デカップリングできるのか
中国はデカップリングできるのか。
21日の米株式市場で大手銀行シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)が一時24%安の3.58ドルまで下落した。株価下落は5営業日連続。
シティのパンディット最高経営責任者(CEO)は21日の社員との会合で、ビジネスモデルを変更する方針はなく、投資銀行スミス・バーニーを売却する計画もないと語った。
会合の参加者が明らかにしたところによると、同CEOはまた、シティの資本基盤は強く、社員は株価下落にのみ注目するべきでないと語った。
同社のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)による保証コストは上昇し、フィーニックス・パートナーズ・グループによると、5年物の債務1000万ドルに対する保証料は年間47万ドルとなり、前日の39万5000ドルから増加した。
◎世界的金融危機の中国への影響は限定的、目立つデカップリング現象
<薄い中国と米国との経済成長率の連動性>
国際通貨基金(IMF)の推計によると、米国の成長率に対する中国の成長率の弾性値は、アジア各国・地域の中で最も低い0.1%にとどまり、日本の0.3%よりも小さくなっている。これは米国の成長率が1%下がれば、日本の成長率は0.3%押し下げられることになるが、中国の成長率は0.1%しか下がらないことを意味する
- 中国の対米輸出依存度は、見かけほど高くない。中国では、貿易財(輸出入)は国際価格で取引されているが、非貿易財(サービス)の価格が日本など先進国よりはるかに低くなっている。購買力平価(PPP)を考慮したGDPをベースに計算すれば、中国の対米依存度は、日本とほぼ同水準である。
- 中国の対外貿易の半分は加工貿易であり、輸出される製品の中には、国内で付けた付加価値よりも、海外から輸入される部品や中間財が多く含まれている。日本の場合は、輸出に含まれている「輸入コンテンツ」の比率が比較的低い。これを考慮すると、中国の対米依存度は、日本を大幅に下回るはずである
- 中国の金融機関は保有している外貨資産が少なく、今回のサブプライムローンの不良債権化による直接的影響も小さい。
<動き出した景気対策>
- 今年2月に8.7%という12年ぶりの高水準に達したインフレ率(CPI、前年比)は、10月には4.0%まで低下している。金融緩和の余地がさらに広がるものとみられる
- 人民元の切り上げ圧力が収まりつつある。人民元切り下げを含む為替政策の自由度も高まっている
- 減税や支出拡大を通じて景気を刺激する余裕を持っている
- 1.9兆ドルに上る外貨準備を保有しているため、拡張的金融・財政政策を採って内需の拡大を図った結果、経常収支が大幅に悪化しても、直ちに外貨不足に陥ることはない。
<減速しながらも一人勝ちの様相示す中国>
米国発の金融危機の影響を受けて、世界経済は2008年に続いて2009年もさらなる景気の減速が避けられないとみられる。11月に発表されたIMFの世界経済見通し(改訂見通し)によると、2009年の日米欧は軒並みマイナス成長になり、世界経済成長率も2008年の3.7%から2.2%に低下するが、中国は減速基調が続くものの、2009年も8.5%という比較的高成長を維持できると予想される。
中国のGDP規模(購買力平価ベース)が世界の12.0%に当たることを合わせて考えれば、中国による世界経済成長への寄与度は、全体(2.2%)の半分近くに相当する1.02%(8.5%X12.0%)に上ることになる。このように今回の米国発金融危機は、中国がグローバル大国として台頭することを象徴する出来事になりそうである。
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