以来の深刻な経済危機と、イラク、アフガニスタンの二つの戦争だ。9・11テロの後、ブッシュ大統領を9割が支持して結束した米国民は今、8割がオバマ氏を支持し、この危機を克服しようとしている。だが、いつまでも景気回復の見通しが立たなければ、次第に支持が離れ、政権が失速する可能性も否めない。イラクからの米軍撤退やアフガンへの増派も、成果につながる保証はない。

 就任演説でオバマ氏は米国民に向け、苦境に耐え、責任と希望を持って試練に立ち向かうよう求める。

 オバマ氏は11月の大統領選で共和党のマケイン候補を破り、当選。8年ぶりに民主党が政権を奪還した。異例のスピードで閣僚を選び、国務長官にヒラリー・クリントン氏を指名したほか、国防長官にはゲーツ氏を留任させた。

 午前11時半から始まる就任式は、まず新副大統領に就くジョセフ・バイデン氏(66)が宣誓。続いてオバマ氏は、南北に分裂した米国を救ったリンカーン大統領の聖書に手を置いて宣誓する。リンカーンの奴隷解放宣言から145年、今も人種差別に苦しむ黒人の一人が、米国のリーダーとして大群衆の前に立つ。

 ワシントンの緑地帯(モール)の東端に立つ議事堂の前には、歴史的な就任を見届けようと全米各地から市民が駆けつけた。約4キロ離れたモール西端のリンカーン記念堂は45年前、オバマ氏が尊敬する黒人解放の父、キング牧師が「私には夢がある」と演説した場所。「肌の色ではなく人格で評価される国」という牧師の夢はこの瞬間、ひとつの大きな節目を迎える。

オバマ氏ってどんな人 既成の「枠」軽々越える

オバマ新大統領:新華社が特集、中国でも大きな関心

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2009年1月20日 (火)

日本人が経済的な安心を取り戻すためには

中原圭介氏のコラムから

日本人が経済的な安心を取り戻すためには

戦後最長を記録した2002年から2007年までの景気拡大について中身を検証すると、6年間の年平均のGDP成長率はわずかに1.9%であり、そのうち1.0%は輸出、0.5%は企業の設備投資が寄与しました。成長率の50%以上を輸出、75%以上を企業部門が貢献することは、「いざなぎ景気」や「バブル景気」にはありませんでした。これは、6年間の景気拡大が輸出と企業が主導したものであり、家計には勢いがなかったことを示しています。

だから、日本経済は輸出が落ちると総崩れとならざるをえません。これが日本経済の現実なのです。この現実を打開するために、バブル期並みの内需を復活させる必要があるという意見もありますが、これは非常にナンセンスな意見です。バブル期の内需は、日本人の放蕩、過剰消費がもたらした内需だからです。結局は、過剰消費のツケは国民が払うのです。

少しでもよいから内需を高めるためには、根本的な問題を解決するしかありません。それは、労働者の賃金を引き上げることです。グローバル経済下では、元々賃金の高い日本人の賃金の伸びが抑えられ、賃金の低い中国人やインド人などの賃金が上昇していくのは仕方ないとしましても、この10年間で日本のサラリーマンの収入が全く伸びていないという状況はかなり深刻な事態です。国民の生活レベルは上がっていないのです。「実感なき景気回復」と言われるのはそのためです。

拙書「サブプライム後の新資産運用」では、現在のような状況が起こることも想定して、法人税を10%引き下げる代わりに、企業は契約社員・派遣社員の正社員化をし、かつ全従業員の給与水準を引き上げることを提案しました。それは、消費税増税に伴う年金制度の税方式化とセットで行うことにより、より理想的な制度に近づき、相乗効果が発揮されると考えています。

今の日本人には将来の安心感がありません。年金制度が破綻しないという安心感、雇用が安定しているという安心感は、長らく停滞している消費に徐々に良い効果を与えていきます。そして、こういった安心感は、特に消費しない世代である20代、30代の消費行動に大きな影響を与えてくれると期待されます。もの心がついた時からずっと悲観的な経済状況で育ってきた20代、就職してからずっと景気が悪かった30代の漠然とした不安感を拭い去るには、国が安心できるシステムをつくるしかないのです。

また、法人税減税は日本企業の国際競争力を高めるためにも必要不可欠です。先進各国は国際競争を意識して、すでに法人税引き下げを実施、あるいは1、2年以内に実施する方向で動き出していて、このままでは日本企業のハンデは増すばかりです。法人税率が原因で、世界最先端の技術を持つ日本企業が国際競争に負けるようなことがあれば、最終的には日本人の賃金水準、生活水準も下がってしまうのです。経済で三流の国になってしまうのです。

これから数年以内の国の責任、政治家の責任は、とてつもなく重いものとなるでしょう。定額給付金などという馬鹿な政策をやっている時間とお金があったら、一刻も早く、新しい雇用創出策(1月5日の記事参照)の検討に入ると同時に、税制改革に伴う国民生活安心プランを実施してもらいたいと思います。まだ間に合います。

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景気サイクルと株価の関係について

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2009年1月19日 (月)

個人投資家、2009年の狙いどころ

◎「ものづくり輸出立国」の終焉──日本の輸出は驚くべき減少過程に入ったNoguchi_economy0602 Noguchi_economy0601

アメリカの消費減が
日本の輸出を減少させるメカニズム

 今後の状況を予測するためのもう1つの手掛かりは、アメリカにおける消費支出の動向だ。1月14日に発表された米商務省の08年12月の小売り売上高(季節調整済み)は、前月比で2.7%の減少を示した。通年でも伸び率がマイナスになる。

 ところで、アメリカにおける小売り売上高の減少は08年夏以降に始まった現象であり、それが加速したのは秋以降である。これまでの消費の伸びを支えてきた米家計の債務は、減少を始めているが、まだ高水準だ。したがって、債務圧縮が今後も継続し、それによって消費の減少過程が今後も続くと考えられる。

 消費の内容も、これまでは消費者金融の引き締めによる耐久消費財(とくに自動車)の減少が中心だったが、それが消費一般に及びつつある。全米小売協会(NFR)によると、衣料品、家具・インテリアなどが前年比10%近く、あるいはそれ以上の減少を示している。これらは、中国からの輸入品が大きな比重を占める分野だ。

 自動車の購入減少は日本からの輸入の減少に影響したが、一般的な消費の減少は中国からの輸入の減少に影響するだろう。それは、中国における輸出産業の生産減を引き起こし、それが日本から中国への輸出(部品や機械)の減少を引き起こす。

 したがって、日本の輸出減少は、新しい段階に入ったと見ることができる。すなわち、これまでは対米自動車輸出の減少が生じたが、今後は、対中国の輸出の減少が生じるだろう。

 なお、アメリカの貿易収支はこれまでも徐々に減少しつつあったが、その要因は主として輸出の増加だった。ところが、最近では、輸入の減少が貿易赤字を減少させるスタイルになってきている。すなわち、米商務省が1月11日に発表した08年11月の貿易統計によると、国際収支ベースの貿易赤字(季節調整済み)は前月比28.7%減少したが、内訳は輸出が前月比5.8%の減少、輸入は12.0%の減少となっている。

 アメリカ国内の消費が減少し、それが輸入を減少させて経常収支の赤字が縮小することは、今回の経済危機の基本的な原因を取り除くためにどうしても必要な過程である。それがいよいよ本格化しつつあることがわかる。

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山崎 元氏のコラムから

個人投資家、2009年の狙いどころ

もちろん、先を見通すことなどできないが、昨秋以降、見たことがないスピードで景気が悪化しており、いまや企業の利益の悪化は株価の下落に十分追いつき、やや追い越し気味の状況にある。つまり、株価は利益に対して割安ではない。

  また、トヨタ自動車が営業赤字に陥るような状況まで想像していた人は少ないだろうから、現状の景気悪化にはネガティブな方向のサプライズがある。たとえば、日経平均株価が6000円程度に落ち込むような、昨秋新規に参加した投資家が損切りすべきか悩む状況が、年内に一度訪れる心配が十分ある。

 不況というと、利回り低下を狙った債券投資が投資の定石だ。特に金利の低下余地の大きな外国の債券は狙い目で、為替リスクをヘッジしながら長期債を買ってみたい。しかし、個人の場合、FXで為替ヘッジを行ないながら、外債投資をするのはそうとうに骨が折れる。

 景気が悪化した状況から株価が上昇するときには、株価は利益に対して割高に見える局面から上昇し始めて、後から利益の改善がついてくることが多い。

こうした底値からの回復を狙うならどのようなアプローチがいいだろうか。

 普通に思いつくのは、値下がりした優良株への投資だが、どの企業が「優良」なのかがわからない状況なので、投資家の期待感がまだ残っている(かつての)優良株への投資はかえって危険に思える

 この際おもしろいのは、(1)株価が100円割れして多くの機関投資家が持ち切れなくなって投げた銘柄か、(2)新興市場で時価総額がピークの10分の1以下に下がったようなもので資金繰りに困っていない銘柄、といったところではないだろうか。

 後者に関しては、現在、縮小・撤退が相次いでいるヘッジファンドがかつて好んでいた銘柄が多く、こちらも投げ売りで株価が過剰に下がっている可能性がある。

 いずれにも倒産リスクがあるから、できれば20銘柄以上に分散投資したいが、この種の銘柄の場合、倒産せずに不況を乗り切ると、大きな率での株価上昇が見られる場合が多い。

 昨今のような環境では、当面使う必要のない余裕のある金額の範囲内で投資を考えるべきだが、投資対象については、少なくとも現在不人気で、できればこれまでの投資家が「個々の銘柄の投資判断に関係なく、売らざるをえなかった」ものを買ってみたい。不人気銘柄を買うのだから、それなりの胆力がいるが、成功した場合の果実は大きいだろう。

 また、大幅に下げたREIT(不動産投資信託)にも、リバウンド狙いのチャンスがありそうだ。

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2009年1月16日 (金)

TARP後半資金の行方

米金融の決算前倒しはオバマ支援狙いか?シティは明日。

JPモルガン・チェースの第4四半期、76%の減益R29

ECB、主要政策金利を50bp引き下げ

欧州中央銀行(ECB)は15日、主要政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ2.0%とした

米民主党、8250億ドルの景気刺激法案公表

米下院民主党は15日、8250億ドル規模の景気刺激法案を発表し、同党指導部は迅速な成立を目指す方針。ロイターが入手した文書で明らかになった。

 法案には、雇用創出に向けた5500億ドル規模のプログラムや2750億ドルの税制優遇策が含まれている。

 2つの下院委員会が来週法案を審議する予定。月末までに成立する可能性がある。

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堀古英司氏のコラムから

TARP後半資金の行方

去年10月3日、擦った揉んだのあげく金融安定化法が成立してから100日間が経過しました。当初、ポールソン米財務長官が「市場が驚くほど大きな金額でなければならない」として要求した不良資産救済プログラム(通称:TARP)7000億ドルのうち、まず前半3500億ドルの資金が議会で承認されました。しかし今、市場はTARPの金額の大きさではなく、100日もたたないうちに前半の3500億ドル全額を使い切ってしまった、そのスピードの方に驚いてしまっています。

 確かにこの前半3500億ドルはこれまで、短期間に起こった様々な危機を乗り越えるのに役立ってきました。シティグループやAIGといった超大型金融機関の破綻を防いだほか、ワシントンミューチュアルやワコビアなど大型金融機関の破綻が金融システムに与える悪影響を最小限に抑えてきました。年末には GMやクライスラーなど自動車大手を救済、何とかデトロイトがゴーストタウン化するのを防いでいます。しかし薄氷を踏んできている感は否めません。

 一方でこのTARP前半の資金の使われ方には大きな批判の声が上がっています。最も大きな問題は、当初想定されていた使い方を全くしていない事です。もともと9月のリーマン破綻後、財務省が議会に承認を求めた資金の使途は「不良資産の買取」でした。アメリカの金融システムにおいて最も大きな割合を占める住宅ローンは、その殆どが証券化され、投資家が保有しています。住宅ローンを返済できなくなった人に対して住宅差し押さえを実行すると、住宅市場が更に悪化すると共に、金融機関には大きな損失が発生してしまいます。そこで政府がそのような住宅ローン関連証券を買い取り、住宅ローンの条件を緩和して住宅市場の悪化を食い止める、というのが当初の目的でした。

 しかし政府が住宅ローン関連証券の買取を開始する前に次々と大きな金融危機が到来。やむなく金融システムが麻痺するのを防ぐために本来の目的から逸れた、金融機関への公的資金注入に資金を費やしてしまったというのが実情です。逆に言えば、殆どの資金が金融機関への公的資金注入に充てられてしまった結果、住宅ローン関連証券は買い取られておらず、従って住宅ローンの債務不履行や差し押さえるという目的を全く果たせていないという事です。当面住宅ローン不履行に伴う差し押さえを凍結する、としていた政府系住宅金融機関も先週末から住宅の差し押さえを再開しています。

 金融機関に注入された公的資金が、結局はこのような住宅市場の安定化や新規の貸し出しに使われているのならそれほど問題ではありません。しかし大手金融機関を中心に注入された公的資金は、今の所殆どが国債購入に回されるという結果に終わってしまっています。7000億ドルというのはアメリカの労働人口一人当たり50万円にも上る大きな金額です。結果的に、全く本来の使われ方をしていない事に対してアメリカ国民の怒りは頂点に達しています。

 TARPの後半3500億ドルに関しては議会の承認が必要なため、現在、大手金融機関の「もしも」に備えた資金はゼロという危険な状態が続いています。そこでブッシュ大統領は来週のオバマ新大統領就任を待たずに昨日、議会にこの3500億ドルの承認を要請しました。

 TARP後半の3500億ドルが、「本来の目的」に重点を置くという条件なしに議会承認される可能性は殆どないでしょう。しかし全体で3500億ドルという枠が決まっている以上、「本来の目的」に充てられる資金が多ければ多いほど、大手金融機関の「もしも」に備えた資金は少なくなってしまう事になります。今の所、今週末にはイギリスが実施してきた金融関連銘柄の空売り規制が解除される見込みです。市場が再びリスクを感じ始めた時、それは自ずから株価に反映されると見ておくべきと考えています。

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2009年1月15日 (木)

迫る倒産ラッシュ

Bankruptcy boom seen in 2009, no sector sparedR27

A rush of bankruptcies and restructurings is in store for Corporate America this year, as dwindling revenues and tight lending markets force companies ranging from retailers to casinos and home builders to make tough changes or shut their doors.

ドイツ銀5700億円赤字 10-12月、危機深刻化Pn2009011401001004

ドイツの民間銀行最大手ドイツ銀行は14日、2008年10-12月期決算で約48億ユーロ(約5700億円)の純損失を計上するとの見通しを発表した。金融危機の深刻化の影響で株式や金融派生商品デリバティブ)の取引などが不調だった。この結果、08年の年間でも39億ユーロの赤字に転落するという。07年の純利益は65億ユーロの過去最高の黒字を計上。

ドイツ経済は基本的に健全で堅調=メルケル首相R28

ドイツのメルケル首相は14日、ドイツ経済は堅調であり、世界的な金融・経済危機は、欧州最大の経済大国であるドイツに根付いていないと述べた。

 同首相は総額500億ユーロの追加景気対策に関するドイツ連邦議会下院でのスピーチの中で「ドイツ経済は基本的に健全で堅調だ」と述べた。

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***シティの下げが目立つ。既に2度にわたり連邦政府の救済措置を受けたにもかかわらず、赤字が膨らむことが徐々に明らかに。。。***

People walk past the Citigroup headquarters in New York, November 24, 2008.  REUTERS/Brendan McDermid

Citi breakup in sight

Citigroup, once the world's largest bank, may announce plans soon to formally shed the "financial supermarket" approach once championed by its former CEO.

個人向け証券部門を切り離し、証券大手モルガン・スタンレーと資産運用会社を設立することを発表したシティグループが14%安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率首位。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも4%超下落している。2008年10―12月期の最終損益が48億ユーロ(約5600億円)の赤字となったようだと発表したドイツ銀行が9%安。資本増強の可能性があるとの見方が伝わったHSBCホールディングスも大幅に下げている。

NY株、一時220ドル安 米企業業績に懸念

日興、広がる動揺 シティの証券子会社売却

米シティグループが事業選別を加速するなか、約1兆円を投じて買収した日興コーディアルグループの動向に焦点が集まっている。シティは、日興の売却を否定しているが、経営再建が進まなければ、日米で証券事業からの撤退に追い込まれる可能性も否定できず、日興側はいらだちと不安を募らせている。-----------------------------------------------

 シティは昨年1月に日興コーディアルグループを買収し、5月に日興シティホールディングス(HD)を設立した。日本市場で攻勢に出ようとした矢先に金融危機が直撃。米政府から公的資金による資本注入を受け、世界規模でリストラを進めている。

 日本でも消費者金融から事実上撤退したほか、日興グループの人員削減も実施。さらに昨年末には日興シティ信託銀行三菱UFJ信託銀行に250億円で売却することを決めた。

 日興シティHDのダグラス・ピーターソン会長兼社長は昨年12月に「日本の中核事業を売却する考えはない」とのコメントを発表し、日興を軸とした日本戦略を堅持する方針を示している。

 しかし、米国のシティ本体は公的資金の投入を受けたことで、政府の強いリストラ圧力にさらされている。シティ関係者からは「生き残るためには、『聖域』はなくなるだろう」との声も聞かれ、日興売却が俎上(そじよう)に上る可能性は否定できない。

日興社内でも動揺が広がっている。日興は不正な利益水増しの発覚で信用不安に陥り、シティの傘下に入ることになったが、「自力再建も十分に可能だった」との不満がくすぶり続けている。シティの経営悪化で日本事業の再編など対日戦略の構築が遅れているうえ、グループ内の不協和音が広がれば、シティが日興売却へと傾斜していく可能性は高い。

A Nortel sign is seen in downtown Toronto February 27, 2008.  REUTERS/Mark Blinch

Nortel files for bankruptcy protection

North America's biggest telephone equipment maker filed for Chapter 11 bankruptcy protection as the global economic downturn eroded its once high-flying business

カナダの通信機器大手ノーテル・ネットワークス(NT.TO: 株価, 企業情報, レポート)は14日、米連邦破産法第11条適用を申請した。裁判所への提出書類で明らかになった。

 同社は15日に約1億0700万ドルの利払い期日を控えていた。

 DSAMコンサルティング(トロント)のダンカン・スチュワート氏は「この申請によると、取締役会は(2008年)第4・四半期が悪いだけでなく(09年)第1・四半期も同等かそれ以上に悪くなると予想しているようだ」と指摘。「短期的な資金はあるが、中期的な見通しは継続企業として存続が難しい」と述べた。 

 

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2009年1月14日 (水)

「100年に一度の経済危機」は間違い

中原圭介氏のコラムから

「100年に一度の経済危機」は間違い

グリーンスパンFRB前議長は、住宅バブル崩壊を振り返り、急成長を続ける新興国での貯蓄急増が世界中の長期金利を低下させ、それが住宅バブルの原因となったと説明しています。そして、こうして生まれたバブルを金融政策では抑えられないとも弁解しています。これは間違いだと思います。所得が少ない層への金融機関の乱脈融資、それに伴う住宅需要の急増が住宅バブルの大きな原因であるからです。金融政策の大きな過失が原因です。

資産バブルを抑え込むのは金融当局の責任です。しかしグリーンスパン、バーナンキ新旧両議長ともインフレを抑えることには責任を持ってきましたが、住宅バブルに対する責任は果たしてきませんでした。古くからある中央銀行のDNA、すなわち、「中央銀行の最大の使命はインフレを抑えることである」という考え方から抜け出せませんでした。本当に日本のバブル崩壊を研究していたのであれば、アメリカの金融当局は資産バブルにも注意を向けることができたはずです。

日本のバブル崩壊後の処理が長引いたのは、主に二つの原因があると考えられます。ひとつは地価の下落がなかなか止まらなかったこと、もうひとつは銀行が不良債権をバランスシートに含むのを許されたことです。

残念ながら、アメリカではこの教訓さえも生かされていません。欧米での金融危機の原因は、住宅価格の下落が止まらないこと、金融機関の不良債権の額が不透明であること、この二つです。後者の原因は、日本よりも先行きの見通しを難しくしています。

欧米の金融機関が不良債権を時価で評価することをせずに、処理を先延ばしする動きが続く限り、日本と同じあるいはそれ以上の失敗を繰り返すのは明白です。裏を返せば、時価で評価したら世界金融がクラッシュしかねないという事情があるのかもしれません。時価での評価をして不良資産の処理を急ぐにしても、時価での評価を先延ばしにして本来の不良資産を放置するにしても、どちらも厳しい選択肢となりそうです。

グリーンスパン前議長が「100年に一度の津波」と呼んだのが一人歩きして、現在進行形の経済危機は「100年に1度の危機」と騒がれていますが、それは間違いであると思います。グローバル経済のもとでは、経済のスピードが速まっていて、これまでの歴史と同じ時間軸で危機が起こるスパンを考えることは適当ではないからです。実際に日本の例と比較すると、欧米では昨年1年間だけでも、5年間分くらいの出来事が起こってしまったのです。

それにグリーンスパンのこの言葉には、自分の金融政策の誤りを認めたくないという気持ち、誰がやっても止められなかった危機であるという弁解の気持ちが含まれています。伝統的な金融政策に縛られ、金融工学を過信したことによる失敗を、この言葉で片付けてしまうのは良くはありません。10年後か20年後に、再び今回の教訓を生かすことができなくなってしまうからです。

今回の危機を乗り切るために、先進各国は財政赤字を膨らませるのを避けられません。それは、将来的に各国の国債の価値を不安定なものにするでしょう。特に、アメリカ国債の格付けが最上級のトリプルAを維持することが、いつ金融市場で疑念を持たれるようになってもおかしくありません。危機を乗り越えるための財政出動が、新たな危機の原因になろうとしています。

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2009年1月13日 (火)

「アメリカが景気回復すると、世界経済危機が終わらない」という深刻なジレンマ

リストラについて投資家が心配すること

金融危機の実物経済への影響が明確になり、企業も雇用調整に動き出した。従業員にとっては避けたい事態だが、株主にとっては基本的に「よいニュース」だ。ただし、今回のリストラには投資家から見ても心配な点がある。

「日本経済新聞」(12月14日付朝刊)の報道によると、トヨタ自動車は中国、ブラジル、インドなどを含む新工場計画を見直すという。新興国の経済も減速が避けられないので、適切な判断かもしれないが、次の成長の可能性がある分野までリストラしてしまうことにならないか心配だ。

 人口の減る国(日本)の内需には限界がある。自動車に限らず多くの産業で、長期的に見て、需要の成長は新興国に求めるほかないのではないか。

 社員も投資家も、人員削減計画だけでは希望を持てない。労働意欲や株式の魅力の点でも、リストラ発表と相前後して成長への具体的展望を示すのが経営者の役割だ。

 ソニーも同様で、収益を牽引した薄型テレビの需要見通しなどが下方修正されることはわかるが、次のソニーらしい成長分野がメッセージとして伝わってこないのは残念だ。

「ダイヤモンド・オンライン」(12月12日付)のカルロス・ゴーン・日産自動車社長へのインタビューを見ると、彼が「環境対応」を次の重点分野と考えていることはわかるのだが、日産にとっても「低コストのファイナンス」が難しい状況であるように読める。

 それだけ業界全体、経済全体の状況が大変だということなのだろうが、余裕とやる気のある企業にとっては、不況期はライバルに差をつけるチャンスでもある。

 投資家の側でも、リストラによるコスト削減効果ばかりを評価するのではなく、将来の成長に向けた前向きな挑戦の可能性を見落とさないように注意したい。

「アメリカが景気回復すると、世界経済危機が終わらない」という深刻なジレンマ

将来への方向付けが
定まらない

 日本の立場から見て最も強い関心が持たれるのは、アメリカの輸入が今後どのように推移するかである。

 国際収支統計によってアメリカの輸入の総額と地域別の推移を見ると、【表2】に示すとおりである。日本からの輸入は、2008年第1四半期をピークとして急激に落ち込んでいる。これは、自動車を中心とするものである。そしてこれは、すでに見たGDP統計における耐久消費財の落ち込みに対応したものだ。

 しかし、その他の地域からの輸入は、日本に対する影響ほど顕著な動向は示していない。中国からの輸入は、08年第1四半期には落ち込んだが、その後回復しており、08年第3四半期では、過去最高値となっている。OPECからの輸入も、原油価格が下落した08年第3四半期でも、低下せずに増加している。輸入額全体で見ても、減少するどころか、むしろ増加している。

【表1】アメリカの実質GDPとその構成要素の推移(年率換算額、単位:10億ドル)Noguchi0501

【表2】アメリカの地域別輸入の推移(単位:100万ドル)Noguchi0502

 つまり、これまでのところ、アメリカの貿易は、自動車輸入の急減を通じて対日貿易に大きな影響が発生しただけで、輸入全般には目立った変化は現れていないのである。これは、上でGDP統計によって見たのと同様の傾向である。

 このことは、問題なしとしない。なぜなら、今回の経済危機の基本的な原因は、アメリカの経常収支赤字が持続可能とは言えない規模まで拡大したことにあるからだ。そして、それをもたらした原因は、アメリカ国内の消費が住宅価格上昇を背景として増加したことにあるからである。

 したがって、危機が完全に解決されたと言えるためには、アメリカ国内の過剰消費が減少して経常収支赤字が持続可能なレベルにまで減少しなければならないと考えられる。しかし、これまでのところ、自動車を中心とする耐久消費財について減少は見られるものの、消費の縮小による輸入の縮小には進んでいない。

 つまり問題の根本的な解決と新しい均衡へ向かっての調整の道筋が見えているとは言いがたい状況なのである。

 今後、オバマ政権によって景気刺激策が取られ、アメリカ国内の支出が増大すれば、輸入が再び増加する可能性もある。そうなれば、問題の基本的な解決からはかえって遠ざかってしまうとも言えるのである。

 年明け以降の日本の株価は上昇傾向にあるが、それはオバマ政権による景気刺激策への期待によるものだと言われる。たしかに、アメリカの景気が上向けば、日本の輸出の急減には歯止めがかかるかもしれない。しかし、それは今回の危機の原因になったアメリカ経常収支赤字問題が未解決のまま放置されることを意味するのだ。それは、ドルに対する信頼が確立されず、ドル安に対する不安が残ったままの状態が継続することを意味する。

 かくして、将来への展望が開けない状態が続くことになる。少なくともしばらくの間は、このように方向付けがはっきりしない状態を甘受せざるをえないのだろう。

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景気サイクルと株価の関係について

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2009年1月 9日 (金)

米国3年債の海外需要に陰り、バブル崩壊の兆しか

--- 米国債の行方---

中国政府幹部「保有米国債で責任ある対応」 米中会談で表明

副長官は会談した中国政府幹部が「保有する米国債の問題について中国はとても責任ある態度で対応してきた」と述べたことを明らかにした。そのうえで「中国は信頼できるパートナーと見なされたいと思っているだろう」とも指摘した。 

米国3年債の海外需要に陰り、バブル崩壊の兆しか

7日に実施された3年物の米国債入札では、特に海外の投資家を中心に需要が衰える兆しが見られ、米国債市場のバブルが崩壊しかねないとの懸念が高まった。実際に米国債市場が崩壊すれば、世界経済に深刻な影響をもたらす恐れもある。

 海外の投資家は5兆8000億ドルに上る米国債の半分程度を保有しているが、この日行われた300億ドルの3年債入札では、海外勢による落札額は通常を下回る水準にとどまった。

 米政府は金融システムや自動車業界の救済に必要な資金を調達するため、今年は約2兆ドルの債券を発行する計画で、この日の3年債入札も過去最大規模となった。

 海外の中央銀行による入札分を含む間接入札者の落札比率は約28%で、12月に行われた3年債入札の35%を大幅に下回った。

 米国の短期国債利回りは昨年12月中旬に、リスク資産から安全資産への資金シフトが加速したことで過去最低水準まで低下した。

 しかしアナリストによると、投資家はここにきて記録的な低利回りとなった米国債をさらに買い進むことを躊躇(ちゅうちょ)し始めた。それによって利回りが反転すれば、資金調達に苦しんでいる企業や家計の借り入れコストを押し上げ、低迷している景気に追い討ちをかけかねない。

 カボット・マネー・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は「年が明けてから、多くの投資家が利回りがいかに低いかをあらためて認識し始めた。相場の高さに腰が引けてきた」と指摘している。

 ラーキン氏によると、最近になって米国債が売られている理由の1つは、米国債に対する株式や社債の利回りスプレッドが過去最高水準に達したため、昨年末から投資家が株式や社債に打診買いを入れてきたこと。第2の理由は、世界全体でソブリン債の発行が増加しているほか、米国債の大量発行も控えていることで需給懸念が生じていることだという。

 その結果、10年物米国債の利回りは昨年12月中旬につけた過去最低の2.04%から50ベーシスポイント(bp)程度上昇した。

 海外の中央銀行は自国経済を支えるために資金を国内にとどめておく必要があり、米国の財政が著しく悪化すればなおさらのこと、米国債への投資を控えようとするだろう、と予測するアナリストもいる。

 もっとも、特に中国や日本など最も多額の米国債を保有している国をはじめとする海外の需要をすべての関係者が懸念しているわけはない。

 米連邦準備理事会(FRB)の週間データによると、海外の中央銀行は今のところ着実に米国債を購入している。

 JVBフィナンシャル・グループのチーフエコノミスト、ビル・サリバン氏は「それがすぐに変わるとは思えない。カストディ保有高は非常に力強い需要を示している」と述べ、景気の悪化が続けば安全性の高い米国債への需要はしばらく続く、との見方を示す。

 それでも、債券市場関係者は7日の3年債入札は不調だったとみており、入札結果発表後、相場は下げ足を速めた。

 シアトルのブローカー、D.A.デビッドソンのシニアトレーダー、メアリー・ハーレイ氏は「これまでの入札ほど海外勢の需要が強くなかったことは間違いない。彼らは資金を国内向けに使わなければならなくなっている」と述べた。

 短期債利回りの上昇は、大量の国債発行による影響をより受けやすい長期債利回りの大幅上昇の前触れとなる可能性がある。

 米国債への需要を占う上で、8日に実施される160億ドルの10年債入札が関心を集めている。

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オバマ経済対策の効果と副作用、揺れる市場の思惑R26

12月の米小売各社売上高は失望的、Wマートなど見通し修正相次ぐR25

英金利、史上初の1%台 欧州中央銀行も追加利下げへJapan357719reuters_thum

中間所得層向けの1000ドル減税を計画

米、300万人の雇用創出…オバマ氏が大型景気対策を表明

オバマ次期米大統領は8日、バージニア州で講演し、経済立て直しに向けた大型の景気対策の概要を明らかにした。

 300万人の雇用創出を目指し、エネルギー分野や教育、医療など「21世紀の競争力強化に必要な新しいインフラ(社会基盤)」に優先的に投資し、大恐慌の際にルーズベルト大統領が実施したニューディール政策の「オバマ版」を実行する考えを表明した。

 オバマ氏は、「(対策は)多額の費用を必要とするが、何もしなければ、景気後退(リセッション)は何年も続き、失業率は二けたに達する」と述べ、大型景気対策の必要性を強調した。

 そのうえで、「短期的には財政赤字を膨らませるが、規模が小さすぎれば、結果として失業者の増大などを招く」と述べ、対策が大規模となることに理解を求めた。オバマ次期政権は、中低所得者向けの所得税減税など3000億ドル程度の減税措置を含め、2年間で総額7000億ドルを超える対策を検討している。

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減税、道路、環境だけじゃない
オバマ雇用拡大策に「通信インフラ」が浮上

企業の資金調達に暗雲。金融市場の「情報の非対称性」は解消できるか

2008年一年間を表す漢字は「変」であったが、経済学の言葉で昨年の経済、金融市場を一言で表現すると「情報の非対称性(adverse selection)」に凝縮される一年であった。

優良企業でも資金調達が
できないワケ:情報の非対称性

 まず、よく用いられる中古車売買の例で情報の非対称性を簡単に説明しておこう。

 中古車の品質や事故歴を買い手がうかがい知ることは困難である。売主の説明(品質、事故歴、本当の走行距離など)が真実であると信じて取引に応じるしかないため、完全に売り手有利の取引であり、極端な場合、買い手は「カス」をつかむリスクがある。

「カス」を回避するためには、そもそも中古車を購入しないのが一番安全ということになる。そして、買い手不足となった市場では、いくら優良な中古車でも適正な価格では売れなくなる。結果として市場に出回るのは劣悪な中古車だけとなり、中古車市場そのものが崩壊していくというものだ。

 アメリカでは質の悪い商品をレモンと呼び、この情報の非対称性の話は「レモン市場」の話として説明されることも多い。世の中には、良質な中古車を売りたいというニーズも、買いたいというニーズも存在するのに、情報の非対称性が存在するが故にこれらのニーズを満たす市場が存在しなくなってしまう。そうしてレモン市場では、全体の効用は低下する。

「情報の非対称性」は私の専門分野である企業ファイナンスの世界でも頻繁に登場する概念である。

 最近は、優良な企業でも資金調達が容易ではなくなってきている。銀行も投資家もない袖は振れないとばかりに脇を固めていることもあるが、実は情報の非対称性を恐れるあまりどんな企業に対してもお金を出したがらなくなってきたのである。昨日まで大丈夫と思われていた企業が突然経営破たんをするなど、よりどころがなくなりつつあることがその背景にある。

誰が“安心”を
保証してくれるのか?

 情報の非対称性の問題を回避するには、シグナリングが用いられる。中古車市場の場合は、第三者機関による品質証明書の発行や、売主による1年間の品質保証など、「この車は優良ですよ、大丈夫ですよ」というシグナルを発することで、買い手に安心して買ってもらう。そうした動きが広がることで中古車市場が成立していく。

 企業における資金調達の場合にも、この企業は大丈夫だという品質保証がなされる必要がある。従来、そのシグナリングの役割を担ってきたのが格付けであった。しかし、この格付けの信憑性がサブプライム問題で見事に吹き飛んでしまい、シグナリングが機能しなくなってしまった。

 そこで金融機関や投資家は、自らの判断で企業にお金を提供することになるが、お金を提供したそばから企業の業績下方修正や実質破綻などが相次いだ。アメリカの金融機関に多額のお金を提供して、大きな含み損を抱え込んでしまったオイル諸国の政府系ファンドなど、「ババをつかまされた」と思いながら2008年を終えた投資家は少なくない。

 企業が再びスムーズな資金調達環境を取り戻すには、情報の非対称性問題を解決しなければならないが、シグナリング機能が回復するには市場の信用回復が必要であり、今回は相当な時間がかかりそうである。

 あるいは、市場からレモンが消えることでも情報の非対称性は解消できるだろうが、トヨタまでが営業赤字に転落するという今までに経験したことのない激変環境では、すべての企業がレモンになりえてしまう。

 当面の対応策として、アメリカでも日本でも政府、中央銀行が民間企業の発行する証券を購入するという議論が活発化している。これには、金や流動性を提供することもさることながら、「大丈夫だぞ」というシグナルを発する効果も期待されている。

 2009年は情報の非対称性の解消、そして、新たな情報の非対称性を創出しないことが景気回復に向けて重要となるはずだ。

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2009年1月 7日 (水)

「100年に一度の危機」を乗り越えるために

どこまで続く?オバマ・ラリー。

主要企業の09年日経平均予想は6000―1万3000円、年内の景気底打ち困難R24

日経平均6日続伸、オバマ政策の関連銘柄買われる

ドル上昇はユーロ反落が主導、対円は95円が上値めどか

China maker Waterford Wedgwood calls in receiversR23

DUBLIN (Reuters) - Ireland's Waterford Wedgwood, whose luxury tableware was once a mainstay of wedding gift lists worldwide, has called in receivers and placed two of Britain's most venerable china makers into administration.

The heavily indebted maker of Waterford crystal, one of Ireland's most famous brands, also asked on Monday that its shares be suspended from trading on the Irish Stock Exchange after failing to buy more time from creditors.

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経済危機が2009年中に終息するとは到底考えられない明確な理由【野口悠紀雄コラム】

多くの予測がオバマ政権による経済刺激策に期待を寄せ、これによってアメリカの景気が回復すれば問題は終息するとしている。しかし、アメリカの景気回復は輸入を増大させ、経常収支赤字を拡大させる。したがって、「経常収支の縮小が問題終息の基本条件」という立場からすれば、むしろ逆行措置となるわけだ。

2009年世界経済が「100年に一度の危機」を乗り越えるために

“現代版ニューディール政策”期待も
景気が悪化し過ぎると効果は望めず!

 だが問題は、経済政策が期待したほどの効果を生むことができるか否かだ。すでに、米国やわが国では、事実上のゼロ金利政策が採られている。しかし、90年代以降のわが国のケースを振り返ると、ゼロ金利政策の効果は限定的だったと言わざるを得ない。

 金利が下がることによって、お金を借りている人や企業=債務者の利息支払い負担は軽減されるものの、経済全体に与える好影響が少なかったからだ。

 金利がいくら低下しても、景気がさらに落ち込むことが予想されると、企業経営者が資金を借りて新しいビジネスを展開することは考え難い。一方、家計も、雇用や所得環境が一段と落ち込むと思うと、「お金を使わず、将来の困難を乗り越えるために貯金をしよう」という気持ちになる。それでは、消費は盛り上らない。

 つまり、景気が本当に悪化し切ってしまうと、金融政策の効果には大きな期待ができないということなのだ。

 頼みは減税や公共投資などの「財政政策」になるのだが、それもすぐに目立った効果を上げることは難しい。米国で大規模な減税をしても、昨年末にかけての雇用環境の悪化を考えると、人々のマインドが短期間のうちに顕著に好転することはないだろう。一度冷え込んだマインドが氷解するには、時間がかかることは間違いない。時間をかけて、ゆっくりと政策効果が目に見えてくると考える方が現実的だ。

 また、わが国の景気対策を例にとっても、実際に給付金が家計に届くのは今年4月以降になる。それが消費に反映されるまでには、少なくも数ヵ月はかかると見たほうがよい。その間、欧米の大手金融機関の破綻などが現実的になると、戻り始めたマインドが再び冷やされることも懸念される。楽観的な見方は禁物なのである。

そこで、“100年に一度の危機”を乗り越えるため、必要不可欠な対応をもう一度まとめてみよう。まず、「初動動作」として最も必要なことは、金融機関が背負っている重荷=不良資産の内容を明らかにすることだ。

 いつまでも不良資産を隠し続けていると、「あの銀行は不良資産を隠し続けている」という風評が立つ。それが市場の疑心暗鬼を誘発して、金融市場の機能正常化を妨げる可能性が高く、いつまでたっても問題解決へと進むことができない。各金融機関は、抱えている重荷を潔く開示すべきだろう。それを行なってこそ、危機克服へのスタートが切れるのである。

 次に必要なことは、政府=公的機関の迅速な政策対応だ。わが国の例を振り返ると、経済を立ち直らせるためには、金融機能の本格的回復が必須の条件だった。

 そのためには、「金融機関のバランスシートから不良資産を切り離すこと」と、「金融機関への資本注入」といった2つの政策が必要になる。それは、かつて世界中で起きたバブルの後始末の過程で、必ずと言ってよいほど行なわれていることだ。

危機を乗り越えるには時間がかかる
対策が遅れれば金融機関の破綻続出

 問題は、それらの政策を迅速に打てるか否かだ。政府の意思決定が遅れると、金融市場は悠長に待ってはくれない。特に、マーケット機能を基礎とした欧米の金融システムにおいては、政府が少しでも“スキ”を見せると、市場は容赦なく弱った金融機関の株式に売りを浴びせるだろう。そして株価が急落したところで、市場での資金調達の道が断たれて破綻に追い込まれることになる。

 それは、あたかも弱い獲物をよってたかって“エサ”にする狩猟民族の姿にも似ている。その意味では、任期切れが近づいたブッシュ政権に頼らざるを得なかった米国は、不幸だったかもしれない。

 いずれにせよ、今回の危機を放置したまま市場の“自然治癒力”に頼ることはできない。それでは時間がかかりすぎて、世界経済が失うものが大きすぎるからだ。

 ただ、今回の危機が未曾有の規模であったことに加えて、グローバル化などによってその伝播速度が信じられない速さだったことを考えると、「危機を乗り越えるまでには、いまだ時間を要することだけは確か」と見るべきだろう。おそらく09年は厳しい年になる。

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*** JP Morgan の決算関連NEWS、要注視 第4クオータ、赤字転落か***

JPMorgan Chase & Co

米商業銀行のローン損失、3%へ拡大の見通し=ドイツ銀行

 ドイツ銀行は、不良債権の割合増加などにより、米商業銀行のローン損失が2010年末までに3%へ拡大するとの見通しを示した。

 米商業銀行のローン損失は、2008年第3・四半期時点で1.5%となっている。

 損失水準は、景気循環の下降期に一段と顕著になるモーゲージをめぐる状況に加え構造上のリスク悪化を背景に、大恐慌下の1934年に記録した3.4%を上回る可能性もあるという。

 ドイツ銀行は、各行の資本増強が損失への緩衝に十分でない可能性があるとし、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)を含む商業銀行大手16行について、業績見通しを引き下げた

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BloomBergコラム 信じる、信じない?09年のアジア大予測-W・ペセック

忌まわしい1年がようやく終わったという安堵(あんど)感とともに2009年の年明けを迎えた。1920年代以降に生まれた人々の多くにとって、2008年は最もひどい経済苦境の1年だった。09年の年末までに、事態は一段と奇想天外でこっけいなものとなるかもしれない。今年のアジア地域で予想される重要事項カレンダーを作ってみた。

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米の景気対策、2月にずれ込みか

08年米新車販売、史上初「ビッグ3」シェア5割切るTky200901060090 Tky200901060283

「レッドダグ(赤札)」―。社員割引価格を一般客にも提供した店もあった=ニューヨーク市内のGMの販売店

1月ユーロ圏投資家信頼感が7カ月ぶりに改善

米経済:民間部門に景気回復のエンジンなし-前代未聞の政策頼み

第二次世界大戦後、米経済を毎回、リセッション(景気後退)から立ち直らせてきた民間部門の成長のエンジンは今回、その役割を果たせそうにない。

米国では在庫積み増しや家計支出、住宅建設や雇用拡大が、多かれ少なかれ1945年以来、景気回復に寄与してきた。だが、2009年の大半に関し、その効果を見いだすことは難しいだろう。売れ残り住宅の山で、住宅市場は引き続き圧迫される可能性が高く、貯蓄の落ち込みは消費にマイナスになる。企業も利益が圧迫されている間は、在庫積み増しや雇用に消極的だろう。

  ゴールドマン・サックス・グループの米国担当チーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏は、「民間部門で景気を確実にけん引するものはない」と話す。結果として、景気回復はいずれにせよ低調で、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が打ち出している超低金利政策やオバマ次期大統領による追加の財政出動に大きく依存することになる。

  オバマ次期大統領は3日、週間ラジオ演説で、経済危機が深刻化する中で、「われわれが迅速かつ大胆に行動しなければ、景気下降は一段と深刻になり、失業率は2けたとなる恐れがある」と警告した。

UBSセキュリティーズによれば、米国内総生産(GDP)は今年1-3月(第1四半期)に年率3%のマイナス成長となる見込み。08年10-12月(第4四半期)はマイナス4.5%成長だった。

「政策の電撃作戦」

同社のシニアエコノミスト、ジェームズ・オサリバン氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は、FRBとオバマ政権による前代未聞の「政策の電撃作戦」で今年4-6月(第2四半期)に米景気悪化に歯止めがかかる可能性を指摘する。ただ、7-12月(下期)の景気回復は弱く、7-9月(第3四半期)の成長率が1.5%、10-12月期が2%にとどまるとの見通しだ。信用逼迫(ひっぱく)が消費者と企業を圧迫し続けるという。

これは過去の景気回復過程と大きく異なる。従来なら、民間部門の堅調な復活が成長を支えた。1973-75年に1年4カ月続いたリセッションとその後の回復期には在庫動向が大きな役割を果たした。企業は74、75両年、需要減に対応し在庫を削減。その翌年は急速に積み増しした。これが76年のGDPを1.4ポイント押し上げることになり、21年ぶりの大幅な寄与度となった。

83年には個人消費と住宅部門が景気をリセッションから立ち直らせた。需要が積み上がり、自動車と住宅の購入が急増した。雇用も大きく伸び、9月だけで110万人分の雇用創出があった。92年には住宅部門が再び大きな支えとなった2002年は住宅建設と個人消費が景気回復に控えめな役割を演じた。だが今回は、こうした景気支援材料を目にすることはなさそうだ。

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2009年1月 4日 (日)

NY、幸先良いスタート。オバマ・ラリー!!

NYは好スタートを切った。2008年の株価急落を受け、リスク回避志向を強めた投資家が現金化に動いた結果の行き場を失った資金「数兆ドル」の行方は?オバマ・ラリーが起こるのか?

--- インド特集 ---

インド特集】価値、利益共有で日印関係密接化

【インド特集】失速感漂うも巨大市場に期待

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インド特集】“巨象”はどこへ インド、多様性の光と陰

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不況の米国、対中ジレンマ ワシントン・古森義久

新年の米国にとって主要課題の一つは中国にどう対処すべきか、だろう。とくに深刻な経済不況からの脱却という最重要目標のうえで中国に何を期待するかは、オバマ新政権にとっても切迫する緊急課題だといえよう。その前提には中国がいまの不況にどう出てくるかの読みが必要となる。

---中略---

中国マネーが米側の特定分野で量を増すことへのジレンマのような懸念だった。具体的には中国は

  1. 米側の債券や証券の大量保有を中国が反対する米側の政策へのテコに利用しかねない(中国政府高官は米国の対中貿易制裁や人民元レート操作非難への対抗策として米国債の大量売却などを示唆した)
  2. 米側の自動車など衰退産業の株式大幅取得によりその企業の技術や知的財産を中国側に移転する危険がある
  3. 米側の大企業の主要株主になると、米国内での政治的な影響力が巨大となり、国家安全保障にも影を投げる(最近、中国側が米国の石油企業や防衛関連ハイテク企業を取得しようとすると、米国の議会や政府機関までが反対した)

-ことが予測されるというのだ。

*** 中国が米国債の大量売却する場合、中国の次に米国債を保有している日本は、米国以上の影響を受けるだろう!! ***

欧州でガス供給が減少 懸念高まる

ガス戦争」長期戦も辞さず ロシアとウクライナ

インディマックの銀行を投資家グループに売却 米連邦預金保険公社R20

NY株、年明け急伸 2カ月ぶり9000ドル台回復R21

米財務省、「シティ型救済」で指針

米財務省は2日、不良資産から生じる損失を政府が負担・保証するなど、米銀大手シティグループへの対応と同様の救済策を金融機関に適用する際の指針を発表した。金融システムの中核を担う重要金融機関の破綻(はたん)を公的資金で回避する姿勢をあらためて示した格好だ。

 指針によると、シティ型の救済策が適用されるのは「(対象となる)金融機関の信用が失われ、重大な市場混乱を招く可能性がある」場合で、どの金融機関を対象とするかは個別に判断する。救済を受ける金融機関は、見返りに経営陣の報酬などで制約を受ける。

 昨年11月のシティ救済で米政府は、同行の3060億ドル(約28兆2000億円)の不良資産から将来発生する損失を部分的に負担することや、200億ドルの追加資本注入を打ち出した

米株市場、オバマ政権の景気対策で10―20%上昇もR22

米国株式市場は2008年に過去数十年で最大の下落を演じたが、09年はオバマ次期大統領が率いる新政権と新たな景気刺激策によって相場が上向くと市場関係者は期待している。

 S&P総合500種指数は2008年に38.5%下落した。投資家は2009年の展開について、巨額の待機資金が株式市場に再び流入し、10─20%の上昇が期待できると見込んでいる。

 オバマ新政権が大規模な景気対策を打ち出すとの期待感から、株式市場では「オバマ・ラリー」を見込む声も聞かれる。新年を迎えて株式市場がいきなりV字回復するとは考えにくいものの、アナリストらは相場が持続可能なペースで上昇すると楽観視している。

 ペイデン&リゲルの株式戦略責任者、クリス・オンドーフ氏は「企業収益に対する期待は非常に低いが、株価バリュエーションも低く、政治的変化がきっかけとなる可能性がある。(株価は)第1・四半期に底を打ち、2009年を通して上昇が続くだろう」と指摘。その上で、2009年はS&P500種指数が20%上昇すると予想し、米株市場が非常に力強い展開になる可能性があるとの見方を示した。

 トムソン・ロイターの統計によると、アナリストは米企業の利益について、2008年第4・四半期が1.2%減、2009年第1・四半期が9.5%減と予想している。

 オバマ次期大統領は先に、1月20日に就任した後の優先事項は、大規模景気刺激策への署名だと表明。300万人の雇用創出を目指す景気対策は、総額7750億ドルもしくはそれ以上の規模になるとみられている。

 オバマ氏が財政支出の対象としてインフラ投資を挙げたのを受け、一部のアナリストは、機械大手キャタピラー(CAT.N: 株価, 企業情報, レポート)などインフラ関連銘柄を株価上昇が見込める筆頭候補に挙げた。2008年にキャタピラー株は34%下落した。

 そのほか市場をリードする可能性があるセクターとしては、潤沢なキャッシュフローを持ち、景気の波に左右されにくい医療品など、典型的なディフェンシブ銘柄も挙げられている。

 <新しい年に新しい大統領>

 オバマ次期米大統領による財政出動は、米連邦準備理事会(FRB)の一連の積極的な危機対応を後押しするとみられる。

 ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン最高運用責任者は「すべての財政政策と金融政策がいったん勢いを増せば、株式市場はリバウンドすると強く思う」と述べた。アブリン氏はS&P500種指数が2009年に15%上昇すると予想している。

 2008年の株価急落を受け、リスク回避志向を強めた投資家が現金化に動いたことで、アナリストらは行き場を失った資金が「数兆ドル」あるとみている。

 S&P500種指数は現在、予想利益を基に算出した株価収益率(予想PER)が12.5倍と、1年前に比べてバリュエーションが低下している。

 アナリストらは、割安な株価と行き場を失っている豊富な資金が、2009年の相場回復を後押しすると指摘する。

 S&P500種指数は11月20日に1997年以来の安値を付けたが、そこから年末までに約18%戻した。関係者の間には株価が底を打ったとの見方もあったが、1997年以来の安値を割り込んでさらに下落するとの予想もある。

 いずれにしろ、2008年の下落分をすべて取り戻すには数年かかるとみられる。

 ペイデン&リゲルのオンドーフ氏は「2008年に失った分を取り返すには4年かかる。2009年はその4年のうち最善の年になるだろう」と語っている。

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2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった 2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった

著者:船井 幸雄(著),櫻庭 雅文(インタビュー)
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ユーロ」10年 EU各国の明暗

 中・東欧の新規加盟の10カ国のうちでは、「経済の優等生」とされてきたハンガリーが経済危機で国際通貨基金(IMF)からの資金注入を受け、「財政赤字は国内総生産(GDP)の3%以下とする」と定めたユーロ参加の条件をクリアできず、参加延期を余儀なくされた。ポーランドは参加目標年を2012年、ルーマニアも14年に設定して努力してきたが、世界的不況の前でこうした夢もかすれがちだ。

 一方、スペインはEU加盟国の中でもこの数年、高度成長を続けてきたが、成長率が落ち始めたところに金融危機の打撃をもろに受け、「ユーロを維持していけるのか」などの声が漏れている。

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2009年1月 3日 (土)

ニューディール計画

冷戦終結から20年 「経済グローバル化」危機 黎明の光はいつ差すのか

米国株式市場、2008年は大恐慌以降最悪

雇用創出は医療・介護重点に…政府がニューディール計画

雇用情勢の急激な悪化に対応して政府が策定する「雇用ニューディール(新規まき直し)計画」(仮称)の全容が31日、明らかになった。

 人手不足が指摘される医療・介護分野の資格取得を支援するなど職業別に雇用創出を図る。失業の急増が問題化している非正規雇用者については、職業訓練にかかる費用の給付と訓練期間中の生活資金支援の拡充に取り組み、労働条件などを巡る権利を守るための法制度の見直しを検討する。

 国、地方自治体の行政機関で臨時雇用を増やす一方、林業の担い手を養成する「緑の雇用」を再開・拡充する。失業急増の主因である企業倒産を防ぐため企業の事業再生を支援し、失職した労働者に対する雇用保険による職業訓練費用の給付も対策に盛り込む。

 また、仕事と育児の両立を支援するため、日本では最長1年半、給与の30%にとどまっている育児休業者への所得補償を段階的に引き上げ、育児休業制度の充実を目指す。

 産業再生機構の設置と一体的に実施され、2008年9月に終了した企業や失業者向けの「雇用再生集中支援事業」の再開も検討する。

 政府は08年12月に140万人の雇用を下支えするための対策を打ち出したが、新対策は戦略的な雇用創出が特徴だ。政府は七つの成長分野に重点投資する「未来開拓プラン」(仮称)の具体策を、経済財政諮問会議(議長・麻生首相)で今春までにまとめる方針で、新たな雇用対策はその柱になる。

 財源は09年度予算案に盛り込んだ「経済緊急対応予備費」(総額約1兆円)などを活用し、一部は09年度補正予算での手当ても検討する。

          ◇

 「雇用ニューディール計画」の骨子
〈1〉医療、介護、農業など職種別に雇用創出計画を策定
〈2〉リストラに伴う失業者の再就職を助ける「雇用再生集中支援事業」を再開
〈3〉林業就業を促す「緑の雇用」事業を再開・拡充し、国や自治体、関係機関も臨時雇用の場を提供
〈4〉非正規雇用者の権利保護法制を検討
〈5〉育児休業者への所得補償を段階的に引き上げ、世界最高水準の育児休業制度を目指す
〈6〉起業後の法人税軽減や家庭菜園への農地貸与で高齢者を支援

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景気サイクルと株価の関係について

リセッション期のポートフォリオ

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2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった 2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった

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2008年12月29日 (月)

凄腕投資家、買収先を物色。最優秀投資先は、

米投資機関の2009年予想「最優秀“投資先”は中国」

米調査機関EPFRグローバルの調査によると、米大型投資機関のフランクリン・テンプルトンやブラックロック、シュローダーGB-SDRなどが新興市場向けに投じた約630億米ドル(約5兆7000億円)の内、約15%が中国株式に投入され、韓国やブラジルなどの新興市場の比重を上回り、過去13年で最も高い水準になることが明らかになった。中国経済網が26日付で伝えた。

  米証券会社メリルリンチ社も、中国政府が先日公表した、4兆元(約53兆円)の経済振興策が中国市場を活性化させると予想し、「2009年で最も良好な新興市場は中国」と発表した。同社はさらに、中国移動(チャイナモバイル)や神華能源、中国平安などの銘柄を、健全な財務体質と収益能力の向上の点から「世界で最も見通しの明るい20社」に選出し、選出銘柄の株価上昇も予想した。

  投機筋の関係者は「現在の中国には、高い貯蓄率と良い経済刺激策がある。商品の価格も安定傾向にあり、多くの要素が中国の株式市場に有利に働くだろう」と述べ、2009年の動向に期待感を示した

ブラジル大企業、デフォルト危機

夜間の空爆で6人死亡 ガザ、死者298人に

Family in Gaza's Rafah refugee camp
Israeli jets bomb a university in the Gaza Strip, as air raids against Hamas continue for a second day.

銀行破綻、史上最悪規模に=08年、金融危機を反映-米国

金融危機のあおりで、米国では今年、財務力が弱い中小規模の銀行の経営破綻(はたん)が続発した。12月20日までに破綻した25行の総資産は計3700億ドル(約33兆円)を突破。統計が残っている1934年以降では最悪の規模だ。

米景気対策、長期的視野が必要=サマーズ次期NEC委員長

 サマーズ次期米国家経済会議(NEC)委員長は、個人消費を促すためだけに公的資金を使うことは短絡的な間違いであり、即時の雇用創出と長期的な投資ニーズの双方に対応する政策が必要だとの認識を示した。

 28日付ワシントン・ポストに掲載された寄稿で明らかにした。

 サマーズ氏は「現在の危機下では、過少な対応のほうが過剰な対応よりも大きなリスクをもたらす」と指摘。「一部では、雇用創出と長期的な成長のための投資の双方を試みるよりも、消費支出を生む短期的な政策にのみ焦点を絞るべきとする声もあるが、こうしたアプローチこそ、われわれが現在直面している問題の一部を引き起こすことになった」とし、「中間層と米経済を長期的に強化するためには、こうしたアプローチこそ拒否しなければならない」と主張した。

 オバマ次期米大統領は、就任後の最優先課題として景気対策法案への署名を挙げており、同氏の顧問らは、早急な承認に向けて米議会との協議を重ねてきた。

 バイデン次期副大統領は23日、次期政権が打ち出す景気対策について、議会側との合意が「非常に近い」と述べた。政府関係筋によると、景気対策の規模は向こう2年間で6750億─7750億ドルに上る可能性がある。

貿易大寒波、凍りつく港湾 輸出業者ピンチ 各国政府が支援200812290026a1

静止したクレーン、まばらな運搬車、そして岸壁に係留されたまま波に揺れる貨物船…。

 米カリフォルニア州ロングビーチ港の運営責任者、クリス・ライトル氏は展望デッキの高みから世界経済の現状を象徴する光景の一つを眺めながら「こんなことは今まで一度もなかった」と、肩を落とした。

 ◆落ち込み過去最悪

 リセッション(景気後退)で消費が鈍化し、金融危機で輸出業者への融資が締め付けられるなか、北米から欧州やアジアへと向かう貨物船の数が減少している。

 世界銀行は、2009年の国際貿易量を1971年の調査開始以来、最大の落ち込みとなる2%超の減少と予測している。

 世界中の活気を失った港湾を見れば、経済の崩壊が、どれほど素早く世界に波及するかがよく分かる。米西海岸の港湾労働者で作る米太平洋海事協会(PMA)の責任者、ジム・マッケナ氏は「誰もが来年の見通しは暗いと考えている。再来年も似たようなものだろう」と語る。

 モザンビークの港には石炭が山と積まれたままだ。11月はブラジルの自動車や家電製品輸出が落ち込み、シンガポールのコンテナ取扱量は前月比1.5%減少した。取扱量の減少は、過去7年間で初めてだ。

 海運コストの指標、バルチック・ドライ指数は最高値をつけた今年5月から93%も下落。貿易業者が今後も輸出が低調に推移するとみていることを裏付けた。貿易の低迷は、日米欧経済が第二次世界大戦以降、初めて同時に景気後退局面入りした原因でもあり、結果でもある。

 この10年間、貿易は年率12%の伸びを続け07年には13兆6000億ドル(約1235兆円)規模にまで拡大した。

 しかし、今や融資の抑制と最終需要の減退が、54兆ドルに上る世界経済の4分の1を占める貿易を圧迫している。

 1970年代初頭からスイスのジュネーブで貿易アナリストとして活躍しているマイケル・フィンガー氏は「世界は今、劇的な逆転現象の中にある。私は、この業界に長いが、こんなことは極めてまれだ」と語った。

 ◆資金調達、難しく

 世界最大の輸出国ドイツの10月の輸出は前月比で0.5%減少した。減少は過去半年で4度目。中国の11月の輸出は前年同月比2.2%減と、7年ぶりに減少に転じた。各国政府や国際金融機関は輸出業者に支援の手を差し伸べている。中国と米国は、輸出業者に200億ドル規模の支援を表明。世界銀行は、新興国企業に融資している金融機関への資金供給額を3倍に増やしている。韓国は、輸出業者のドル不足を緩和するために160億ドルの供給を約束した。

 米国輸出入銀行の幹部、ジェフ・アブラムソン氏は「輸出業者への資金供給に、さらに力を入れる。融資がなければ、金融危機が実体経済に影響を及ぼすだろう」と指摘した。

 英銀大手HSBCが11月に発表したリポートによれば、過去数カ月の貿易関連の資金調達コストは、金融危機以前に比べ6倍以上に跳ね上がったという。

凄腕投資家、買収先を物色 金融機関「適切な運営」に自信

 「手がけた案件はすべて見違えるように生まれ変わる」ー。著名エコノミストからそう言われる億万長者がいる。テキサス州のジェラルド・フォード(64)氏だ。自動車メーカーとは関係ない。氏は6年前に再建したカリフォルニア州の貯蓄貸付組合(S&L=地域金融機関)ゴールデンステートをシティグループに売って億万長者となり、今は金融危機に乗じて新たな買収対象を物色している。

 フォード氏は、「金融機関が経営難に陥った時代はあったし、今も経営に苦しむ銀行があふれている。投資家として正当な投資を手がけたにすぎず、経営者として適切な運営をする必要がある」と語った。

 フォード氏は1975年に金融業界に足を踏み入れた。80年代のS&Lの破綻(はたん)急増と預金保険システム危機による銀行淘汰(とうた)で名をはせた。億万長者のロナルド・ペレルマン氏(化粧品大手レブロン会長)とともに、債務超過に陥った5つのS&Lを買収して「ファースト・ジブラルタル・バンク」を設立、92年に売却した。売却資金の一部で、94年にフォード・モーターから「ファースト・ネーションワイド・バンク」(サンフランシスコ)を買い取った。両氏は不動産関連の不良債権で赤字体質だった同行を黒字化し、州全体を網羅するS&Lに再生した。「ファースト・ネーションワイド」は、98年に「ゴールデンステート・バンコープ」と合併、「ゴールデンステート」の名を残して全米2位のS&Lにのし上がった。

 2002年にシティグループは「ゴールデンステート」を53億ドルで買収し、フォード氏は2000万強のシティグループ株式を取得。翌年シティ株は38%上昇、保有株は10億ドルを上回った。氏はその後、大半の株を1株あたり45ドルの高値で売却した。

 FRB(連邦準備制度理事会)は銀行法に基づいて1956年から投資会社による銀行への出資上限を議決権の9.9%(発行済み株式全体の25%)とし、投資会社が銀行持ち株会社にならない限り経営支配権の取得を制限してきた。だが、今年25社の金融機関が消滅し、171社が危機にある中、米当局は50年ぶりに規則緩和に動いた。FRBは9月、投資会社などによる銀行や銀行持ち株会社への出資上限を議決権の15%(同33%)に緩和する措置を発表した。

 投資会社JCフラワーズの創始者、クリストファー・フラワーズ会長個人がミズーリ州の地方銀行を買収、米通貨監督庁(OCC)の認可を受けたのが変化の起点だ。フォード氏はOCCとカリフォルニア州当局の勧めで、OCCの「仮認可」制に申し込み、11月21日に「仮認可」第1号を与えられた。

 フォード氏には、金融システムが苦境に陥り、自分はカネを稼ぎながらシステムの回復を支援するリソース(人的資源や財源)があることを確信している。氏は、「国が、金融システムが、市場が不安になり、またそうなって当然だ。金融機関の健全化こそ経済全体を動かす必要条件だ」と語った

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2008年12月28日 (日)

オバマ流公共投資の成算は?

NBオンラインから

オバマ流公共投資の成算は?「速度」を優先するあまり「効果」が上がらない恐れも

脱パニックは必至、悪材料に反応薄の潮目

「恐慌」正面突破~危機の教訓

米国への投資、ローリスク・ハイリターンの虚

“ローリスク”の金融派生商品の輸出

 しかし、これはマドフ氏だけの問題ではなかった。近年のウォール街の活況は(少なくとも筆者が理解する範囲では)、ローリスクの筋書きを海外投資家に売り込むことで成り立っていたと思われる(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年11月5日「金融危機の問題は“信頼の危機”にあらず」)。

実際、近年の新手の金融商品の大半は、米国外の投資家が、“安全に”米国へ投資できるようにする目的で開発されたものだ。

 外国為替デリバティブ(金融派生商品)市場の目覚ましい成長によって、海外の投資家は為替相場の変動による損失を避けられるようになった。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、米国外の債券投資家を各国の事情で生じる問題から保護する手段として、取引が急速に拡大した。さらに、高リスクと低リスクに分類できる債権を分散して組み込んだ証券化商品によって、海外に販売する低リスクの投資商品の供給が拡大した。

 こうした対米投資のローリスク・ハイリターンの謳い文句に世界中の投資家が引き寄せられた。旧リーマンが金融商品「ミニボンド」を香港で20億ドル(約1800億円)も販売したのはその一例で、購入者の中には退職した高齢者も多くいた。

 だがローリスク・ハイリターンのうまい話など、そもそも虚構に過ぎなかった。そう言える主な理由は2つある。

 第1に、米経済はイノベーションの最先端にあると謳われていた。技術進歩によるイノベーションは、本来、極めてリスクが高い。成功することもあればうまくいかないこともある。1990年代後半のように、イノベーションへの投資が期待通りの成果をもたらせば、経済の発展が期待できる。

 しかし近年、イノベーションは期待したような成果を上げられていない。バイオ技術やナノ技術の分野はまだ十分な商業的成果をもたらしてはいないし、代替エネルギー分野での技術革新の動きも鈍い。結果として期待された投資利益は上がらず、負債だけが膨らんでいった。

行き過ぎた米国の金融規制緩和

 ローリスク・ハイリターンが虚構である2つ目の理由として、米国の金融監督規制が機能していなかったことが挙げられる。ここで思い起こすべきなのがマドフ氏の投資詐欺事件だ。マドフ氏は、仕組みがよく分からない金融工学に基づく複雑な国際証券化業務を手掛けていたわけではない。政府の監視の目が届かない中で、同氏は昔ながらの「ネズミ講」方式の手口で資金を集めていたと見られるのだ。

 では、次に何が起こるのだろうか。虚構は破綻した。今後は、グローバリゼーション本来の姿――ゲームにはリスクがつきものだということ――が明らかになるだろう。
 
 そして今後の米国の繁栄は、イノベーションの成否にかかっている。決して海外の投資家に虚構を信じ込ませる能力にかかっているわけではない。

低迷する欧州市場の有望株は?

LVMHは売上高の約半分をドルまたは円建てで計上

 為替相場の変動で勝者が生まれる場合もある。仏高級ブランド大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの株価は、ロシアや中国などの主要市場の低迷を受け、9月以降約30%下落。2009年の予想売上高伸び率も、わずか3%にとどまる。

 だが、英HSBC(HBC)の予測によれば、利益は6%の増加が見込まれている。LVMHの売上高の約半分がドルまたは円建てで計上されているためで、両通貨ともユーロに対し急上昇しているからだ。

 このように、中には魅力的な投資対象もあるが、今はまだ辛抱の時だ。米モルガン・スタンレー(MS)の欧州株価チームの予想によると、欧州企業の収益は2008年には14%、さらに2009年には33%の減少が見込まれている。

 モルガン・スタンレーは顧客に対し、「まず、現金の保有割合を高くすること。次いで、ディフェンシブ銘柄(景気動向に左右されにくい銘柄)を中心に購入し、景気循環銘柄は慎重に吟味した数銘柄に抑えること」を勧めている。

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2008年12月27日 (土)

底入れ 来年中なら幸運、Holiday sales plummet

底入れ 来年中なら幸運 失敗すればデフレ、恐慌の危機

経済は拝金主義から恐怖へと急転換している。過去最大の米財政赤字が発表されても、実質金利ゼロの国債が発行された。米株式相場は急落、投資家の資産7兆6000億ドルが吹き飛んだ。

 ワコビアのジョン・シルビア主席エコノミストは、『サイコ』(ヒチコック監督)でヒロインが刺殺される象徴的なシャワー・ルームのシーンに例え、こう表現する。

 「金融ニュース放映中は、キーッと高音バイオリンのサウンドトラックが聞こえてくるみたいだ。今回は資産が排水溝に流れて消えていった

 これまでに世界中の金融機関がほぼ7050億ドルの損失を計上、22万人弱を削減した。

 「100年に1度の問題に直面している。世界的な広がりと規模はかつてない大きさだ。深刻な景気低迷に直面しており、何をどうしようと景気回復は遅れる。課題は、その期間を数年にとどめ10年単位としないことだ」。ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は悲観的な見解をしている

Holiday sales plummet クリスマスセール、真っ逆さまに落ち込む!!

Photo Go to Article  Shoppers are pictured at the Glendale Galleria shopping mall on Black Friday in Glendale, California November 28. REUTERS/Fred ProuserRetailers' sales fall as much as 4 percent during the holiday season, as the weak economy and bad weather creates one of the worst holiday shopping climates in modern times. 

マスターカードSpendingPulseによると年間売り上げの40%を占めるクリスマス商戦の状況は

  • アパレル20%減
  • 女性衣料22.7%減
  • 紳士服14.3%減
  • 靴13.5%減
  • 家電26.7%減
  • 高級貴金属、皮革製品34.5%減

LONDON (Reuters) - Shoppers were expected to make the most of record discounts in stores on Friday, with retailers looking to make up for dismal trading in the run-up to Christmas as the country headed towards a recession. 

ロンドンでは70%-90%引きと記録的な割引セール!!そこまでしないと年を越せない?

高級紳士服、不況で“たたき売り”

 ≪4割引きなら買い得≫ 200812260010a1

 高級百貨店が商品の値段を下げ始めたのは今年9月。市場が縮小するなか、各社がシェアを広げようとしたことで価格競争に突入した。サックスでは半額の商品も提供。買い物合計で7割引になるものまである。

 まずは自主企画のPB(プライベートブランド)商品からセールになり、最後の最後に値下げされるのが高級ブランド品だとステロさんは指摘。バーク氏は「バーゲン熱に浮かされて買い物しすぎないこと、そして本当に欲しいものだけを買うことが大切。買うかどうか長時間悩むのもだめ。気に入るものがなければ、無理に買わなくてもよい」とアドバイスする。

 「デザイナーもので4割引なら買い得。しかし、欲しいものがあっても、すぐには買わずに、他の店と比較した方がよい」とソテロ氏。7割引になるまで店頭に残ることは、まずないからだ。バーグドルフ内の伊ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」店では、すでに商品が限度いっぱいにまで値下げされている。

 交渉も大事だ。バーク氏によれば、買った商品を返品し、値段の安い別の店で同じものを買い直す人もいるそうだ。

資産運用を任せたい有名人ナンバーワンは

新世界秩序が導くポストアメリカの未来

証券業界にもリストラ…みずほインベスターズ希望退職募集

みずほインベスターズ証券は26日、全社員約2500人の約1割にあたる約200人の希望退職者の募集を発表した。

 希望退職は1月末まで募る。ほかにも役員報酬の3~25%引き下げなどで、合わせて月約8億円の人件費を抑制する。

 また、外資系の金融機関は、先行して人員削減を進めてきた。人材コンサルティング会社エグゼクティブ・サーチ・パートナーズによると、米大手証券リーマン・ブラザーズが

した9月以降、わずか3か月間で2000人以上が削減された。

高島屋が業績予想を大幅下方修正、消費冷え込みが直撃Japan356419reuters_thum

高島屋<8233.T>は26日、2009年2月期の連結業績予想を大幅に下方修正した。営業利益予想は340億円を240億円(前年比36.3%減)に引き下げた。

 高額商品や衣料品を中心にした消費の冷え込みが百貨店を直撃している。

「架空資産バブル」の崩壊はこれから、BISの積極関与も必要R15

各国中銀、政府を挙げての危機対応が進む中で、欧米金融機関の動揺がなかなか収まらない。7000億ドル(約63兆円)の米不良資産救済プログラム(TARP)は、米金融機関のサブプライム関連不良資産をカバーするには十分な金額のはずだった。

 それでも動揺が続く背景には「架空資産バブル」がまだ潰れていないことがあると識者は語る。

 金融危機が実体経済の悪化をもたらし新たな損失を招いているが、欧米金融機関に対する不信の本源は、彼らが精緻な資産査定を怠っており、隠れた損失がまだ明らかになっていないことにある。

 「かつて山一証券が倒れたときは、負債は資産の100%をわずかに上回る程度だった。だが、リーマンの負債総額は資産の10倍だった。典型的な投資銀行では、資産の過大計上、負債の過小評価が行われている可能性が高い。これまでの資本注入が十分なのか、外部からは知るすべも無い」と、慶應義塾大学商学部の深尾光洋教授はいう。

 90年代後半の日本の金融危機では、1998年から1999年にかけて、金融機関の資産を査定した上で、資本注入の必要性の有無や、破たん処理の必要性などを判断した。しかし、米国は同様の査定を実施していない。

 米国では、Mark―To―Market(時価会計)ではなく、Mark―To―Model(自行に都合の良いモデルを使った会計)やMark―To―Myth(作り話に合わせた会計)が日常化している可能性があるという。

 実際、リーマン・ブラザーズの社債のオークションでは、元本1ドルあたり9セントとなり、91%のディスカウントとなった。資産の内容が劣化した状態で、償還原資が足りなかったためだ。

 <2009年の課題>

 深尾氏は今後の課題として、投資銀行のデリバティブ・ブックを徹底的に検査し、各カテゴリーごとの勝ち負けを明確に出すこと、SIV(ストラクチャード・インベストメント・ヴィークル)など金融機関本体外に置かれている組織についての連結の見直すこと、プライム・ブローカレッジ業務における顧客の預かり資金の担保流用の有無などを明らかにすることなどが必要だという。

 デリバティブの中でもCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は特に評価が難しい。CDSのようなデリバティブは本来ゼロサムであり、勝ちの総額と負けの総額は一致するはずだ。しかし、「現状では金融機関がお互いに甘く評価し合い、総額で大きなプラスになっている可能性がある」と深尾氏はいい、デリバティブ・ブックの勝ち負けの集計にはBIS(国際決済銀行)が主導するべきであると述べる。BISではデリバティブ・ブックの集計を行っているが、総額しか公表していない。

 著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、彼が運営するバークシャー・ハザウェイの2003年2月の年次報告書で、「デリバティブは時限爆弾である」とした上で、デリバティブを「金融界の大量破壊兵器」に匹敵すると表現している。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは19日、ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)、UBS銀(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)、ドイツ銀(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)を含む欧米金融機関11行を、最大で2段階格下げした。理由は金融界に内在するリスクの高まりと、世界的な景気停滞の深刻化が大規模金融機関にとって顕著な収益圧迫要因となっていること。

 同じく米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、ゴールドマン・サックスの長期債務格付けを格下げし、17日にモルガン・スタンレーも格下げした。金融市場の混乱の長期化が見込まれ、厳しい経営環境が続くためだという。

 日本の金融危機時には、金融機関の格付けが低下すると、事業を運営する上でより多くの担保が必要となった。この結果、自己資本比率が高い金融機関ほど、格付けが低いという事態になった。

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景気サイクルと株価の関係について

リセッション期のポートフォリオ

世界経済危機 日本の罪と罰 世界経済危機 日本の罪と罰

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