焦げ付きピンチ! “危険水域”
日本でも金融危機が深刻になるなか、不良債権の割合が10%超の“危険水域”に達している金融機関に注目が集まっている。金融庁の資料によると、メガバンクや地方銀行など預金を扱う全国562の金融機関のうち、実に3割近くの146が危険水域入り。危うい金融機関に予防的に公的資金(税金)を投入できるようにする金融機能強化法改正案の審議は曲折が予想されており、これらの銀行の行く末が案じられている。 不良債権比率とは、金融機関が企業や個人に実行した融資や融資枠のうち、返済に滞りが出ているものがどれくらいあるかを示すもの。比率が高いほど、焦げ付く可能性のある融資が多いことになり、その金融機関の経営状態はよくないことになる。 2003年5月に一時国有化されたりそな銀行の場合、国有化直前の不良債権比率は10%程度。同11月に事実上経営破綻し、一時国有化された足利銀行は14%程度だった。10%を超えると、“危険水域”にあるといえる。 そこで、金融庁の資料をもとに、2008年3月末時点の不良債権比率が10%超の金融機関をピックアップすると、地銀1行、第2地銀1行、68の信金、76の信組の計146の金融機関が該当した。 地銀で不良債権比率10%超となっているのは、長崎県佐世保市に本店を構え、2007年にふくおかフィナンシャルグループ(FG)の傘下に入った親和銀行。地域経済の落ち込みを背景に不良債権比率が高止まりしていたうえ、ふくおかFGの傘下入りを機に不良債権の査定を厳格化したところ、不良債権比率が前年同期より2.18ポイント高い15.73%にアップした。 第2地銀では、大分市にある豊和銀行が12.87%。2008年3月期に不良債権を厳しく査定し、今期はその処理を進めたことで不良債権比率は0.8ポイント改善したものの、依然として高水準となっている。 「豊和銀は2006年3月期に銀行の健全性を示す自己資本比率が3%を割り込んだことがあった。国内で業務を行う銀行がクリアすべき4%を大きく下回ったことから、経営不安説が流れ、預金流出を招いたこともあった」(金融関係者)という。08年3月期の自己資本比率は6.69%に改善している。 信金、信組では、不良債権比率が極めて高い水準にあるところが多い。信金では全279金庫の約4分の1、信組は全164信組の半分近くが不良債権比率10%超と、目を覆いたくなるような惨状にある。 信金でもっとも不良債権比率が高かったのは岩国信金(山口)の23.25%。2008年3月期は金融機関の売上高にあたる業務粗利益が8億円、最終損益が7億円の赤字となった。不良債権比率も前の期の20.80%から増加している。 信組では、顧客から受け入れている預金量が全信組のなかで5番目に大きい山梨県民信組(山梨)が、不良債権比率27.93%。同信組のほかに8信組が20%超となった。 同信組以外で20%超となったのは、佐世保中央信組(長崎、26.67%)▽イオ信組(岐阜、26.55%)▽信組愛知商銀(愛知、24.27%)▽長崎県民信組(長崎、23.45%)▽信組岡山商銀(岡山、23.20%)▽鹿児島県信組(鹿児島、22.53%)▽五城信組(宮城、20.74%)▽青森県信組(青森、20.29%)の8信組。 金融関係者は「地域金融機関は経営規模が小さく、高水準の不良債権比率を自力で減らすことは難しい。公的資金投入で時間稼ぎをする間に、経営体力のある金融機関との経営統合を目指すしか生き残りの道はないのではないか」と分析している。不良債権比率10%超、146社も
信金の4分の1、信組の半分が不良債権比率10%超
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