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2008年12月30日 (火)

2008年の総括 新年以降の「拾いどころ」

NBonline 「金融」読者に読まれたリーマンショック後の金融記事TOP10

リーマンショックに揺れた金融界、プロ注目の話題は金融危機・バブル後最安値の株式市場・不動産相場の崩落(9月15日~12月21日)。

やっぱりおかしいビッグスリー救済

  1. 第1に、何と言っても自由主義経済の原則に反しています。基本的に企業の経済活動は自由であり、いくら儲けても構いません
  2. 第2に、ビッグスリーが消えると250万~300万人に失業が発生するという主張も私には疑問に思えます。
  3. 第3に、ビッグスリーの救済を主張する人たちは、「金融業を公的資金で救済するのだから、ビッグスリーも救済せよ」というロジックを展開しますが、金融業の救済と製造業の救済は経済的に性格が異なる
  4. 第4に、ビッグスリーを救済することは自由貿易の原則に反しています。

市場不安は続くが、割安な道路業界は新年以降の「拾いどころ」に

2008年の総括

 2008年の日経平均は急落した。年間の下落率はマイナス40%程度となり、1967年からのデータでは最悪の年となった。

 2007年8月に「BNPパリバショック」が起こり、サブプライム問題が表面化した。それが2008年に入り本格的に世界中を襲ったのだ。金融資産は急落し、日経平均もその影響を免れなかった。

 まず1月は1万5000円台でスタート、その後は水準を変えながらも1万3000円台前後で推移した。当初はサブプライム問題は早期に事態収拾し、また仮に日米欧の先進国の経済が停滞しても、成長著しい新興国が世界経済を支えるとの「デカップリング(分離)」論が主流だった。

 事態が一変したのは7~8月。3月にJPモルガンが米ベアー・スターンズ買収を発表した頃は「まだ大丈夫」といった雰囲気だったが、米国財務省とFRBが住宅金融公社である「ファニーメイ」と「フレディマック」救済を発表し、米国住宅市場の本丸に火の手が上がった。

 そして9月に米大手証券会社のリーマン・ブラザーズが破綻し、急速に金融市場は冷え込んだ。不信の連鎖は広がり、短期金融市場はドルの出し手が消滅、金利は跳ね上がった。

 その後、10月に米国が金融安定化策を発表、金融機関への公的資金注入、銀行債務の政府保証、預金者保護に踏み切った。世界各国も平仄を合わせ、中央銀行は大幅な利下げを打ち出した。

 それでも株式市場は下げ止まらず、日経平均は10月に騰落率がマイナス23.8%となり、1967年からの月間データでは最悪の下落率となった。

 実体経済にも悪影響は及び、日本では資金繰り難から上場マンションデベロッパーが多数倒産した。12月の日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIは、前回のマイナス3からマイナス24へ大幅減少した。これは1975年に一度あっただけで、過去30年間で最大の悪化幅である。

 米国では、自動車大手3社の経営難に絡む救済法案が迷走している。FRBは実質的なゼロ金利政策に追い込まれた。震源地である米国の動揺は現在も続いている。

 日経平均は結局10月に1万円を割り込んだ後も戻りは鈍く、一時は7000円割れもあったが、結局8000円台で年末を迎えた。

 業種別には、大きく円高が進んだことから、電機、精密、輸送機器、非鉄、海運などが急落した。一方で電力ガス、紙パ、食品、小売などは下落が比較的軽微であった。規模別には大型株の調整幅が大きかった。

2009年注目業界の予報

道路業界は単品スライド制適用で一息つき
「雨」→「曇」

 では、2009年初頭に注目すべき業界はどこだろうか? その1つは、道路業界だ。

 現在、道路業界を取り巻く環境は厳しい。国土交通省の統計によると、民間と政府投資を足した建設投資額は、1992年度をピークに減少、その減少額は40%近い。社団法人日本道路建設業協会の統計では、道路事業費は1998年をピークに減少、こちらも40%を越える減少となっている。

 このような環境下、道路業界の株価が元気だ。業界を代表する前田道路の株価は、10月安値541円を底に12月4日には777円まで43%も急騰した。いったいどんな変化が起きているのだろうか。

 実は、朗報がある。08年9月から、アスファルト合材が「単品スライド制」の対象品目となったのだ。「単品スライド制」とは、公共工事において、特定の原材料価格が契約後に請負金額の1%を越えて上昇した場合、その越えた部分を発注者が負担する仕組み。日本道路建設業協会の要望が実った形となった。

 また、アスファルト合材の原材料であるストレートアスファルトが原油価格の下落を受けて価格が軟化している。「単品スライド制」により、再度の原材料高騰に対しても備えができたこと、ストレートアスファルトの下落により採算改善の可能性が高まったことが、株価上昇の背景だろう。

 これまでのストレートアスファルト上昇時には、十分に販売価格に転嫁できていなかった。2008年3月期の前田道路のアスファルト合材販売事業の営業利益率は、その前の期の6.7%から6.3%に低下している。原材料高が利益を圧迫したと推察される。この利益率が今後は改善していくだろう。

 またPBRが割安であることも評価されたのだろう。前田道路の連結PBRは0.6倍前後。自己資本比率が70%を越えること、営業キャッシュフローも黒字であること、流動比率(流動資産を流動比率で割ったもので、100%以上が安全性の目安)も200%近く、ここまでPBRが低い理由はないだろう。

 建設投資が減少するなか、シェア上昇により売上げを着実に伸ばしていることも評価できる。新年は、前田道路に注目している。

今回のポイント(まとめ)

 08年は未曾有の暴落に見舞われた株式市場だが、新年以降に注目すべき業界は少なくない。道路業界は、建設投資額の減少や道路事業費の削減により外部環境は大きく悪化しているが、アスファルト合材が「単品スライド制」の対象品目となり、原油など原材料高騰に対する備えができている。また足元はアスファルト合材の原材料が低下しており、利益率悪化には歯止めがかかるだろう。小さな工事を積み上げてシュア上昇中の前田道路に注目している。

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