« 10年先を読む「経済予測力」の磨き方 | トップページ | 欧州通貨危機の再燃は あるのだろうか? »

2009年3月11日 (水)

米株の未来、天国か地獄か

Bloombergから

米シティ株とスープ缶、1ドルで買うならどちらがお得?

AIGの誤った経営判断の犠牲者が充満

AIG破綻なら不況加速 FRB副議長、追加支援後押し

GM“存亡の危機”と認定 年次報告書で監査法人

GE株“はれ者扱い”の悲哀 会社の反論も投資家は無視

米株の未来、天国か地獄か

米国株の行方を占う目安として、これまでの値動きはあまり有効でなくなった。それでもアナリストは過去を振り返ることをやめていない。

 グラフは、ダウ工業株30種平均の1920年以降の推移。過去12年間以上の最安値に下落した例は、今回を含め3回しかない。多くのアナリストが同様のグラフを引用して、市場動向を分析。今後の反発を予想する声もあるが、過去2回の例をみても結論は出ない。1974年に12年ぶりの安値を記録した後は1年で48%上昇。一方17年ぶりの安値となった1932年は、その後3カ月間続落して1897年6月以来の安値まで下がった。

下には下がある? 欧州金利 ECB、さらなる引き下げ示唆

  • 春または初夏までに政策金利は1%となるだろう。ECBは成長率とインフレ率の予想を思い切って引き下げた。市場は今や追加利下げを確実視している

中国発景気回復のウソ 冷え込む輸出、内容薄い4兆元対策200903070028a1

世界が崩壊の危機に迫られようと、中国は力強い成長を遂げることができるとの考えは幻想だ。中国が世界経済を救うとの見方もまた然り。

 世界第3位の中国経済はすでに減速し、2008年10~12月(第4四半期)のGDP成長率は前期比6.8%増だった。他国から見てこれほど高い成長率は申し分なく見える。だが、07年には前年比13%と急拡大した中国の経済発展のレベルからすると、地に落ちた数字なのだ。

 温家宝首相は、5日開幕の全国人民代表大会(全人代)で政府活動報告を行ったが、その際に慎重になりすぎて過ちを犯した。温首相は今年の目標である8%の経済成長は達成可能と表明し、追加の景気刺激策は必要ないと示唆した。これは間違った判断であり、温首相は09年の状況が明らかになるにつれ、後悔の念にかられるだろう。

 世界経済の危機的状況は深刻度を増し、中国経済の原動力たる輸出需要はせいぜい10年に入るまでは回復しないだろう。

 09年に中国経済の回復は見込めそうにない理由として、以下の5項目があげられる。

 1.世界の経済成長はボロボロだ。誇張でなく、ありのままの事実である。IMF(国際通貨基金)は、国際経済見通しの引き下げに後れをとっている。相場急落で巨額の富が失われたことで、各国は財政を使い果たし、消費意欲は冷え込んでいる。国際的な需要回復を望める環境にはない。

                   ◇

 ■重要顧客は不在

 2.中国の重要顧客がいつまでもあらわれない。14兆ドル(約1373億円)規模の米経済の底入れが見えそうだと思った矢先に、FRB(米連邦準備制度理事会)は米景気が1、2月にほぼ全域で「一段と悪化した」と発表した。中国の輸出業者は、海外の売り上げが過去10年余りで最大の落ち込みとなったことに危機感を覚え、政府に人民元相場の引き下げを求めている。唯一確かなのは、米消費者が中国をこの窮地から救うにはまだ時期尚早ということだ。

 3.手だてなし。昨年11月に発表された4兆元(約57兆円)の景気対策が、実態以上に誇張されていたことを忘れてはならない。これまでの対策のまとめが大半を占める。2兆ドルの外貨準備を活用すれば相当大規模な対策を講じられるかもしれないが、金融取引制度が整っていない中国で、期待通りの効果が得られるかは疑問だ。

                   ◇

 ■体制移行に時間

 4.米国債がすべて。資金力のある中国であろうと、新規計画による財政負担は不安要素になりうる。6960億ドルも保有する米国債を売って資金を捻出(ねんしゅつ)すれば、大損を被りかねない上、米リセッション(景気後退)は長引くだろう。

 中国が日本のような不良債権問題、あるいはそれをはるかにしのぐ最悪の事態を回避したいならば、経済効果に疑問が残る大規模な公共工事計画には慎重を期する必要がある。

 5.平静を取り戻すには時間がかかる。米国に貯蓄を根付かせることが必要なように、中国は消費を増やす必要がある。国の安全網を創設し、教育・医療関連支出を増やす必要があり、その過渡期は不安定で10年の年月を要する。体制の移行はかなりの難題だ。G7各国がリセッションに陥り、アジア諸国の景気が鈍化している中で事を迅速に行うのは、非常な困難を伴う。

 温首相は5日、中国は過去30年来で「最も困難な」時期に直面していると発言したが、言い過ぎではない。だがかつてないほど景気が悪化した中で中国経済を上向かせられるというのは誇張にすぎない。温首相は中国が「可及的速やかに景気低迷を脱する」必要があるという。北京の気の毒な政治家は、大概の策は打ったと思っているが、断じてそのようなことはない。

|

« 10年先を読む「経済予測力」の磨き方 | トップページ | 欧州通貨危機の再燃は あるのだろうか? »

景気動向」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 10年先を読む「経済予測力」の磨き方 | トップページ | 欧州通貨危機の再燃は あるのだろうか? »