« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009年6月 9日 (火)

「世界危機」は本当に去ったのか

こんばんは。

更新がままならず、すいません。少しずつペースを戻して行きたい。

コメントについてですが、公開しないことになっていますので、安心して気軽にコメントして下さい。

メールアドレスを記載していただければ、そちらにお返事します。

さてマーケットは復調基調に乗ってきたのだろうか?

ストレステスト、GMデフォルトをこなし、少なくとも最悪期は脱したように感じる。

改めて問う!GMのイベントリスク消滅で「世界危機」は本当に去ったのか

6月1日、77年間に亘って「世界最大の自動車メーカー」として君臨してきた米GM(ゼネラル・モーターズ)が、予測通り米国連邦破産法11条を申請し、ついに破綻した。

 すでに4月末、米国BIG3(ビッグ・スリー)の一角だったクライスラーが破綻して“予行演習”を済ませていたことに加え、米国政府が時間をかけて破綻の根回しを行なっていたことで、懸念された株式市場などへの悪影響はほとんど見られなかった。

 むしろ投資家の間には、GM破綻という不確定な“イベントリスク”が消えたことによる安心感が広まり、その後の株式市場は安定した展開を示している。

 確かに、オバマ政権の入念かつ細心の対応によって、GM破綻というイベントリスクは、実際にはかなり低減されていたと言える。しかし、それで実体経済に対する“下振れリスク”が全て払拭されたと考えるのは、適切ではない。

 中長期的にみると、この破綻によって、いくつもの“リスク・ファクター”が顕在化しているからだ。そのリスク・ファクターとは、主に3つに分けて考えるとわかり易い。

 まず1つ目は、今後の「GM再建プログラム」のなかで、従業員やディーラーの整理が進むことだ。それは、今後米国の家計を取り巻く雇用・所得環境の悪化につながる。

 2つ目は、本当にGMを再生することができるか否かだ。破産法11条を申請して再生を目指しているGMだが、仮に再生できない場合には、今度は「破産法7条=企業清算」という最終手段が待ち受けている。

 そして3つ目は、米国政府の信用力の問題だ。米国政府がGMの再生を積極的に支援するということは、事実上、政府がGMの信用を肩代わりすることに他ならない。

 果たして、米国政府の信用力はその重みに耐えられるだろうか。今後、米国政府の信用力に疑念が生じるようだと、直近では不安が薄れつつある「100年に一度の危機」が、改めて一段と現実味を帯びてくることにもなりかねない。

…中略…

もう1つ、忘れてはならないポイントがある。それは、米国自身の信用力の問題だ。つまり、米国の信用力に陰りが出ることが懸念されるのである。その兆候は、少しずつ見え始めている。

 格付け会社が英国の格付けについて言及すると、世界の金融市場では、「次は米国か」という声が上がった。それに伴って、米国債の金利水準は上昇傾向を辿りつつある。

 米国自身の信用力に揺らぎが出ると、長期金利上昇のパスを通して、米国経済にとっては致命的な影響が及ぶことが考えられる。それが現実味を帯びてくると、“100年に一度の金融危機”が本物になることさえ懸念される。

 サブプライム問題が顕在化して以降、米国政府は一貫して、民間の金融機関や大手企業を積極的に支援して来た。政府には、それ以外の選択肢がなかったのである。そのプロセスを通して、米国政府は民間部門の債務を肩代わりすることになった。

 しかし現実問題として、米国政府は無限の財力を持っているわけではない。ただでさえ、米国財政は大赤字に陥っている。にもかかわらず、政府が民間企業を支援すると、どうしても国債の発行に頼らざるを得ない。

 ところが米国内には、国債増発を消化するために十分と言えるほどの資金がない。そのため、海外投資家に国債を買ってもらう以外に方法はないのである。

 その海外投資家が、米国の信用力に疑念を持ち始めると、どうしても米国債に対する投資意欲は減殺される。そうなると、米国債の消化に支障が出て、金利が明確に上昇傾向を辿ることになる。

 ご存知の通り、金利が上昇すると、住宅ローン金利などが上昇して住宅に対する需要が減ったり、企業の利息支払い負担を増加させ、企業業績を悪化させることになる。

 また、投資資金、株式市場から高い金利を求めて債券市場へと流れ込み、株価が不安定な展開になることも懸念される。

 さらに金利の上昇は、財政の金利負担を増加させ、国内の財政状況が一段と悪化することも想定される。

 これらはいずれも、米国経済にとって、致命的な痛手になる可能性があるのだ。今回のGM破綻は、そうしたリスクを一段と顕在化させる不安要因である。市場関係者は、もう一度そのリスクを考え直してみたほうがよいだろう。

| | コメント (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »